スキルを模倣して最強無敵!異世界勇者?魔王?どっからでもかかってこいやぁ!

オギコン

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力戦奮闘

悪い予感

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なんだろう‥‥?

首の後ろがゾクゾクする‥

何かこの先嫌な事が起こりそうな気がする‥

魔族が何かしてくるのか?

それとも別の何かだろうか‥


でも何故か獣人国方面からの悪寒のような気がする。
この戦いを乗り越えても新たな戦いの予感が‥
しかも負け戦のような‥


まあ今考えても仕方ない。

今は目の前の戦場に集中しよう。



戦況は神聖国側優位に動いている。

神聖国にも多少の被害は出ているようだが、帝国はその比ではない。

アシュラ君部隊が帝国兵の中に入り込み、敵を翻弄しているからだ。

特にラケッツさんが凄い。

多脚魔道具速いぞ君で敵の集団に突っ込んで、アシュラ君で敵をタコ殴りにしている。

魔道具を操作しているラケッツさんはというと‥

すっごい笑ってる‥

奇声を発して戦っている。

何故かラケッツさんの方が敵役に見えるなぁ‥

「ん?」

その八面六臂の活躍をしているラケッツさんに近寄る奴がいる。

ラケッツさんまでの道を開けるために、近くの帝国兵を投げ飛ばし、踏みつけながら進んでいる。

そして其奴はラケッツさんの前まで辿り着いた。






「ひゃはっ!お前すげーじゃねーか!その魔道具みたいな物のおかげなんだろうけどよ!まあでもここまでだ!姉さんからお前を始末しろって命令されたからよ!諦めて泣き叫んでもらうぞ!」

「あっはっは!確かにこの力は俺の力ではない。しかし俺はこの魔道具を使いこなし、この力をひきだしているのだ!つまりこの魔道具を使う俺が俺であり真の俺、新生ラケッツなのだ!」



ラケッツさんが敵と何か話をしているようだが‥
心配だけど、戦況がどう動くかわからない今、ラケッツさんのところに行くわけにはいかない。

危なくなったら、魔道具を使って逃げるんだぞ!



「ふひゃ!そうかそうか!その魔道具とお前は一心同体なわけか!おもしれえ!俺は弱い者イジメも好きなんだけど、偉そうな奴の精神をポッキリ折るのも好きなんだぜ!お前の心がどのくらいで折れるか試そうか!」

ラーシュはラケッツに向けて駆け出す。

ラケッツは悠然と構え、ラーシュの出方を伺っている。

ラーシュは腕に鉤状の3本の爪を生やした武器を装着している。

「お前の血を見せろーーっ!」

ラーシュは鉤爪を上段から振り下ろす。

ラケッツの多腕魔道具が反応し、攻撃を防ごうとラケッツの頭の上に腕を伸ばす。

「ひゃはっ!そんな木製の魔道具なんぞぶった斬ってやるぜ!」

ラーシュはトリプルスキル持ちであり、うち1つが【鋭角化】であり自身の持つ武器の切れ味を最大限に上げるものである。

軽い武器でさえ、鉄さえも切り裂くような切れ味になる。

ラーシュは鉤爪を好んで使用し、相手の身体を盾や防具ごと切り裂く事を楽しんでいた。

自分のスキルに絶対の自信を持つラーシュは力任せに鉤爪を振り下ろした。

勇猛な事を言っていたこの男が、魔道具ごと自分の身体を切り裂かれ泣き叫ぶ姿が目に浮かぶ。
命乞いするだろうか‥?
その姿を見て四肢を一本ずつ切り落としてやろう。
この先に起こる事を考えながら笑みを浮かべる。



次の瞬間、自分の身に不可解な事が起こる。

振り下ろしたはずの腕が大きく弾かれたのだ。

「へ?」

そして場違いな声を発したラーシュの顔に多腕魔道具の殴打が入る。

「ほげっ!」

そんな声を上げながらラーシュは宙に舞った‥

視界が回る。

身体の動きが止まり、空が視界に入る。
そしてようやく自分が地面に転がされた事に気づいた。

なんだ?
何が起こった?

そう思い、身体を起こして自分が切り裂いたはずの男を見る。

すると男は多腕魔道具を構えたまま此方を見下ろしていた。

「ふはっ!そんな攻撃など、この魔道具王ラケッツに通じるわけがないだろう!お前の攻撃など、このアシュラの前ではそよ風程度だ!」
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