845 / 953
愛別離苦
タルタル大神殿
しおりを挟む
もうね、他の商店街や居住区と職人さんの数が違うんですよ。
プリカの、トールルズのタルタル教への入れ込み具合がわかるというものだ‥
わかりたくないけど‥
しかし何故タルタル神殿なのだ?
俺が王様やイェルンさんと話をした時は女神がタルタルソースが好きだって話にしていたはず。
タルタルは素晴らしいとかいう話にはなっていた気がするのだが、タルタルの存在自体を崇めるまではなっていなかったはず‥
ま、まさか‥
タルタル教の魔の手がここまで迫ってきているという事なのか‥?
「おーい!その皿を持った女神像はタルタル神像の横に‥いや、女神がタルタル神からタルタルソースを授けられるって構図がいいのかな‥」
声のした方を見ると、張り切って指示を出しているイェルンさんがいた。
な、なんだと?
まさかタルタル神の事まで伝わっているとは‥
これは確実にタルタル教が関わっているに違いない‥
だってタルタル神の神像が俺が料理大会の優勝賞品として作ったやつと同じだもん。
しかし気になる事がもう一つ。
イェルンよ‥
何故そんな馬鹿な事をしようとしてるんだい?
それだとタルタル神とやらが、女神にタルタルソースを授けているように思われるだろう?
あの駄女神のせいでこんな勘違いが生まれてしまったが、後世まで語り継がれるような間違いは正さねばなるまい‥
「イェルンさん。ちょっといいかい?」
俺はイェルンさんの側に行き声をかける。
「おお!マルコイさんじゃないですか!ちょうどよかった!神々しいばかりのタルタル神様の神像を教会の中央に鎮座していただこうと思っているのですが、女神像をどちらに置こうか迷っているのです。タルタルソースという神の奇跡を女神が好まれるのはわかるのですが、女神がタルタル神様からタルタルソースを跪いて授けられるような姿に作り直すべきなのか、それともあくまで同じ神として少し女神像を退がらせるだけにするのか迷っているんです!しかし女神はタルタル神様の奇跡を受け取っているから、同等にしてしまうのはタルタル神様にとって失礼に当たるのではないかと思うのですが、マルコイさんはどう思われますかっ!」
圧が凄い!!
いや、圧もそうだが何を言ってるんだコイツは!?
タルタル神なんてやつはいないぞ!
あれはタルタルを狂愛してしまった人たちが生み出した偶像だぞ?
そんな物を実在する女神の上に立てるとか頭がおかしいんじゃないだろうか‥?
「マルコイさん?何故そんな不思議そうな顔をしているんですか?タルタル神様ですよ?実在して、我々を見守って助けていただけるタルタル神様ですよ?女神すらも手懐けたタルタル神様ですよ?」
な、なんなんだコイツは?
女神が涙を流していた事に感動したんじゃなかったのか?
これはもう『洗脳』と一緒なんじゃないだろうか?
「ちょ、ちょっと落ち着きましょうイェルンさん。いくつか質問がありますが、イェルンさんは涙を流した女神に感動してましたよね?いつの間に信仰対象がタルタル神になってるんですか?あとタルタル神ってどこから聞いたんですか?あとあのタルタル神の石像はどこから手に入れたんですか!」
おっと!
いかんいかん。
俺もつい興奮してしまったようだ。
冷静に冷静に‥
「なるほど。」
俺の質問を聞いたイェルンさんがニヤリと笑う。
「マルコイさんはタルタル教の事をご存知なかったのですか。そうであればその反応は仕方ありませんね。タルタル教とは神の奇跡であるタルタルソースを作り上げたタルタル神を祀る宗教になります。ロンギル共和国や新タルタル神聖国の国教にもなっていますよ。タルタルを作る事ができるマルコイさんが知らないなんて、世の中不思議な事があるものですね。」
知ってる‥
いや、知らない!
新タルタル神聖国ってなに?
多分だけど、ウルスート神聖国の事だよね?
グルンデルさん何やってるの?
「我が国も同じようにタルタル教を国教にしようという事になりまして。それでこの大神殿を作る事になったのです。」
「そ、そうですか‥王様はなんと?」
「もちろんゼルギウス王も知ってらっしゃいますよ!王やその他の貴族との話し合いで決まったのですから。もちろん国教になるとはいえ、ウルスエート教を崇める方もいらっしゃるので強制ではないですけどね。」
そうか‥
もうここまでタルタル教が迫ってきていたんだな‥
戦いの日が近いのかもしれない‥
「イェルンさん。女神が膝をついたらウルスエート教の人たちがいい気がしないと思います。神は同列、同じ位置に配置してください。それと女神像が七色に光った時の事も考えて布が何かを被せれるようにした方がいいかもしれませんね。目がやられますから。」
俺はそう言い残し、その場を後にした‥
タルタル教をどうにかすると心に決めて‥
いや、無理だろうけど‥
プリカの、トールルズのタルタル教への入れ込み具合がわかるというものだ‥
わかりたくないけど‥
しかし何故タルタル神殿なのだ?
俺が王様やイェルンさんと話をした時は女神がタルタルソースが好きだって話にしていたはず。
タルタルは素晴らしいとかいう話にはなっていた気がするのだが、タルタルの存在自体を崇めるまではなっていなかったはず‥
ま、まさか‥
タルタル教の魔の手がここまで迫ってきているという事なのか‥?
「おーい!その皿を持った女神像はタルタル神像の横に‥いや、女神がタルタル神からタルタルソースを授けられるって構図がいいのかな‥」
声のした方を見ると、張り切って指示を出しているイェルンさんがいた。
な、なんだと?
まさかタルタル神の事まで伝わっているとは‥
これは確実にタルタル教が関わっているに違いない‥
だってタルタル神の神像が俺が料理大会の優勝賞品として作ったやつと同じだもん。
しかし気になる事がもう一つ。
イェルンよ‥
何故そんな馬鹿な事をしようとしてるんだい?
それだとタルタル神とやらが、女神にタルタルソースを授けているように思われるだろう?
あの駄女神のせいでこんな勘違いが生まれてしまったが、後世まで語り継がれるような間違いは正さねばなるまい‥
「イェルンさん。ちょっといいかい?」
俺はイェルンさんの側に行き声をかける。
「おお!マルコイさんじゃないですか!ちょうどよかった!神々しいばかりのタルタル神様の神像を教会の中央に鎮座していただこうと思っているのですが、女神像をどちらに置こうか迷っているのです。タルタルソースという神の奇跡を女神が好まれるのはわかるのですが、女神がタルタル神様からタルタルソースを跪いて授けられるような姿に作り直すべきなのか、それともあくまで同じ神として少し女神像を退がらせるだけにするのか迷っているんです!しかし女神はタルタル神様の奇跡を受け取っているから、同等にしてしまうのはタルタル神様にとって失礼に当たるのではないかと思うのですが、マルコイさんはどう思われますかっ!」
圧が凄い!!
いや、圧もそうだが何を言ってるんだコイツは!?
タルタル神なんてやつはいないぞ!
あれはタルタルを狂愛してしまった人たちが生み出した偶像だぞ?
そんな物を実在する女神の上に立てるとか頭がおかしいんじゃないだろうか‥?
「マルコイさん?何故そんな不思議そうな顔をしているんですか?タルタル神様ですよ?実在して、我々を見守って助けていただけるタルタル神様ですよ?女神すらも手懐けたタルタル神様ですよ?」
な、なんなんだコイツは?
女神が涙を流していた事に感動したんじゃなかったのか?
これはもう『洗脳』と一緒なんじゃないだろうか?
「ちょ、ちょっと落ち着きましょうイェルンさん。いくつか質問がありますが、イェルンさんは涙を流した女神に感動してましたよね?いつの間に信仰対象がタルタル神になってるんですか?あとタルタル神ってどこから聞いたんですか?あとあのタルタル神の石像はどこから手に入れたんですか!」
おっと!
いかんいかん。
俺もつい興奮してしまったようだ。
冷静に冷静に‥
「なるほど。」
俺の質問を聞いたイェルンさんがニヤリと笑う。
「マルコイさんはタルタル教の事をご存知なかったのですか。そうであればその反応は仕方ありませんね。タルタル教とは神の奇跡であるタルタルソースを作り上げたタルタル神を祀る宗教になります。ロンギル共和国や新タルタル神聖国の国教にもなっていますよ。タルタルを作る事ができるマルコイさんが知らないなんて、世の中不思議な事があるものですね。」
知ってる‥
いや、知らない!
新タルタル神聖国ってなに?
多分だけど、ウルスート神聖国の事だよね?
グルンデルさん何やってるの?
「我が国も同じようにタルタル教を国教にしようという事になりまして。それでこの大神殿を作る事になったのです。」
「そ、そうですか‥王様はなんと?」
「もちろんゼルギウス王も知ってらっしゃいますよ!王やその他の貴族との話し合いで決まったのですから。もちろん国教になるとはいえ、ウルスエート教を崇める方もいらっしゃるので強制ではないですけどね。」
そうか‥
もうここまでタルタル教が迫ってきていたんだな‥
戦いの日が近いのかもしれない‥
「イェルンさん。女神が膝をついたらウルスエート教の人たちがいい気がしないと思います。神は同列、同じ位置に配置してください。それと女神像が七色に光った時の事も考えて布が何かを被せれるようにした方がいいかもしれませんね。目がやられますから。」
俺はそう言い残し、その場を後にした‥
タルタル教をどうにかすると心に決めて‥
いや、無理だろうけど‥
10
お気に入りに追加
557
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる