682 / 953
力戦奮闘
魔族との戦い②
しおりを挟む
やはり上位魔族だったか。
「ふ~ん、これが私達魔族を傷つける事ができる剣なのね。」
ハーフェルは地面に落ちた剣を拾い上げ、興味深そうに見ている。
そして剣に魔力を込める。
ハーフェルの魔力に反応して光剣はかなりの光を発した。
「なるほど‥持ち主の魔力で威力が変化するのね‥こんな厄介な魔道具を作るなんて‥勇者は戦うことしか出来ないような奴だと思っていたけど、予想外だったわ。魔王様に報告しなければ‥」
ハーフェルはそう呟くと、周りを見る。
「この戦争に勝つためには数名排除する必要があるわね。それに勇者も‥嫌な予感がするから早くやるべき事をしておこうかしら‥まあいいわ。アフアーブがいなくても勇者はどうにかなるでしょ。」
ハーフェルの言う数名はエルエス兄さんやスネタさんの事だろう。
残念だけどそうはいかない。
こいつの相手は俺がする事に‥
「マルコイさん!」
その時モンスターをかき分けてアシュラ君を装着している男が駆け寄ってきた。
「マルコイ‥さん‥?あ、えっと人違いでした。大変申し訳ありません。」
ラケッツさんはそう言って慌てて逃げ出そうとする。
「いやラケッツさん、人違いじゃない。」
俺は慌てて呼び止める。
そんなに怖いお面になってるかな‥?
俺的にはいい感じだと思ってるんだけど‥
「な、なんだやっぱりマルコイさんだったんですね。すみません、どこの凶悪犯かと思いました。」
し、失礼な人だな。
しかし今ラケッツさんがやってくると‥
「あら?あなたラーシュを倒した人よね?やはりあなたが勇者だったみたいね。」
俺は素早く身を隠す。
「え、え?な、なんですかこの人?え?目が赤い‥?ま、魔族じゃないですかっ!」
正解だ、ラケッツさん。
「あなたの相手はアフアーブにしてもらうつもりだったけど‥あなたも、さっきいたアフアーブと戦っていた黒い男も私が相手するしかなわね。」
そう言ってハーフェルは先程と同じように結界を発動する。
さっきと違うのは、全体に壁を作るのではなくハーフェルの前方、ラケッツさんの正面に何枚も重ねたような壁が出来ている。
「それじゃあ、あなたの力を見せてもらうわ。私はアフアーブみたいな脳筋と違って戦いを楽しむ趣味はないの。油断なんかしないからそのつもりで戦うといいわ。」
ハーフェルの壁がラケッツさんに迫る。
ラケッツさんは動揺しているのか、その場から動かない。
このままではまともに喰らってしまうが‥
そこは優秀なアシュラ君を装備しているのだ、すぐにアシュラ君が反応して壁の底面を掴んだかと思ったら、そのまま自分を引っ張っるようにして無理矢理身体を移動させる。
ハーフェルの壁の内側に移動したラケッツもといアシュラ君は拳による攻撃をハーフェルに放つ。
壁の一枚がハーフェルの元に戻り、ラケッツの拳を防ぐ。
「やっぱり強いわね‥それが魔族に対して能力が上がる勇者のスキルって事なのかしら?」
ハーフェルは睨むようにラケッツを見る。
「え?え?俺が勇者?そ、そんな馬鹿な事があるわけないじゃないか!」
いや、あながち間違っていないぞ。
ラケッツさんは魔道具の勇者に任命されたから。
俺が勝手につけただけだけど‥
「勇者の力がどれほどのものなのか‥確かめさせてもらうわね。」
う~む。
あの色っぽい魔族さんは、ラケッツさんをすっかり勇者と思っているみたいだ。
間違えた、女神の勇者と思っているみたいだ。
残念ながら魔道具の勇者には魔族特化のスキルを持ってないからね。
「今度は掴むことはできないわよ。どうするかしら?」
ハーフェルの周りにある壁が細く形を変えていく。
そして下方に向けて鋭くなった壁をラケッツに向けて設置する。
「どこまで躱せるかしら?魔王様が言う勇者の力‥どれほどの脅威なのか私に見せて。」
ハーフェルは設置していた壁を次々と発射する。
やばい‥
俺が戦うつもりだったけど、もうちょっと魔道具の勇者の力を見せてもらいたくなってしまった‥
「ふ~ん、これが私達魔族を傷つける事ができる剣なのね。」
ハーフェルは地面に落ちた剣を拾い上げ、興味深そうに見ている。
そして剣に魔力を込める。
ハーフェルの魔力に反応して光剣はかなりの光を発した。
「なるほど‥持ち主の魔力で威力が変化するのね‥こんな厄介な魔道具を作るなんて‥勇者は戦うことしか出来ないような奴だと思っていたけど、予想外だったわ。魔王様に報告しなければ‥」
ハーフェルはそう呟くと、周りを見る。
「この戦争に勝つためには数名排除する必要があるわね。それに勇者も‥嫌な予感がするから早くやるべき事をしておこうかしら‥まあいいわ。アフアーブがいなくても勇者はどうにかなるでしょ。」
ハーフェルの言う数名はエルエス兄さんやスネタさんの事だろう。
残念だけどそうはいかない。
こいつの相手は俺がする事に‥
「マルコイさん!」
その時モンスターをかき分けてアシュラ君を装着している男が駆け寄ってきた。
「マルコイ‥さん‥?あ、えっと人違いでした。大変申し訳ありません。」
ラケッツさんはそう言って慌てて逃げ出そうとする。
「いやラケッツさん、人違いじゃない。」
俺は慌てて呼び止める。
そんなに怖いお面になってるかな‥?
俺的にはいい感じだと思ってるんだけど‥
「な、なんだやっぱりマルコイさんだったんですね。すみません、どこの凶悪犯かと思いました。」
し、失礼な人だな。
しかし今ラケッツさんがやってくると‥
「あら?あなたラーシュを倒した人よね?やはりあなたが勇者だったみたいね。」
俺は素早く身を隠す。
「え、え?な、なんですかこの人?え?目が赤い‥?ま、魔族じゃないですかっ!」
正解だ、ラケッツさん。
「あなたの相手はアフアーブにしてもらうつもりだったけど‥あなたも、さっきいたアフアーブと戦っていた黒い男も私が相手するしかなわね。」
そう言ってハーフェルは先程と同じように結界を発動する。
さっきと違うのは、全体に壁を作るのではなくハーフェルの前方、ラケッツさんの正面に何枚も重ねたような壁が出来ている。
「それじゃあ、あなたの力を見せてもらうわ。私はアフアーブみたいな脳筋と違って戦いを楽しむ趣味はないの。油断なんかしないからそのつもりで戦うといいわ。」
ハーフェルの壁がラケッツさんに迫る。
ラケッツさんは動揺しているのか、その場から動かない。
このままではまともに喰らってしまうが‥
そこは優秀なアシュラ君を装備しているのだ、すぐにアシュラ君が反応して壁の底面を掴んだかと思ったら、そのまま自分を引っ張っるようにして無理矢理身体を移動させる。
ハーフェルの壁の内側に移動したラケッツもといアシュラ君は拳による攻撃をハーフェルに放つ。
壁の一枚がハーフェルの元に戻り、ラケッツの拳を防ぐ。
「やっぱり強いわね‥それが魔族に対して能力が上がる勇者のスキルって事なのかしら?」
ハーフェルは睨むようにラケッツを見る。
「え?え?俺が勇者?そ、そんな馬鹿な事があるわけないじゃないか!」
いや、あながち間違っていないぞ。
ラケッツさんは魔道具の勇者に任命されたから。
俺が勝手につけただけだけど‥
「勇者の力がどれほどのものなのか‥確かめさせてもらうわね。」
う~む。
あの色っぽい魔族さんは、ラケッツさんをすっかり勇者と思っているみたいだ。
間違えた、女神の勇者と思っているみたいだ。
残念ながら魔道具の勇者には魔族特化のスキルを持ってないからね。
「今度は掴むことはできないわよ。どうするかしら?」
ハーフェルの周りにある壁が細く形を変えていく。
そして下方に向けて鋭くなった壁をラケッツに向けて設置する。
「どこまで躱せるかしら?魔王様が言う勇者の力‥どれほどの脅威なのか私に見せて。」
ハーフェルは設置していた壁を次々と発射する。
やばい‥
俺が戦うつもりだったけど、もうちょっと魔道具の勇者の力を見せてもらいたくなってしまった‥
10
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる