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力戦奮闘

お料理つくり④

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6本の腕が器用に動いている。

それぞれが独立して違う事をしているようだ。

全ての腕がうにうにと動いているので、見ているこっちは少し気持ち悪い。

「うそーん。」

はっ!
つい俺らしくない間抜けな声が出てしまった。

しかし何故だ?
俺にはあんな事できないぞ。

「キリーエさんや。どうやってそんな動きをさせているのかね?」

「え?別に大した事じゃないわよ。それぞれの動きを考えながら動かしてるだけだよ。」

いや、それが出来ないから聞いてるんだけど‥

「うちは【並列思考】があるからやない?6本くらいやったら全然いけるで。」

そうかそうだった。

キリーエさんってばそんな優秀なスキルを持たれてたんですね。

「マルコイさん、これもろてええ?」

「いいけど何に使うんだ?」

「これだけ腕があったら色々と便利やろ。それにこれがあったらうちも戦えるかもしれんやろ?」

確かに。

「だったら戦闘用に色々とつけとくよ。」

「助かるわ。ほんなら練習で少し借りとくさかい、つける時は言うてな。」

そしてキリーエが薄くなる。
いやいや、流石にアシュラ君を背負ったまま存在を消すなんて真似が‥

「ほなあとでな~」

姿のないキリーエの声だけが響いた‥
全くどうなってんだ一体‥

世界には常識で考えられない事がたくさんあるなぁ‥




とりあえずコカトリス2匹を吊り上げた状態で作業を‥間違えた調理を続ける。

コカトリスに水飴をかけて艶が出てきたので、別のところにかけて魔法で乾燥させる。

その間に別のコカトリスをまた吊し上げて水飴をかける。

魔法で乾燥させていたコカトリスもいい感じになってきたようだ。

油の温度を確かめて揚げていく。

そして水飴をかけていたコカトリスを魔法で乾燥させて、新しいコカトリスを吊るして‥

あれ?

俺今結構な数の事を同時にやってないか?

な、なるほど‥

人ってミミウの料理のように同じ物を何度も作ると、動きを効率化させて色んな事を同時にできるようになるんだな‥

ひとつ勉強になったよ‥

これでミミウの料理も怖くないぞ!

なんか目から水が出てきそうだけど、気にしないやい‥


「わぁー!凄いですっ!鳥さんがたくさんですぅ!」

何匹か出来た時にミミウがやってきた。

多分宴で出ていた料理を平らげてきたのだろう。
会場から悲鳴が上がっている。
大丈夫だ。
厨房にはすぐになくなるから、料理を作り続けてくれと頼んでいたからな。

ミミウは口の周りをべったりと汚した状態のまま、
もの凄い笑顔で俺が作った料理を見ている。

そうなんだよなぁ。
大変なんだけど、ミミウがこんなに喜んでくれるから作っちゃうんだよな。

「マルコイさん!これかぶりついていいやつですか?」

「ああ!ミミウのために焼いたやつだ。存分に食べていいぞ。」

「うわぁー!やったですぅ!」

ミミウはそのままお肉に向かって顔から飛び込んで食べ始めた。

おいおい‥
そんな食べ方で物が食べれるはずが‥

俺の目の前で鳥が骨だけになった‥

あるぇ?

人ってそんな風に物を食べれるんだっけ?

ミミウは次々とコカトリスを骨にしていく。

やばい確実に足りない‥

俺はまたしても調理にとりかかるのだった‥





ミミウの底なし胃袋は相変わらずだったが、少し落ち着いたのか食べるペースがゆっくりとなってきた。

俺はお城の料理人のたちが、興味深そうに俺が作っている料理を見ていたため、その人たちに教えながら作る事にした。

この料理を他の人が作れるようになれば、もしミミウのコカトリス欲が復活しても俺が少し楽できるかなと‥

「ちょっとさっぱりしたのも食べたいので、中に行ってくるですぅ!」

ミミウはそう言い残し城の中に入って行った。

え?

あ、そうですね。
もちろんお腹いっぱいになったとかじゃないんですよね‥

すまない、調理人の人たち‥
君たちにも過酷な試練を味わってもらう事になりそうだ‥





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近況にも書いてますが、ブログ始めました。
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