上 下
750 / 953
愛別離苦

襲撃者の末路

しおりを挟む
まったく誰が化け物よ!

失礼にも程があるわ。

「あ~あ、我慢できへんやったね。まあしょうがないか。アキーエちゃんがやってへんやったら、うちがサクっていってたさかいね。」

いつの間にかキリーエが横に立っていた。

「ごめんね、キリーエ。」

「ええよ。あれだけ馬鹿にされたらしょうがないわ。それにマルコイさんだったら、もっと早くぶっ飛ばしてるとちゃうかな?」

マルコイは遅い時間になっても調査をしているみたいだけど、まだ騒ぎも起こっていない。

あれだけわたしが騒ぎを起こしたら駄目だよって言っていたのに、わたしの方が先に騒ぎを起こしちゃった‥

たくさんの人の気配が宿に向かってきているのがわかる。

「そうだよね‥あの人ただの衛兵って感じじゃなかったし、応援呼ぶわよね‥」

「そやね。うちも手伝うさかい、さっさと終わらせてマルコイさんと合流しよ。王様の居場所も検討ついたさかい。」

「ほんと?それはよかったわ。なら多少暴れても大丈夫かしら?」

「ええんとちゃう?」

わたしはキリーエと一緒に宿の窓から外に出る。

宿で戦うと、宿の人に迷惑かけるからね。

外には数人の衛兵が集まっていた。

「貴様がモルペウス様を愚弄した女か!」

モルペウス‥?

「ごめんなさい。誰の事かわからないわ。」

「き、き、貴様!まだ愚弄するか!我が国の貴族であられるモルペウス様を卑怯な手で怪我をさせたくせにしらばっくれるつもりか!」

あ、あの人そんな名前だったのね。
でも名乗りもしなかっからわからないわよ。

「それでどうするつもり?」

「しれた事!おいっ!こいつを捕らえるぞ!」

男たちは一斉に腰につけていた物を手に取る。

あれって‥マルコイが言ってた銃よね?

確か集団で来る時には気をつけろって言ってたわよね‥

その時宿から遠く離れたところで爆発音が鳴り響く。

爆発音‥?
もしかして‥

男たちは爆発音が気になるようだか、それでもまだわたしを相手するようだ。

ジリジリと銃を構えたまま、睨み合いが続く。

するとまた、今度は数回の爆発が起きる。

「くっ!何が起こってるんだ!あれもお前の仕業かっ!ええい!かかれ!撃ち殺してしまえ!」

それは言いがかりだわ‥
まあわたしの仕業というか‥
たぶん‥

男たちが構えていた銃の引鉄に手をかける。

マルコイに聞いたけど、この銃をという武器は直線しか飛ばないそうだ。

かなりの速度で鉄でできた弾が飛んでくると言っていたが、軌道がわかれば躱すのは容易いと思う。

男たちが引鉄を引くと、小さな破裂音がして鉄で出来た弾が飛んできた。

数人の男たちが同時に撃った弾がわたしに向かって飛んでくる。

確かに速い。

だけど目で追えない速度じゃないし、あの鉄で出来た筒の方向を見ていれば躱す事は簡単だ。

でも確かにこれが見えない場所から攻撃されたら躱すのは難しいかもしれない‥

これが主流になれば、魔法が使えなくても誰でも遠距離から攻撃できてしまう。
人同士の戦争が変わって行くのかもしれないわね‥

まあそんな問題は偉い王様とかに任せればいいし、わたしは今できる事をしよう。

弾を躱して様子を見る。

「な、なんだとっ!火薬筒の玉を躱すだと!本当に化け物か!」

また化け物言われた‥

「ええい!皆下がれ!火薬球を使用するぞ!」

男たちは腰につけていた球のような物を取り出す。

何か危なそうね。

わたしはすぐに魔力を練る。

「投擲!」

男たちが持っていた球のような物を一斉に投げてきた。

用途がわからないので躱すのは危険だわ。
魔法で撃ち落とすのが1番ね。

「『火球』!」

男たちが投げた球に向かって魔法を放つ。

「なっ!魔法使いだと!た、退避!」

わたしが放った魔法と、男たちが投げた球がぶつかる。

2つが接触したと思ったら、物凄い音を立てて爆発が起こった!


魔法を放ったわたしは爆発から距離があったけど、それでも物凄い爆風と熱波が襲ってきた。

「な、なんなの一体‥」

「凄い爆発やったね‥これはマルコイさんは飛んでくるんやない?」

わ、わたしが悪いんじゃないわ!
だ、だってこんなに爆発するなんて思わなかったんだもん‥

アキーエは火傷して地面に転がる男たちを見ながらそう思った‥






-------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~

結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は 気が付くと真っ白い空間にいた 自称神という男性によると 部下によるミスが原因だった 元の世界に戻れないので 異世界に行って生きる事を決めました! 異世界に行って、自由気ままに、生きていきます ~☆~☆~☆~☆~☆ 誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります! また、感想を頂けると大喜びします 気が向いたら書き込んでやって下さい ~☆~☆~☆~☆~☆ カクヨム・小説家になろうでも公開しています もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~> もし、よろしければ読んであげて下さい

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...