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愛別離苦

プリカの行く末

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一旦冒険者ギルドに戻り、イェルンさんたちに連絡をしてもらうよう手筈してから王様と城に向かう。

城ではヨエクについた貴族たちがヨエクの帰りを待っていたようだが、帰ってきたのがゼルギウス王だったために蜘蛛の子を散らす状況となった。

「ええい!何を騒いでおる!捕縛命令が出ていたゼルギウスが目の前に現れたのだ!すぐ捕えるのだ!」

何やら少し偉そうな貴族の方が来た。

「ボアルフ侯爵よ。ヨエクはもう戻らぬ。諦めるがいい。」

「戯言を!構わん、責任は私が取る!全員殺してしまえっ!」

なんてやり取りがありました。

結果?

「何も知らないくせに甘い汁を吸おうとした罰よ!」

激怒アキーエさんが魔力をそのまま壁のように放出して、貴族の人たちは仲良く壁に壁画のように埋まりました。

かなり手加減しているとはいえ、アキーエさんの攻撃ですからね。

でもアキーエさん、とりあえずこの人たち貴族なんでそんな思い切った攻撃しても大丈夫なんですかね?

「構わん。アキーエ殿、一旦この城にいる貴族を全て捕えるか、気絶させてくれ。」

俺が王様の様子を伺うと、何ともアキーエさんがすっきりしそうな提案をしてくれました。

「わかったわ!」

嬉々として貴族の元に向かうアキーエさん。

絶対捕まえる気ありませんよね?
全員殴り飛ばす気ですよね?

俺もスキル【察知】を使いながら、城にいる貴族を殴り飛ばす‥間違えた、捕まえる手伝いをする。

一通りぶっ飛ばしたので、気絶した貴族を謁見の間に運ぶ。

人数が多いので、鉄人形に手伝ってもらって引きずって集めた。

全身ボコボコになってるのはご愛嬌という事で。

「侯爵である私をこのような目に合わせてただで済むと思うなよ!ヨエク王か戻れば‥おぐぇっ!」

「戻らないって言ってるでしょ。」

おお‥アキーエさんが偉そうな事を言っている人に腹パンしている‥

だ、だいぶ怒ってるなぁ‥

まあ確かにヨエクは救いようがない奴だったけど、少なくとも目的はあったしそれを利用されてしまった。

だがこいつらは単に自分可愛さでヨエクについた奴らだからな‥

「く、くそっ!こ、こんな‥おげっ!」

「ちょ、ちょっと待て!は、話を‥ぐげっ!」

「は、はなしを‥ごびょっ!」



「‥‥‥ご‥ご、ごめんなさい‥」

最初に偉そうな事を言ってた侯爵さんが涙目で謝ってる‥

すごい‥
アキーエが味方でよかった‥

しかしこれで済むなら、イェルンさんの苦労はもしかしたらいらなかったんじゃないだろうか‥

「い、いくらヨエク王が戻らないかもしれないとは言え、この所業はやり過ぎではないのか!我らはこの国の貴族ぞ!もう前王である貴方につく貴族は排除されていないのですぞ!わかって‥ひぃ!」

別の貴族が何か言い出したけど、アキーエが握り拳を見せたら黙りました‥

「そんな事はないぞ。」

謁見の間の入り口から声が上がる。

そこには数人の貴族をつれたイェルンさんが立っていた。

「中立派であったアザウア伯爵や、ヨエク元将軍や貴方達が没落させたゼルギウス王派の貴族達を復興させる事にしました。ここに来ていない辺境伯などもゼルギウス王につく事を約束されています。これからゼルギウス王が治めていく国に、貴方達は必要ないのです。」

「そ、そんな!」

「ふざける‥ひぃ!」

アキーエさんの握り拳の効果大。
スキル【威圧】が発動されてます。
持ってないけど。

「ひぃ!」

何故かイェルンさんの側で悲鳴が‥

あ、何故か頭を抱えて蹲ってる人がいる‥

イェルンさんの側にいる貴族さんが「大丈夫だ、バクスター!今彼女は味方だぞ!」みたいな事を言っている。

あそこにもスキル【威圧】の被害者が‥
持ってないけど。

まあそんなこんな事はあったけど、王様が王に戻る障害も取り除き、無事に王座に戻る事ができた。





街の被害もかなりのものだったが、数日したら外から職人さんたちが大量にやってきて街の至る所でトンテンカンテンやっている。

元の街並みに戻るには少し時間がかかるかもしれないけど、笑顔で過ごせる街に戻るためには少し我慢が必要みたいだな。

しかし新しくできている多くの建物にホット商会の印がついているのが気になる‥

明らかに以前の街よりも商店が多くなっているのは気のせいだろうか‥

街の人は、街は壊れてしまったけど新しくホット商会の店がある街に生まれ変わる事は喜ばしい事だ!とか言ってたから問題はないんだろうけど‥

ただ、着実にホット商会の世界征服が迫ってますけどね。

それと‥‥

あとはこれなんだよなぁ。



街の中央に、お城よりも立派な建物が建ちつつある。

建物の前には『タルタル神殿建設中』とある。

なんでこうなるかな‥
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