859 / 953
愛別離苦
虫の駆除
しおりを挟む
さて【技能眼】で見たスキルを模倣する前に、俺にはやるべきことがある。
そう。
アキーエたちを熱い目で見てる奴らをぶっ飛ばす事だ‥
ガチムチおっさんドワーフ包囲網を抜け出し、アキーエたちの所に向かう。
おそらくこの国の貴族の息子たちだろう。
この国を救った英雄と接点が持てればラッキー、そしてあわよくば嫁になんて思ってるんじゃないだろうか?
いや、俺の仲間はみんな綺麗だったり可愛かったりするから、そう思ってるに決まっている!
うん。
殲滅だな。
「しかしアキーエさんはそんなにお強いのにこんなにお綺麗だなんて、周りの人達が放っておかないでしょう?」
そんな事をアキーエに向かって言い放っているやつに近寄っていく。
「そんな事ないですよ。それに今はそれどころじゃないですから。」
アキーエが笑顔で返事をしているので、それで気をよくしたのか男は更に突っ込んで質問をする。
「それなら今は特定の異性はいらっしゃらないと言う事ですか?なんと勿体無い、世界の損失ですよ!私でよろしければ立候補させてもらえませんか?こう見えて私は伯爵家の者なんです。アキーエさんが満足できる暮らしを提供できると思いますよ。」
貴様が暮らしを提供する未来はない‥
この王城にある庭の肥やしになってもらおう。
「まだこれから復興の手続きをしないといけませんし、すぐにと言うわけじゃないのですが‥ヒィッ!」
ほう。
俺の殺気に気づくとはなかなかやるではないか‥
安心するがいい。
派手にいけるように身体に木偶爆弾をくくりつけて空に飛ばしてやろう。
「ちょっとマルコイ。そんなに殺気駄々漏れでどうしたのよ。みんな怖がってるじゃない。何か嫌な事でもあったの?」
むぅ。
なるほど、殺気に気付いたわけでなく駄々漏れだったわけか。
「止めるなアキーエ。男には決着をつけねばならぬ事があるのだ。」
「何を訳のわからない事を言ってるのよまったく。」
「マ、マルコイさん‥よ、よかった。貴方のような英雄と話す事ができるなんて。ずっと先の代まで自慢できます。」
先程までアキーエと話していた男が恐る恐る話しかけてきた。
安心するがいい。
そんな未来は貴様にはこない。
必殺!
息の根この場で止めてやるアキーエオレノヨメ拳っ!
「もうふざけないの。」
俺の拳が唸る前に、アキーエのツッコミが後頭部に迫る。
俺はその手を受け止めて、アキーエを見つめる。
「俺の大事なメンバーを口説かれて、黙ってられるか。」
「あ、そ、そう言う事なの‥」
俺の手が痺れて感覚がなくなっている。
「ああ。だからちょっと一言いってやろうと思ってな。」
アキーエがもじもじしている。
今がチャンスだ。
死ぬがいい!必殺‥
「もうヤキモチね。恥ずかしい!」
そう言ってアキーエは俺の肩を叩こうとする。
再度防ごうと思ったが、腕に感覚がなく動く気配がない。
あ、これヤバいやつだ。
肩‥いや全身をエンチャント:護る者で強化しないと恐らくじいちゃんに会えるやつだ。
肩に衝撃が走る。
俺はそのまま勢いを殺せずに錐揉みするように回転して王城の壁に突き刺ささった。
「でも嬉しいわ‥あれ?マルコイ?‥‥マルコイ知りませんか?」
アキーエは先程まで話していた男性に問いかける。
「ひっ!す、すみません!た、多分あちらにお飛びになったと思います。は、はやすぎて見えませんでしたけど。あ!ぼ、ぼく挨拶しないといけない人がいました!申し訳ありません、失礼します!」
男は脱兎のように逃げ出していった。
ふっ。
計算と少し違ってしまったが、結果的にはアキーエにたかる虫たちを駆除できたようだな‥
このツッコミをいなせなければ、アキーエの横に立つ資格はない。
俺は壁に埋まり、壁画のようになったまま笑みを浮かべた。
ふむ。
一悶着あったが、あれから男性たちはパーティメンバーに近寄らず遠巻きに見ている。
俺が身体を張って、うちのメンバーにちょっかいかけたらこうなるぞって言うの教えてやったからな。
そんな俺の元にまたガチムチのおっさんたちが近寄ってこようとしている。
おそらく先程のツッコミで死ななかったのを、何かの魔道具だと思っているのかもしれない。
「マルコイさん。」
俺がガチムチたちをどう処理しようかと迷っているとキリーエが声をかけてきた。
「どうしたキリーエ?」
「なんもあらへんけど気になることがあって。」
「ん?気になること?」
「そや。王様と話してた時に国の話してたやろ?」
国の話?
あ、王様になれとかふざけた話のやつね。
「ああ。王様がふざけてこの国の王様になれとか言ってきたやつか。全くとんてない冗談だよな。」
「ほんまにふざけた話や。マルコイさんが王様になるんやったら、キリエル村を独立させて国にするんやからね。」
いや、それも初めて聞きましたけど‥
そう。
アキーエたちを熱い目で見てる奴らをぶっ飛ばす事だ‥
ガチムチおっさんドワーフ包囲網を抜け出し、アキーエたちの所に向かう。
おそらくこの国の貴族の息子たちだろう。
この国を救った英雄と接点が持てればラッキー、そしてあわよくば嫁になんて思ってるんじゃないだろうか?
いや、俺の仲間はみんな綺麗だったり可愛かったりするから、そう思ってるに決まっている!
うん。
殲滅だな。
「しかしアキーエさんはそんなにお強いのにこんなにお綺麗だなんて、周りの人達が放っておかないでしょう?」
そんな事をアキーエに向かって言い放っているやつに近寄っていく。
「そんな事ないですよ。それに今はそれどころじゃないですから。」
アキーエが笑顔で返事をしているので、それで気をよくしたのか男は更に突っ込んで質問をする。
「それなら今は特定の異性はいらっしゃらないと言う事ですか?なんと勿体無い、世界の損失ですよ!私でよろしければ立候補させてもらえませんか?こう見えて私は伯爵家の者なんです。アキーエさんが満足できる暮らしを提供できると思いますよ。」
貴様が暮らしを提供する未来はない‥
この王城にある庭の肥やしになってもらおう。
「まだこれから復興の手続きをしないといけませんし、すぐにと言うわけじゃないのですが‥ヒィッ!」
ほう。
俺の殺気に気づくとはなかなかやるではないか‥
安心するがいい。
派手にいけるように身体に木偶爆弾をくくりつけて空に飛ばしてやろう。
「ちょっとマルコイ。そんなに殺気駄々漏れでどうしたのよ。みんな怖がってるじゃない。何か嫌な事でもあったの?」
むぅ。
なるほど、殺気に気付いたわけでなく駄々漏れだったわけか。
「止めるなアキーエ。男には決着をつけねばならぬ事があるのだ。」
「何を訳のわからない事を言ってるのよまったく。」
「マ、マルコイさん‥よ、よかった。貴方のような英雄と話す事ができるなんて。ずっと先の代まで自慢できます。」
先程までアキーエと話していた男が恐る恐る話しかけてきた。
安心するがいい。
そんな未来は貴様にはこない。
必殺!
息の根この場で止めてやるアキーエオレノヨメ拳っ!
「もうふざけないの。」
俺の拳が唸る前に、アキーエのツッコミが後頭部に迫る。
俺はその手を受け止めて、アキーエを見つめる。
「俺の大事なメンバーを口説かれて、黙ってられるか。」
「あ、そ、そう言う事なの‥」
俺の手が痺れて感覚がなくなっている。
「ああ。だからちょっと一言いってやろうと思ってな。」
アキーエがもじもじしている。
今がチャンスだ。
死ぬがいい!必殺‥
「もうヤキモチね。恥ずかしい!」
そう言ってアキーエは俺の肩を叩こうとする。
再度防ごうと思ったが、腕に感覚がなく動く気配がない。
あ、これヤバいやつだ。
肩‥いや全身をエンチャント:護る者で強化しないと恐らくじいちゃんに会えるやつだ。
肩に衝撃が走る。
俺はそのまま勢いを殺せずに錐揉みするように回転して王城の壁に突き刺ささった。
「でも嬉しいわ‥あれ?マルコイ?‥‥マルコイ知りませんか?」
アキーエは先程まで話していた男性に問いかける。
「ひっ!す、すみません!た、多分あちらにお飛びになったと思います。は、はやすぎて見えませんでしたけど。あ!ぼ、ぼく挨拶しないといけない人がいました!申し訳ありません、失礼します!」
男は脱兎のように逃げ出していった。
ふっ。
計算と少し違ってしまったが、結果的にはアキーエにたかる虫たちを駆除できたようだな‥
このツッコミをいなせなければ、アキーエの横に立つ資格はない。
俺は壁に埋まり、壁画のようになったまま笑みを浮かべた。
ふむ。
一悶着あったが、あれから男性たちはパーティメンバーに近寄らず遠巻きに見ている。
俺が身体を張って、うちのメンバーにちょっかいかけたらこうなるぞって言うの教えてやったからな。
そんな俺の元にまたガチムチのおっさんたちが近寄ってこようとしている。
おそらく先程のツッコミで死ななかったのを、何かの魔道具だと思っているのかもしれない。
「マルコイさん。」
俺がガチムチたちをどう処理しようかと迷っているとキリーエが声をかけてきた。
「どうしたキリーエ?」
「なんもあらへんけど気になることがあって。」
「ん?気になること?」
「そや。王様と話してた時に国の話してたやろ?」
国の話?
あ、王様になれとかふざけた話のやつね。
「ああ。王様がふざけてこの国の王様になれとか言ってきたやつか。全くとんてない冗談だよな。」
「ほんまにふざけた話や。マルコイさんが王様になるんやったら、キリエル村を独立させて国にするんやからね。」
いや、それも初めて聞きましたけど‥
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる