755 / 953
愛別離苦
タルタル漬けの女神
しおりを挟む
この駄女神め‥
たぶんコイツはタルタルソースをのせるまで光るつもりだ。
もしのせなかったら、周りの目など気にせず全力で光るはず。
せっかく身を隠しながら行動しているのに、そんな事をされたら全て水の泡だ。
今回は大人しく負けを認めよう。
しかし‥
わかった‥
これからは戦争だ!
今回が最後の晩餐だ。
これから後にまともなタルタルソースを食べれると思うなよ!
お前のためにキリーエにお願いして、何としてもワサビや唐辛子を見つけてもらうからな!
今この場での事を後で後悔するがいい!
「マ、マルコイさん‥?それはこの前の宴で出されていたタルタルソースですよね?確かに絶品との事で、王が城の料理人に同じのを作るように伝えて三日三晩食べていましたが、それをのせるのですか?」
「イェルンさんは食べなかったのですか?」
「ええ。食べなかったというか、食べる機会がなかったのです。宴で出た時は、気づいた時にはなくなっていて、城の料理人達が作った物は全て王が食べてましたから。」
王様何をしてるんですか‥?
「神聖国の聖王様が、女神に供えるならタルタルソースがいいと言っていたのを思い出しました。試しに置いてみましょう。」
「そうなんですか?」
イェルンさんが不思議そうな顔をして女神像を見ている。
まあそうだよな。
なんで神様がタルタルソース食べるんだって話だ。
「あくまで神聖国の聖王様が言っていた事です。俺の考えじゃありませんからね。神聖国の聖王です!わかりましたか?」
「は、はい!わ、わかりました!」
よし、これだけ言っておけば俺のせいにはなるまい。
すまないグルンデルさん。
俺が女神像が持っている皿にタルタルソースをのせる。
すると‥
女神像の持つ皿が淡く光ったと思ったら、のっていたタルタルソースが消えていた。
「なっ!そ、そんな!今まで何を置いてもそのままだったのに、タルタルソースを置いた瞬間に消えた!?」
どれだけ食べたかったんだよ。
そして周りを気にしてか、皿だけ光らせやがった。
そんなところに気を使ったところで、戦争は終わらんからな!
ポンコツ女神め‥
「な、なんて事だ。や、やはり女神は私達を見守ってくれていたんですね。この国の姫が亡くなった時には神の存在を信じられなくなりましたが‥」
おい、ちょっと待て。
何をこんな事で重要なフレーズをポロッと言ってるのかね?
「この国の姫は亡くなったのですか?」
「はい。いえ、正確には行方不明ですけどね‥当時戦争中で姫を安全な場所に移動させる時にモンスターに襲われ、護衛していた者だけが生き残りました。その者は姫を抱いていては2人とも死ぬと思い、木陰に姫を隠し瀕死になりながもモンスターを倒しました。しかし姫の元に戻った時には姫はいなかったと‥おそらく別のモンスターに襲われたと‥」
なるほど‥
これだけで決めつけるわけにはいかないけど‥
あまりにもピースが揃い過ぎているよな‥
王様を救出する理由がもう一つ増えたな。
俺が手に持っているタルタルソースの入れ物から目を逸らさないミミウを見ながらそう思った。
入れ物を動かすとミミウの視線がついてくるのが面白いんだが‥
「いや、それよりも女神像の事です!マルコイさん!そのタルタルソースをもっと女神様にお供えください!」
いや、それよりもって‥
俺としては駄女神のことよりもドワーフの姫の事のほうが大事なんだけど‥
しょうがなく皿の上にどぼどぼとタルタルソースを注ぐ。
タルタルソースが注がれるが皿から流れ出ることはなく、入れた側から消えていく。
おい、神聖な演出はもういいのか?
いや、最初から神聖でも何でもなかったけど‥
「おお!や、やはり‥これは何としても王を救出して、女神様に捧ぐタルタルソースを国をあげて作らねばなりませんねっ!」
いやもういいって‥
魔王が世界を征服するよりも‥
タルタルソースが世界を征服する日の方が早い気がする‥
-------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
たぶんコイツはタルタルソースをのせるまで光るつもりだ。
もしのせなかったら、周りの目など気にせず全力で光るはず。
せっかく身を隠しながら行動しているのに、そんな事をされたら全て水の泡だ。
今回は大人しく負けを認めよう。
しかし‥
わかった‥
これからは戦争だ!
今回が最後の晩餐だ。
これから後にまともなタルタルソースを食べれると思うなよ!
お前のためにキリーエにお願いして、何としてもワサビや唐辛子を見つけてもらうからな!
今この場での事を後で後悔するがいい!
「マ、マルコイさん‥?それはこの前の宴で出されていたタルタルソースですよね?確かに絶品との事で、王が城の料理人に同じのを作るように伝えて三日三晩食べていましたが、それをのせるのですか?」
「イェルンさんは食べなかったのですか?」
「ええ。食べなかったというか、食べる機会がなかったのです。宴で出た時は、気づいた時にはなくなっていて、城の料理人達が作った物は全て王が食べてましたから。」
王様何をしてるんですか‥?
「神聖国の聖王様が、女神に供えるならタルタルソースがいいと言っていたのを思い出しました。試しに置いてみましょう。」
「そうなんですか?」
イェルンさんが不思議そうな顔をして女神像を見ている。
まあそうだよな。
なんで神様がタルタルソース食べるんだって話だ。
「あくまで神聖国の聖王様が言っていた事です。俺の考えじゃありませんからね。神聖国の聖王です!わかりましたか?」
「は、はい!わ、わかりました!」
よし、これだけ言っておけば俺のせいにはなるまい。
すまないグルンデルさん。
俺が女神像が持っている皿にタルタルソースをのせる。
すると‥
女神像の持つ皿が淡く光ったと思ったら、のっていたタルタルソースが消えていた。
「なっ!そ、そんな!今まで何を置いてもそのままだったのに、タルタルソースを置いた瞬間に消えた!?」
どれだけ食べたかったんだよ。
そして周りを気にしてか、皿だけ光らせやがった。
そんなところに気を使ったところで、戦争は終わらんからな!
ポンコツ女神め‥
「な、なんて事だ。や、やはり女神は私達を見守ってくれていたんですね。この国の姫が亡くなった時には神の存在を信じられなくなりましたが‥」
おい、ちょっと待て。
何をこんな事で重要なフレーズをポロッと言ってるのかね?
「この国の姫は亡くなったのですか?」
「はい。いえ、正確には行方不明ですけどね‥当時戦争中で姫を安全な場所に移動させる時にモンスターに襲われ、護衛していた者だけが生き残りました。その者は姫を抱いていては2人とも死ぬと思い、木陰に姫を隠し瀕死になりながもモンスターを倒しました。しかし姫の元に戻った時には姫はいなかったと‥おそらく別のモンスターに襲われたと‥」
なるほど‥
これだけで決めつけるわけにはいかないけど‥
あまりにもピースが揃い過ぎているよな‥
王様を救出する理由がもう一つ増えたな。
俺が手に持っているタルタルソースの入れ物から目を逸らさないミミウを見ながらそう思った。
入れ物を動かすとミミウの視線がついてくるのが面白いんだが‥
「いや、それよりも女神像の事です!マルコイさん!そのタルタルソースをもっと女神様にお供えください!」
いや、それよりもって‥
俺としては駄女神のことよりもドワーフの姫の事のほうが大事なんだけど‥
しょうがなく皿の上にどぼどぼとタルタルソースを注ぐ。
タルタルソースが注がれるが皿から流れ出ることはなく、入れた側から消えていく。
おい、神聖な演出はもういいのか?
いや、最初から神聖でも何でもなかったけど‥
「おお!や、やはり‥これは何としても王を救出して、女神様に捧ぐタルタルソースを国をあげて作らねばなりませんねっ!」
いやもういいって‥
魔王が世界を征服するよりも‥
タルタルソースが世界を征服する日の方が早い気がする‥
-------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
10
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~
黒色の猫
ファンタジー
両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。
冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。
最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。
それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった…
そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。
小説家になろう様でも投稿しています。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
アレク・プランタン
かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった
と‥‥転生となった
剣と魔法が織りなす世界へ
チートも特典も何もないまま
ただ前世の記憶だけを頼りに
俺は精一杯やってみる
毎日更新中!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
竜神に転生失敗されて女体化して不死身にされた件
一 葵
ファンタジー
俺、遠野悠斗は平凡な日常をそれなりに受け入れていた。そんなある日、自分の誕生日にほんの些細なご褒美を買ってご機嫌に帰る途中、通り魔に襲われそうになっている女性を見つける。とっさに庇う俺だったが、通り魔に胸を突き刺され、気づけば巨大な竜が目の前にいた!? しかもなんか俺女の子になってるし!?
退屈を持て余した封印されし竜神と、転生失敗されて女の子にされた俺の織り成す、異世界満喫ストーリー!
皆様のおかげでHOTランキング13位まで登ることが出来ました。本当にありがとうございます!!
小説家になろう様、カクヨム様でも連載中です。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる