678 / 953
力戦奮闘
マルコイのぶらり散歩戦①
しおりを挟む
イルケルさんはあまり良い人ではなかったけど、見ず知らずのイコルを雇おうとしたり、ちょっと欲もあったけど神聖国のために偉くなろうとしていた‥気がする。
今はタルタル神殿の門番をしているけど、ここで活躍してまた騎士団に戻ってもいいんじゃないだろうか?
それに一応知人が苦労しているのはほっとけない。
まあ建前はこれくらいにしといて、イルケルさんにも魔道具を使って実験‥活躍してもらうとしよう。
「ちょっといいか?」
俺はイルケルさんに声をかける。
「うわっ!な、なんだあんたは!帝国兵か!?」
あ、鬼の面を被ってるの忘れてた。
「俺はイコルから依頼を受けた傭兵だ。すまないが、あんたの名前はイルケルか?」
「イコルの‥?あ、ああそうだ。俺がイルケルだ。お、俺になんの用だ?」
怯えてるなぁ。
そんなにこの面怖いかな?
「いや、イコルは俺の友人なんだが、そのイコルがあんたに随分と世話になったと。だからあんたを見かけたら気にかけてやってくれとさ。」
「そ、そうかイコルが‥俺はあいつがそう感じるほど世話を焼いたつもりはないんだけどな‥」
そうだね。
自分が成り上がると思ってたから俺を雇おうとしてたし。
「まあその辺の事情は知らないが、イコルには俺も恩がある。だからあんたにこれを渡そう。」
俺は革製で作られている鎧を渡す。
「この鎧には火属性の力が込められていて相手の攻撃を喰らった時に火の加護が発動する。」
「なっ!そ、そんな凄い魔道具を俺がもらっていいのか?」
「ああ。俺はこれをイコルに預かったんだ。渡すかどうかは俺に決めてくれってことだったが、あんたを見て渡そうと思った。是非これを使って神聖国を勝利に導いてくれ。」
「あ、ありがとう‥わかった!これを使って神聖国の力になってみせる!」
「ああ。頼んだぞ。」
イルケルさんはすぐに今装着している鎧を脱ぎ、俺が渡した鎧を身につける。
そして俺に頭を軽く下げて、戦場に走っていった。
「た、隊長!イルケルが独断で行動しております!」
「うむ、規律違反だな。だが今は咎める暇がない。この戦いが終わったから尋問だ。」
イルケルさん‥
かなり活躍しないと説教を喰らいそうだぞ‥
イルケルさんを追って戦場に向かう。
お?
さっそく敵の集団に突っ込んで行ってる。
いや、でも自分で言うのもなんだが、初めて会った奴にもらった魔道具をそこまで信じて突っ込むもんかね?
それだけ功名心に焦ってるのかな‥?
今回俺がイルケルさんに渡した鎧は、『爆発鎧クルッと回ってアタック君』だ。
元はラケッツさんに渡した爆発鎧の改良タイプだ。
前回ラケッツさんに渡した鎧は木製で出来ており、一度爆発するとその部分は交換する必要があった。
しかし今回渡したタイプは皮で出来ており、その下は粘着性のある布で出来てる。
一度爆発しても、その部分を布同士がくっついて再度火薬を貯める事ができる。
細かく仕切りを作っているので爆発出来る回数も多い。
でも一番の特性は『クルッと回って』のところだ。
前回の鎧から爆発の方向性を決めてはいた。
それは攻撃に対して反射する形で爆発して相手にダメージを与えていた。
だが今回の鎧はそれだけではなく、それに回転を加えるようにしたのだ。
爆発を相手にダメージを与える事を第一の目的としていたが、それを推進力として使う事にしたのだ。
攻撃された方向に反射して爆発してダメージを与え、爆発した推進力で円を描くように回転する。
そして回転した事により遠心力も加わり、より強力な攻撃を放てるわけだ。
敵陣に突っ込んだイルケルさん。
やはり騎士団で部隊長になりかけただけあって、剣捌きはなかなかのものだ。
しかし敵陣深くまで単独で入り込んでいるため、さすがに多勢に無勢で敵の攻撃を捌けなくなっている。
敵の剣がイルケルさんの身体に触れる。
そして‥
爆発が起こった。
今はタルタル神殿の門番をしているけど、ここで活躍してまた騎士団に戻ってもいいんじゃないだろうか?
それに一応知人が苦労しているのはほっとけない。
まあ建前はこれくらいにしといて、イルケルさんにも魔道具を使って実験‥活躍してもらうとしよう。
「ちょっといいか?」
俺はイルケルさんに声をかける。
「うわっ!な、なんだあんたは!帝国兵か!?」
あ、鬼の面を被ってるの忘れてた。
「俺はイコルから依頼を受けた傭兵だ。すまないが、あんたの名前はイルケルか?」
「イコルの‥?あ、ああそうだ。俺がイルケルだ。お、俺になんの用だ?」
怯えてるなぁ。
そんなにこの面怖いかな?
「いや、イコルは俺の友人なんだが、そのイコルがあんたに随分と世話になったと。だからあんたを見かけたら気にかけてやってくれとさ。」
「そ、そうかイコルが‥俺はあいつがそう感じるほど世話を焼いたつもりはないんだけどな‥」
そうだね。
自分が成り上がると思ってたから俺を雇おうとしてたし。
「まあその辺の事情は知らないが、イコルには俺も恩がある。だからあんたにこれを渡そう。」
俺は革製で作られている鎧を渡す。
「この鎧には火属性の力が込められていて相手の攻撃を喰らった時に火の加護が発動する。」
「なっ!そ、そんな凄い魔道具を俺がもらっていいのか?」
「ああ。俺はこれをイコルに預かったんだ。渡すかどうかは俺に決めてくれってことだったが、あんたを見て渡そうと思った。是非これを使って神聖国を勝利に導いてくれ。」
「あ、ありがとう‥わかった!これを使って神聖国の力になってみせる!」
「ああ。頼んだぞ。」
イルケルさんはすぐに今装着している鎧を脱ぎ、俺が渡した鎧を身につける。
そして俺に頭を軽く下げて、戦場に走っていった。
「た、隊長!イルケルが独断で行動しております!」
「うむ、規律違反だな。だが今は咎める暇がない。この戦いが終わったから尋問だ。」
イルケルさん‥
かなり活躍しないと説教を喰らいそうだぞ‥
イルケルさんを追って戦場に向かう。
お?
さっそく敵の集団に突っ込んで行ってる。
いや、でも自分で言うのもなんだが、初めて会った奴にもらった魔道具をそこまで信じて突っ込むもんかね?
それだけ功名心に焦ってるのかな‥?
今回俺がイルケルさんに渡した鎧は、『爆発鎧クルッと回ってアタック君』だ。
元はラケッツさんに渡した爆発鎧の改良タイプだ。
前回ラケッツさんに渡した鎧は木製で出来ており、一度爆発するとその部分は交換する必要があった。
しかし今回渡したタイプは皮で出来ており、その下は粘着性のある布で出来てる。
一度爆発しても、その部分を布同士がくっついて再度火薬を貯める事ができる。
細かく仕切りを作っているので爆発出来る回数も多い。
でも一番の特性は『クルッと回って』のところだ。
前回の鎧から爆発の方向性を決めてはいた。
それは攻撃に対して反射する形で爆発して相手にダメージを与えていた。
だが今回の鎧はそれだけではなく、それに回転を加えるようにしたのだ。
爆発を相手にダメージを与える事を第一の目的としていたが、それを推進力として使う事にしたのだ。
攻撃された方向に反射して爆発してダメージを与え、爆発した推進力で円を描くように回転する。
そして回転した事により遠心力も加わり、より強力な攻撃を放てるわけだ。
敵陣に突っ込んだイルケルさん。
やはり騎士団で部隊長になりかけただけあって、剣捌きはなかなかのものだ。
しかし敵陣深くまで単独で入り込んでいるため、さすがに多勢に無勢で敵の攻撃を捌けなくなっている。
敵の剣がイルケルさんの身体に触れる。
そして‥
爆発が起こった。
10
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。
だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。
一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる