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愛別離苦
発見
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しばらく進んでいると3つの反応が確認できた。
その3つの反応は動く事なくその場に留まっている。
モンスターなら俺たちに気づいて動きを見せているはずだが、全く動く気配がない‥
もしかしたら‥
その3つの反応に向かっていると、その反応に向かっている別の反応を察知する。
「みんな急ぐぞ!王様らしい反応があった!でもそこに別のモンスターが向かっているようだ。ここのモンスターはそれほど強くはないが、もし反応が王様であれば疲労しているはず。万が一という事もあるから急ごう!」
パーティの同意を得る前に俺は駆け出した。
辿り着くまでに幾つかの角を曲がる。
そして4つめの角を曲がった時に、長い通路の先にある小部屋のようなところに人影とそれを囲むモンスターの姿が目に入る。
壁を背にして武器を構えている人たちを包囲しているのは、この鉱山で1番多く遭遇した狼系のモンスターのようだ。
10匹近くいるようで、そのうちの1匹は他のモンスターの2倍程はある。
壁を背にしている人たちは負傷しているのか、動きが悪い。
1匹のモンスターが盾を手にしている人に向かって飛びかかる。
間に合うか!?
俺は剣を抜き、エンチャントを使って駆ける。
1匹が飛びかかった後、残っているモンスターも一斉に飛びかかった。
まずい‥
間に合わな‥
盾を構えている人に飛びかかったモンスターの頭がはじけた。
そして続け様に数匹のモンスターの頭が弾け飛んだ。
後ろを見なくてもわかる。
キリーエだ。
走る俺を避けてモンスターを攻撃してくれた!
焦って周りが見えていない俺が射線を塞いでいるというのに、僅かな隙間からモンスターを攻撃したのだろう。
「すまない、キリーエ!」
モンスターは突然仲間の頭が破裂したことに驚き、攻撃の手を止めている。
俺はそのモンスターの首を剣で斬り落とす。
「間に合った!」
盾を構えていた人とモンスターの間に立つ。
まだ数匹残っていたが、この程度のモンスターは相手にならない。
すぐに残ったモンスターを討伐して、ボスと思われるモンスターと対峙する。
今倒したモンスターに比べれば多少は強いかもしれないが、この程度なら問題ない!
俺はエンチャント:勇敢なる者を発動してボスに斬りかかる。
上段に構えた剣を振り下ろそうとした時に、悪寒が走る。
その場で屈むと立っていた場所を衝撃波が通り過ぎる。
ゆっくりと立ち上がると同時にボスモンスターの首が床に転がった。
「だいかつやく‥」
通路の方を見ると、抜き身の刀を持ち残心の状態でこちらを見ているリルがいた。
ほう‥
よくわかった。
お前はどうしても俺と決着がつけたいようだな。
「き、貴公は‥マ、マルコイか‥?」
そうだがちょっと待て。
今コイツとの決着を‥‥って、ちょっと待て聞き覚えのある声が‥
俺が振り向くと、そこには俺たちに温かい言葉をかけてくれた王様がいた。
かなり埃にまみれていて、あの時の優雅さはないものの、それでも全てを包んでくれそうな温かな目はそのままだった。
「お待たせしました。マルコイ、ここに王様を助けに馳せ参じました。」
「おお‥なんと‥なんと‥すまない。まさか貴公が来てくれるとは思わなかった‥」
王様が深く頭を下げる。
ちゃんとこういう事ができるから、この人には好感が持てるんだよな。
「しかしまだプリカに来るには早いと思ったが‥それに危険を冒してまで私を助けに来てくれるとは‥」
「少し早く来すぎました。それに誘っていただいたのは王様でしたからね。王様がいないなら探し出せばいい。そう思ってここまで来ました。」
「は、ははは‥そうか‥しかし‥いや、そうだな。冒険者マルコイよ。頼みがある。」
「はい、なんでございましょう。」
「冒険者に対しての正式な依頼だ。私を‥私をここから連れ出してくれないか?」
「無論です。しかし‥それだけでいいんですか‥?」
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近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
その3つの反応は動く事なくその場に留まっている。
モンスターなら俺たちに気づいて動きを見せているはずだが、全く動く気配がない‥
もしかしたら‥
その3つの反応に向かっていると、その反応に向かっている別の反応を察知する。
「みんな急ぐぞ!王様らしい反応があった!でもそこに別のモンスターが向かっているようだ。ここのモンスターはそれほど強くはないが、もし反応が王様であれば疲労しているはず。万が一という事もあるから急ごう!」
パーティの同意を得る前に俺は駆け出した。
辿り着くまでに幾つかの角を曲がる。
そして4つめの角を曲がった時に、長い通路の先にある小部屋のようなところに人影とそれを囲むモンスターの姿が目に入る。
壁を背にして武器を構えている人たちを包囲しているのは、この鉱山で1番多く遭遇した狼系のモンスターのようだ。
10匹近くいるようで、そのうちの1匹は他のモンスターの2倍程はある。
壁を背にしている人たちは負傷しているのか、動きが悪い。
1匹のモンスターが盾を手にしている人に向かって飛びかかる。
間に合うか!?
俺は剣を抜き、エンチャントを使って駆ける。
1匹が飛びかかった後、残っているモンスターも一斉に飛びかかった。
まずい‥
間に合わな‥
盾を構えている人に飛びかかったモンスターの頭がはじけた。
そして続け様に数匹のモンスターの頭が弾け飛んだ。
後ろを見なくてもわかる。
キリーエだ。
走る俺を避けてモンスターを攻撃してくれた!
焦って周りが見えていない俺が射線を塞いでいるというのに、僅かな隙間からモンスターを攻撃したのだろう。
「すまない、キリーエ!」
モンスターは突然仲間の頭が破裂したことに驚き、攻撃の手を止めている。
俺はそのモンスターの首を剣で斬り落とす。
「間に合った!」
盾を構えていた人とモンスターの間に立つ。
まだ数匹残っていたが、この程度のモンスターは相手にならない。
すぐに残ったモンスターを討伐して、ボスと思われるモンスターと対峙する。
今倒したモンスターに比べれば多少は強いかもしれないが、この程度なら問題ない!
俺はエンチャント:勇敢なる者を発動してボスに斬りかかる。
上段に構えた剣を振り下ろそうとした時に、悪寒が走る。
その場で屈むと立っていた場所を衝撃波が通り過ぎる。
ゆっくりと立ち上がると同時にボスモンスターの首が床に転がった。
「だいかつやく‥」
通路の方を見ると、抜き身の刀を持ち残心の状態でこちらを見ているリルがいた。
ほう‥
よくわかった。
お前はどうしても俺と決着がつけたいようだな。
「き、貴公は‥マ、マルコイか‥?」
そうだがちょっと待て。
今コイツとの決着を‥‥って、ちょっと待て聞き覚えのある声が‥
俺が振り向くと、そこには俺たちに温かい言葉をかけてくれた王様がいた。
かなり埃にまみれていて、あの時の優雅さはないものの、それでも全てを包んでくれそうな温かな目はそのままだった。
「お待たせしました。マルコイ、ここに王様を助けに馳せ参じました。」
「おお‥なんと‥なんと‥すまない。まさか貴公が来てくれるとは思わなかった‥」
王様が深く頭を下げる。
ちゃんとこういう事ができるから、この人には好感が持てるんだよな。
「しかしまだプリカに来るには早いと思ったが‥それに危険を冒してまで私を助けに来てくれるとは‥」
「少し早く来すぎました。それに誘っていただいたのは王様でしたからね。王様がいないなら探し出せばいい。そう思ってここまで来ました。」
「は、ははは‥そうか‥しかし‥いや、そうだな。冒険者マルコイよ。頼みがある。」
「はい、なんでございましょう。」
「冒険者に対しての正式な依頼だ。私を‥私をここから連れ出してくれないか?」
「無論です。しかし‥それだけでいいんですか‥?」
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