610 / 953
魔王の影
応援依頼
しおりを挟む
「わかりました。彼らに話をしてきます。期間は1か月くらいとの事でしたが、それまでに準備してもらうようにしますので。」
「本当ですか!それはとても助かります。イコル君が動いてくれれば、これ程心強いことはありません。」
うん。
動くのは主にクワイスさんです。
そして影で涙目になるのもクワイスさんです。
「それでは期日も余りありませんので、早速行動させてもらいます。また一月後に。」
「ありがとうございます。イコル君。君にタルタル神様の御加護がありますように。」
思わず顔が歪んでしまう。
タルタル神様の御加護か‥
俺の力で守り切れるといいけどな。
俺は宿に戻り、スキル【アバター】を解除して、マルコイに戻り『影法師』を『スペース』に入れる。
とりあえず獣人国に戻って仲間に説明をする前に、一旦『アウローラ』の拠点に寄って事情を説明する事にした。
転移で『アウローラ』の近くにある秘密基地に移動する。
秘密基地には時間を見つけてはちょこちょこ作っていた魔道具が散乱している。
数は十二分にあるが、何があるかわからない戦いだ。
もっと作成する必要があるだろう‥
神聖国の未来のために、もっと楽し‥魔族と戦える魔道具が必要になってくる。
作った魔道具がすぐに実験できるなんてなんて素晴らし‥
作った魔道具で何としても神聖国を救うのだ。
俺はにやける口元を戻しながら、『アウローラ』の拠点に駆け出した。
「たのもーっ!」
俺はいつものように『アウローラ』の入り口で声をかける。
するといつものようにラケッツ君が出て‥
「『アウローラ』へようこそ。今日は一体どのようなご用件でしょうか?あっ!マルコイさんじゃないですか!」
一瞬違うとこに来たかと思った。
「ラケッツさん?どうしたんですか、そんな対応ラケッツさんらしくなくて気持ち悪いですよ。」
「ひどっ!あれだけ酷い目にあったらこうなりますよ!」
ん?
酷いこと?
ラケッツ君何か酷い目にあったっけ?
俺が考えているとラケッツが信じられないものを見る目を向けてきた。
「ま、まさかマルコイさんはあれが酷いことって思ってないのか‥?ある意味スゲー‥やっぱり普通じゃない‥」
君失礼だね。
本当に思い当たる事がないだけだよ。
「いえ、もういいです。思い出さないでください‥ところで団長に用事ですか?」
「ああそうなんだ。クワイスはいる?」
「はい。団長室にいると思うのでどうぞ。」
もう案内もしてくれないのね。
勝手知ったる『アウローラ』のお家事情。
俺は団長室につき、扉をノックした。
「ラケッツか?開いてるぞ。」
俺が中に入るとクワイスは机で書類仕事をしていた。
「ラケッツ、今日はなんだか朝から寒気がするんだ。悪いが倉庫からポーションを持ってきてもらっ‥」
顔を上げたクワイスと目が合う。
するとクワイスは何故か合点がいったような顔になる。
「なるほど‥朝からの寒気の原因がやっとわかった。第六感ってやつだったんだな‥」
「どうした?病気でもしてるのか?キリーエからもらったいいポーションがあるから、あげようか?」
「いや、大丈夫だよ。病気でも何でもない事がわかったからね。今日は一体どんなトンデモ相談を持ってきたんだい、マルコイさん。」
君も随分と失礼な人だね。
話を聞く前にトンデモ案件と認定するのはダメだよ。
先入観で物事を決めていたら後悔する事になるんだからな。
「クワイス、最近の神聖国と帝国の事情って知ってるか?」
「ん?ああ、神聖国の聖王が変わって、今までの事を陳謝してこれからは仲良くしていきましょうってなってるんだろ?」
やっぱり普通にはそう伝わってるのか‥
「それが間違いでさ。帝国が神聖国に攻めてきそうなんだよ。だから帝国をクワイスたちにぶっ飛ばしてもらおうと思ってさ。」
「は‥?」
「本当ですか!それはとても助かります。イコル君が動いてくれれば、これ程心強いことはありません。」
うん。
動くのは主にクワイスさんです。
そして影で涙目になるのもクワイスさんです。
「それでは期日も余りありませんので、早速行動させてもらいます。また一月後に。」
「ありがとうございます。イコル君。君にタルタル神様の御加護がありますように。」
思わず顔が歪んでしまう。
タルタル神様の御加護か‥
俺の力で守り切れるといいけどな。
俺は宿に戻り、スキル【アバター】を解除して、マルコイに戻り『影法師』を『スペース』に入れる。
とりあえず獣人国に戻って仲間に説明をする前に、一旦『アウローラ』の拠点に寄って事情を説明する事にした。
転移で『アウローラ』の近くにある秘密基地に移動する。
秘密基地には時間を見つけてはちょこちょこ作っていた魔道具が散乱している。
数は十二分にあるが、何があるかわからない戦いだ。
もっと作成する必要があるだろう‥
神聖国の未来のために、もっと楽し‥魔族と戦える魔道具が必要になってくる。
作った魔道具がすぐに実験できるなんてなんて素晴らし‥
作った魔道具で何としても神聖国を救うのだ。
俺はにやける口元を戻しながら、『アウローラ』の拠点に駆け出した。
「たのもーっ!」
俺はいつものように『アウローラ』の入り口で声をかける。
するといつものようにラケッツ君が出て‥
「『アウローラ』へようこそ。今日は一体どのようなご用件でしょうか?あっ!マルコイさんじゃないですか!」
一瞬違うとこに来たかと思った。
「ラケッツさん?どうしたんですか、そんな対応ラケッツさんらしくなくて気持ち悪いですよ。」
「ひどっ!あれだけ酷い目にあったらこうなりますよ!」
ん?
酷いこと?
ラケッツ君何か酷い目にあったっけ?
俺が考えているとラケッツが信じられないものを見る目を向けてきた。
「ま、まさかマルコイさんはあれが酷いことって思ってないのか‥?ある意味スゲー‥やっぱり普通じゃない‥」
君失礼だね。
本当に思い当たる事がないだけだよ。
「いえ、もういいです。思い出さないでください‥ところで団長に用事ですか?」
「ああそうなんだ。クワイスはいる?」
「はい。団長室にいると思うのでどうぞ。」
もう案内もしてくれないのね。
勝手知ったる『アウローラ』のお家事情。
俺は団長室につき、扉をノックした。
「ラケッツか?開いてるぞ。」
俺が中に入るとクワイスは机で書類仕事をしていた。
「ラケッツ、今日はなんだか朝から寒気がするんだ。悪いが倉庫からポーションを持ってきてもらっ‥」
顔を上げたクワイスと目が合う。
するとクワイスは何故か合点がいったような顔になる。
「なるほど‥朝からの寒気の原因がやっとわかった。第六感ってやつだったんだな‥」
「どうした?病気でもしてるのか?キリーエからもらったいいポーションがあるから、あげようか?」
「いや、大丈夫だよ。病気でも何でもない事がわかったからね。今日は一体どんなトンデモ相談を持ってきたんだい、マルコイさん。」
君も随分と失礼な人だね。
話を聞く前にトンデモ案件と認定するのはダメだよ。
先入観で物事を決めていたら後悔する事になるんだからな。
「クワイス、最近の神聖国と帝国の事情って知ってるか?」
「ん?ああ、神聖国の聖王が変わって、今までの事を陳謝してこれからは仲良くしていきましょうってなってるんだろ?」
やっぱり普通にはそう伝わってるのか‥
「それが間違いでさ。帝国が神聖国に攻めてきそうなんだよ。だから帝国をクワイスたちにぶっ飛ばしてもらおうと思ってさ。」
「は‥?」
10
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる