上 下
661 / 953
力戦奮闘

トールルズの攻防③

しおりを挟む
ミミウが怒っていた。

自分が食べようとして、せっせと集めていたモンスターのお肉が腐ってしまったから‥

モンスターも魔族もそんな理由で怒ってるなんて思いもしないだろう。


「ノームさん!力を貸してくださいですぅ!」



まあ怒る理由もわからないでもない。

せっかく美味しくお肉を食べようと思って、調理する準備をしていつの間にか調味料も用意して手も洗って、後はお肉を焼くだけってなってたのにそのお肉が急に腐ったのだ‥


あ、ごめんやっぱりわからない。
戦ってる最中に何やってるのよミミウ‥

でもそんな事関係なしにミミウの怒りは頂点に達していた。
食べ物の恨みは怖いってやつね!

ミミウの願いにノームたちが力を貸す。

でもこんな事に怒ってるミミウに力を貸すノームも困惑して‥なかった。

ノームも何故か怒ってる。

ミミウに力を貸すために何匹か出てきてるけど、そのうち数匹が地団駄踏んでる。

普段は見えないけど、ミミウが精霊を呼んだ時だけは見えるのよね‥

ミミウが怒ってるから一緒に怒ってるのかしら?

わたしが不思議そうな顔をしていると1匹のノームがわたしの方を向いて、ミミウの調理場と生ける亡者を交互に指差している。

わかったわよ。
あんたたちも食べ物で怒ってるのね‥

わたしに伝わったと思ったのか、ノームはミミウの方に駆けて行った。

なんなのよ一体。
一緒にいると、精霊は召喚者に似てくるのかしら?

「ノームさん!いくですよ!『召喚霊装:ノーム』!」

ミミウが召喚したノームを身に纏いだした。

また精霊と仲良くなったのか、結構な数の精霊がいる。

いち、に、さ‥あ、ミミウと一緒になったからわからなくなった‥

とにかくたくさんの精霊の力を借りたミミウは‥

巨大な兵器になった。

4本の巨大な脚前後に伸びている。
あれで移動するんだろう。

それに腕は2本の腕と、肩の後ろあたりから更にもう2本の腕がある。

でも肩から生えているのは手の形はしていない。

人で言う肘から先は槍と盾になっている。

ミミウは身体の胸の辺りに座るようにして乗っている。

そして頭部には何故かノームの顔が乗っている。
髭の生えた可愛い顔だ。 


でも何で出来ているんだろう‥?

土というよりも何かの鉱石で出来てるようだ。

明らかに固そうだ。


そのミミウにまだ生きているモンスターが迫った。

あれはミノタウロスだろうか‥?

あれこそまさに牛肉よね。
キリーエが【ボックス】に入れれなかったグリフォンが腐ってアレカンドロに殴り倒されてるけど、あれはやっぱり猫科だわ。

ミノタウロスも大きく身体は3メートル以上あるけど、ミミウはそれを上回る大きさをしている。

10メートルまではないけど、ミノタウロスの2倍はあるわね‥

ミノタウロスがミミウの脚元を斧で斬りつけている。
でもその全てをミミウは盾で防いでいる。
ミノタウロスの斧は弾かれて、攻撃は通じていないみたい。

そのうちミノタウロスの身体がミミウの腕に掴まれて、肩からの槍で胸に穴を空けられた。

なにあれ?
強すぎじゃない‥?

ミノタウロスはそのまま地面に崩れ落ちた。

しかしミノタウロスは上から引っ張られるように身体を起こして、またミミウに攻撃を始めた。

もちろん傷は残ったままだが、関係なしに動いている。

あの魔族が使ったスキルは、ここら辺一体で倒れたモンスターをすぐにアンデッド化してるみたいね‥

「あーーーっ!牛さんがっ!こんな酷い事‥絶対に許さないですぅ!」

自分で倒したモンスターがアンデッド化した事にミミウはまた怒っていた。

「ミミウ!多分このスキルを使った魔族を倒したら戻ると思うわよ!」

「そうなんですか?アキーエさんありがとうですぅ!魔族さん覚悟してくださいです!」

スキルを使った魔族は姿を眩ませていたが、ミミウなら探し出すだろう。

巨人は戦場に暴力を振り撒きながら進んで行った‥
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アレク・プランタン

かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった と‥‥転生となった 剣と魔法が織りなす世界へ チートも特典も何もないまま ただ前世の記憶だけを頼りに 俺は精一杯やってみる 毎日更新中!

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~

結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は 気が付くと真っ白い空間にいた 自称神という男性によると 部下によるミスが原因だった 元の世界に戻れないので 異世界に行って生きる事を決めました! 異世界に行って、自由気ままに、生きていきます ~☆~☆~☆~☆~☆ 誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります! また、感想を頂けると大喜びします 気が向いたら書き込んでやって下さい ~☆~☆~☆~☆~☆ カクヨム・小説家になろうでも公開しています もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~> もし、よろしければ読んであげて下さい

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫
ファンタジー
 両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。 冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。 最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。 それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった… そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。 小説家になろう様でも投稿しています。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

竜神に転生失敗されて女体化して不死身にされた件

一 葵
ファンタジー
俺、遠野悠斗は平凡な日常をそれなりに受け入れていた。そんなある日、自分の誕生日にほんの些細なご褒美を買ってご機嫌に帰る途中、通り魔に襲われそうになっている女性を見つける。とっさに庇う俺だったが、通り魔に胸を突き刺され、気づけば巨大な竜が目の前にいた!? しかもなんか俺女の子になってるし!? 退屈を持て余した封印されし竜神と、転生失敗されて女の子にされた俺の織り成す、異世界満喫ストーリー!  皆様のおかげでHOTランキング13位まで登ることが出来ました。本当にありがとうございます!! 小説家になろう様、カクヨム様でも連載中です。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

処理中です...