上 下
705 / 953
力戦奮闘

変態の再来

しおりを挟む
「ハニー!僕のマイハニー!会いたかったよ!」

あーもう‥
やっぱりそのまま亡き者にするべきだった‥

「ハ、ハニー?マルコイさんに対してハニー!?マルコイさんに対してっ!?」

うるさいなラケッツさん‥

変態の言葉にいちいち反応してたら立派な大人になれないぞ。

「こいつは俺が獣人国の闘技会に出た時に戦った奴でな。何でかしらないけど、俺の事を気にいってるみたいでさ。」

「気に入ってるじゃないよ!愛してるんだ!」

顔にツボの痕をつけたままで何を言ってるんだお前は‥

今からでもいいから、本気で亡き者にできないだろうか‥

「マ、マルコイさんを愛してる‥ひ、ひぃ!」

ラケッツさん。
君も大概失礼だね。

もう少し危険な魔道具を装備させても良さそうだね。

「ところでマイハニー。僕は何故こんなところにいるんだい?それと頭と身体中が物凄く痛いんだが、何故か知ってるかい?」

頭は俺が潰れるくらい掴んだからだ。
あと身体は投げ飛ばしたからかもしれないけど些細な事だ。

「お前は魔族に操られていたんだよ。それで俺たちと戦ったんだ。」

「な、なんて事だ‥僕が愛する人に剣を向けるなんて‥」

よし、もう一度光属性を流すかな。
次は本気で顔を潰す気でやってみよう。

「僕が覚えているのは、エルフの国に戻る途中に魔族と会ったところまでなんだ。」

おっと、先に話を聞いておく必要があるか‥
先走りそうになってしまったよ。

やはり魔族に会って捕まったんだな。
しかしロメントならそう易々と捕まるような事はないと思うんだが‥

「その魔族は上位魔族のようだった。負けはしなかったけど、勝てる見込みもなかったから逃げるつもりだったんだ。だけど途中で他の魔族にも加勢されてね。力及ばず捕まってしまったんだよ。」

Sランク冒険者でも上位魔族を倒す事はできないか。
ロメントなら対等に戦えるかもしれないが、倒す術がないからな。
対等なら無力化する事も難しいから、逃げの一手になるよな。

「その後にどこかに連れて行かれたんだ。相手が僕を殺さないってわかったから大人しく従ってた。その後にシームーと呼ばれた魔族が目の前に現れたんだ。」

やっぱりシームーってやつか‥

しかし洗脳か‥
魔王はそんな事しなさそうだったんだがな‥
搦手よりも真正面から突っ込んできそうなタイプだと思うが‥

魔王とは別の影が見え隠れするな。

『あのお方』とやらが絡んでる気がする‥

まあいい。
そのうち向こうからやってくるだろ。
俺にできる事は、それに向けて戦力を増強するだけだ。

「なるほどな。わかった。ロメントも疲れたろ?今日はもういいからエルフの国に帰るといい。」

「え?今日?今から僕はエルフの国に帰るのかい?」

「え?だってエルフの国に帰る途中だったんだろ?遠慮なく帰っていいぞ。なんだったら空飛ぶ魔道具も貸してやる。いや返しにくると困るから、そのまもらってくれていいぞ。もう返しに来るな。」

「辛辣!ハニー辛辣だよ!ハニーの心に相手を思いやる気持ちはないのかい!?でも‥それもいい!!」

くそ‥変態め‥

どうにかしたいが、何を言っても逆効果にしかならない。

う~ん‥
誰かに押し付けられないものか。

「やっぱり僕の居場所はハニーの横なんだ!ハニーさえいてくれれ‥んごっ!」

俺はとりあえずロメントの顔を掴む。

「まだ魔族の洗脳が続いてるみたいだな。情報は得たから用無し‥間違えた、しっかりと養生するといい。」

俺はロメントの頭に光属性を流すため、腕輪から魔力を供給する。

魔力がどんどん身体の中に流れてくる。

ん?

魔力の流れがおかしいな。

これはやばいかもしれない‥

俺はすぐにエンチャント:守護する者を発動する。

よかった、何とかエンチャント一回分は魔力が回復していた!

如何なる攻撃からも守ってくれる光の膜が俺を包む。

それと同時に腕輪が激しい音を立てて爆発する。

くっ!
かなりの衝撃だ‥
エンチャント:守護する者がなければ俺の手首から先は無くなっていたかもしれない‥

危なかった、やはり気をつけなければいけないな‥


ん‥‥‥‥?


あっ!
ロメント掴んでるの忘れてた‥
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...