スキルを模倣して最強無敵!異世界勇者?魔王?どっからでもかかってこいやぁ!

オギコン

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愛別離苦

ミミウと聖女

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一体何がどうなっている‥?

お店の厨房のような場所で、恵は横たわっていた。

余程疲れているのだろう、肩で息をしているのがわかる。

それに対してミミウは、テーブルのような所に座り、空になった皿たちに囲まれるようにして座っていた。


まるで、恵がミミウに料理を作っていたかのようだ‥




‥‥‥いや、本気で何やってんの君たち‥?


「なあ‥2人とも何やってるの?」

「あっ!マルコイさんですぅ!」

「マルコイさん!?」

恵が横になった状態で、首だけ持ち上げて俺を探している。
気持ち悪いなおい。

「本当だ!マルコイさん、会いたかったです!」

恵が腕を使わずにミノムシのように地面を這ってきた。

いや、何この娘。
本気で気持ち悪いんだけど‥

こいつもどこかにネジ落としてきたか‥?

「それで?一体なにをしてたんだ?」

「ミミウちゃんとご飯食べようって事になったんですけど、宿の食堂がやってなくて。それで食べに行こうってここまで来たんですけど、ほとんどの店が休みだったんです。」 

うんうん。
それで、何故こうなった?

「お店の人に話を聞いたら、しばらく周りの店の復興手伝いしてるから店を開けないと言われたんです。」

「それで?」

「自分たちで作ってみました。」

ふむふむ。

少し間の説明が抜けているような気がするが、何となく経緯はわかった。

「それで何故恵がミノムシになってるんだ?」

「やだ!マルコイさん!ミノムシだなんて‥まるでミノムシみたいに愛に包まれてるなんて言いたいんですか!もう私はマルコイさんの愛だけで‥ごにょごにょ‥」

な、なんだその‥

気持ち悪いなおい。

「ミミウちゃんがものすごく食べるって聞いてたから、お腹いっぱいになるまで食べてもらおうって思いまして‥お店の人も私が作ってる料理を見て珍しかったのか、どんどん作っていいよって言われたので張り切って作ってたらこうなりました。」

恵が作るのは異世界の料理だからな。
お店の人も見たかったんだろう。

まあでも店の食材ほとんど使われるとは思わなかったんだろう。

だってお店の人、頷きながらも涙目だもん。

「でも流石ミミウさんですね‥神聖魔法使って、身体強化と回復をかけながら作っていたんですが、気がついたら腕が動かなくなってました。」

恵は立ちあがろうとしているのだろうが、腕が動かないせいか転がりながらビタンビタンしている。

そうか‥
お前はミノムシじゃなくて、陸に打ち上げられた魚だったのか‥

「マルコイさん!」

ミミウが俺の方に走り寄ってくる。

途中で恵を見て不思議そうな顔をしてから、迂回してきた。

「マルコイさんご飯が食べたいですぅ!」

おうおう。

さっきまで食べてましたよね?なんて無粋な事は聞かないよ。

「任せとけ!」

ふっふっふ。

恵がいくら異世界の料理を作れようとも、ミミウが満足するにはそれを大量に作れる体力、動かなくなった腕を無理矢理にでも動かす精神力が必要なのだ。

たかが知識がある程度でミミウを満足させる事が出来ると思うなよ!

ミノムシじゃなかった、陸魚とは違うって所を見せてやるぜっ!


‥‥‥あれ?

俺、料理作るためにミミウ探してたんだったっけ‥?

何か用事があったような‥

まあいいや。

とりあえず今はミミウの空腹を解消するのが先だ。

涙目になっているお店の人に声をかける。

「連れが迷惑かけてすみません。使用した食材と厨房の使用料をお支払いします。なのでもう少しだけこちらを貸していただいてもいいですか?」

店主は料金を支払ってもらえるとわかり安心したのか、二つ返事で場所を貸してくれた。

さてさて、何を作ろうかな。

厨房の中を見渡す。

恵がビタンビタンしても問題ないくらいの広さはある。

お肉大好きミミウさん。
でもお肉ばかりじゃなくて、お野菜も食べないとね。

そこで今回作るのは‥

お肉も食べれて野菜も食べれる。

みんな大好き餃子を作ってみよう。

まあみんな大好きなのは異世界だけで、この世界の人たちは食べた事もないんだけど‥

ミミウの空腹が解消するくらいの量となると、かなりの量を作る必要がある。

特に大量のキャベツと挽肉だ。

これを俺が作るとなると腕が確実に死ぬ。

なら何故この料理にしたかというと‥

「『創造:フードプロフェッサー』!」

ふっ‥

俺にはスキル【創造士】があるからなのだよ。

筒状の箱の中には鉄人形の手のひらが入っており、手のひらの指の先端が刃物のになっている。

これが箱の中で回転して野菜やお肉を細かく切ってくれる。

これで微塵切りの工程はグッと短くなる。

かかってくるがいい、ミミウ大魔王よ!
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