856 / 953
愛別離苦
城での祝勝会
しおりを挟む
お迎えの馬車は王家の馬車だけあり、揺れが少なく乗り心地が良かった。
異世界の知識にサスペンションがあるのだが、それに近いものを使っているのだろう。
馬車の中で少しウトウトしてしまい、その間にアキーエに髪の毛で遊ばれてしまい、整髪剤をつけたのか髪をかきあげた状態で固まっていた。
王城の前に着く。
「マルコイ様御一行であられますね。パーティーの準備はできております。そのまま会場にお入りください。」
城の前にいた門兵の人にすすめられて、城の中に入る。
門兵といえばイルケルさんはどうなったんだろうか‥
神のダンジョンで魔道具を盗んだ罪で、聖騎士の副隊長から神殿の門兵になってたけど、俺の魔道具実験の被験者‥げふんげふん‥お試しをしてもらったんだよな。
その後の事はよくわかってないけど、好転したんだろうか?
そのうち神聖国にも様子を見に行かないといけないとは思ってるんだけど、今はタルタル教の巣窟になってるからな‥
迂闊に入国すると大変な目にあいそうだから『影法師』を作って潜入してみるとしようかな。
そんな事を考えていると、会場に到着した。
扉の前で待つ様に言われたので待っていると、中から声が聞こえる。
「それではみなさま大変ながらくお待たせいたしました。救国の英雄である、冒険者マルコイ殿御一行の登場です。」
そんな声が聞こえたかと思ったら、目の前の扉が自動で開いた。
いや、よく見たら開戸の内側に人がいた。
扉を開けた後にさっと隠れたのか?
そんな変に凝った催しで開いた扉の中に入る。
「おー!あれが件の冒険者か!」
「まだ若いのに‥」
「うむ。確かに隙がないな‥」
様々な声が聞こえてくる。
前回モンスターの氾濫を撃退したときよりも注目されてます。
前回も国の危機だったと思うけど、今回は悪政を敷く王を倒して善王を救ったからな。
直接プリカを襲ったモンスターを撃退したよりも、街外の貴族にも大きな事だったんだろうか‥?
まあモンスターは俺たちで撃退したが、もしかしたら国の戦力で撃退できたと思ってたのかもしれないな。
「まるで貴族‥いや、王子様のようね‥」
「ほんと。なんて素敵な人なのかしら‥」
何やら貴族の女性方から褒められているようですな‥
もっと持ち上げてもいいんですよ。
「周りのパーティメンバーも美しい女性が多い。誰か我が領土に迎える事ができないだろうか‥?」
「あれだけ美しくて強いなど‥私の息子の相手にどうだろうか‥」
俺は声が聞こえた方に視線を向ける。
俺のパーティメンバーを引き抜こうなんて、いい度胸じゃないか‥
お前とお前だな!
顔は覚えたぞ!
「ひぃ!」
俺の顔を見て貴族たちが慌てて隠れる。
「こらマルコイ。だめでしょ、こんなおめでたい場所でそんな顔したら。誘われても誰1人抜けるメンバーなんていないんだから、どーんと構えてなさい。」
うっ‥
俺はみんなに助けてもらってるから抜けられたくない。
でも誘った奴の条件が魅力的な場合もある。
みんなの事を信じてるし、抜けるなんて思ってもいないけど、ずっとやりたかった事だったりすると引き留めるのも申し訳ない気がする。
そんな時は快く送りだ‥‥せぬ!
いや、そんな時が来たら送り出そう!
しかしそんな日がなるべく来ない様に、近寄る奴らは全部成敗してやる‥
「もう‥心配性なんだから。マルコイの側よりいいところなんてあるわけないでしょ。」
そうだといいんだけど‥
「おお!マルコイよ!よく来てくれた!」
会場の奥にいる王様が声をかけてきた。
あれ?
王様ってこんな時は最後に来るもんじゃないの?
俺たちが王様より後でいいんだろうか‥?
「ご無沙汰していました。今日はお招きありがとうごさいます。」
「ふむふむ。本当によかったぞマルコイ。今日来なかったら獣人国まで追いかけるところであったぞ。」
おっさん本気だったんかい。
てっきり王様が言った事をイェルンさんが誇張したのかと思ってたんだけど‥
「早馬で獣人国の獣王に訪問する旨を認めた手紙を準備してたのだが、必要なくなったようだな。」
どこまで準備してるんですか‥
「今は王様はとてもお忙しい身。俺たちのような冒険者に構う暇はないでしょう。」
「マルコイよ‥貴公がいなければ私はここにいなかったし、ここにいる貴族たちもどうなっていたかわからないのだぞ。それを救った貴公と祝わねば、この国は先に進めぬ。そう思わぬか?」
いや、別に思わないんですけど‥
無事に復興もしてるし、気分的な問題じゃないですかね‥?
「マルコイよ‥話は変わるが‥王様やってみない?」
はえ?
異世界の知識にサスペンションがあるのだが、それに近いものを使っているのだろう。
馬車の中で少しウトウトしてしまい、その間にアキーエに髪の毛で遊ばれてしまい、整髪剤をつけたのか髪をかきあげた状態で固まっていた。
王城の前に着く。
「マルコイ様御一行であられますね。パーティーの準備はできております。そのまま会場にお入りください。」
城の前にいた門兵の人にすすめられて、城の中に入る。
門兵といえばイルケルさんはどうなったんだろうか‥
神のダンジョンで魔道具を盗んだ罪で、聖騎士の副隊長から神殿の門兵になってたけど、俺の魔道具実験の被験者‥げふんげふん‥お試しをしてもらったんだよな。
その後の事はよくわかってないけど、好転したんだろうか?
そのうち神聖国にも様子を見に行かないといけないとは思ってるんだけど、今はタルタル教の巣窟になってるからな‥
迂闊に入国すると大変な目にあいそうだから『影法師』を作って潜入してみるとしようかな。
そんな事を考えていると、会場に到着した。
扉の前で待つ様に言われたので待っていると、中から声が聞こえる。
「それではみなさま大変ながらくお待たせいたしました。救国の英雄である、冒険者マルコイ殿御一行の登場です。」
そんな声が聞こえたかと思ったら、目の前の扉が自動で開いた。
いや、よく見たら開戸の内側に人がいた。
扉を開けた後にさっと隠れたのか?
そんな変に凝った催しで開いた扉の中に入る。
「おー!あれが件の冒険者か!」
「まだ若いのに‥」
「うむ。確かに隙がないな‥」
様々な声が聞こえてくる。
前回モンスターの氾濫を撃退したときよりも注目されてます。
前回も国の危機だったと思うけど、今回は悪政を敷く王を倒して善王を救ったからな。
直接プリカを襲ったモンスターを撃退したよりも、街外の貴族にも大きな事だったんだろうか‥?
まあモンスターは俺たちで撃退したが、もしかしたら国の戦力で撃退できたと思ってたのかもしれないな。
「まるで貴族‥いや、王子様のようね‥」
「ほんと。なんて素敵な人なのかしら‥」
何やら貴族の女性方から褒められているようですな‥
もっと持ち上げてもいいんですよ。
「周りのパーティメンバーも美しい女性が多い。誰か我が領土に迎える事ができないだろうか‥?」
「あれだけ美しくて強いなど‥私の息子の相手にどうだろうか‥」
俺は声が聞こえた方に視線を向ける。
俺のパーティメンバーを引き抜こうなんて、いい度胸じゃないか‥
お前とお前だな!
顔は覚えたぞ!
「ひぃ!」
俺の顔を見て貴族たちが慌てて隠れる。
「こらマルコイ。だめでしょ、こんなおめでたい場所でそんな顔したら。誘われても誰1人抜けるメンバーなんていないんだから、どーんと構えてなさい。」
うっ‥
俺はみんなに助けてもらってるから抜けられたくない。
でも誘った奴の条件が魅力的な場合もある。
みんなの事を信じてるし、抜けるなんて思ってもいないけど、ずっとやりたかった事だったりすると引き留めるのも申し訳ない気がする。
そんな時は快く送りだ‥‥せぬ!
いや、そんな時が来たら送り出そう!
しかしそんな日がなるべく来ない様に、近寄る奴らは全部成敗してやる‥
「もう‥心配性なんだから。マルコイの側よりいいところなんてあるわけないでしょ。」
そうだといいんだけど‥
「おお!マルコイよ!よく来てくれた!」
会場の奥にいる王様が声をかけてきた。
あれ?
王様ってこんな時は最後に来るもんじゃないの?
俺たちが王様より後でいいんだろうか‥?
「ご無沙汰していました。今日はお招きありがとうごさいます。」
「ふむふむ。本当によかったぞマルコイ。今日来なかったら獣人国まで追いかけるところであったぞ。」
おっさん本気だったんかい。
てっきり王様が言った事をイェルンさんが誇張したのかと思ってたんだけど‥
「早馬で獣人国の獣王に訪問する旨を認めた手紙を準備してたのだが、必要なくなったようだな。」
どこまで準備してるんですか‥
「今は王様はとてもお忙しい身。俺たちのような冒険者に構う暇はないでしょう。」
「マルコイよ‥貴公がいなければ私はここにいなかったし、ここにいる貴族たちもどうなっていたかわからないのだぞ。それを救った貴公と祝わねば、この国は先に進めぬ。そう思わぬか?」
いや、別に思わないんですけど‥
無事に復興もしてるし、気分的な問題じゃないですかね‥?
「マルコイよ‥話は変わるが‥王様やってみない?」
はえ?
10
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
アレク・プランタン
かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった
と‥‥転生となった
剣と魔法が織りなす世界へ
チートも特典も何もないまま
ただ前世の記憶だけを頼りに
俺は精一杯やってみる
毎日更新中!
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~
黒色の猫
ファンタジー
両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。
冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。
最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。
それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった…
そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。
小説家になろう様でも投稿しています。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが……
なろう、カクヨムでも投稿しています。
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる