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魔王の影
王様とのお話③
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「もう1人の魔王‥?」
「はい。魔族に属する者は『あのお方』と呼んでいました。復活したとされる魔王はモンスターや魔族を集めて、直接魔族以外の種族を滅ぼすために動いているようですが、『あのお方』と呼ばれる者は種族の中に入り込み、国を破壊若しくは乗っ取るために動いているのうな感じがします。」
「そんな奴がおるのか‥間違いないのか?」
「はい。闘技会の時に戦った魔族が言っていた『あのお方』が魔王かとも思っていたのですが、どうやら違うようでした。全くの別の集団と思った方がよさそうです。ただ、『あのお方』についてはやはり魔王側に協力しているといった感じです。」
「なるほどの‥」
王様は情報を整理するために少し考え込んでいるようだ。
「してその『あのお方』とやらが魔王とは別にいるというのは誰か知っておるか?」
「いえ、私の仲間以外には数名程度。国を治める方にお伝えするのは初めてになります。」
「わかった。それについてはワシの方から各国に情報として提供しよう。信じる信じないは別としての。ワシはマルコイからの話であるから信じるが、他の国はどうかわからぬ。」
「はい。それで結構です。もしかしたらそんな相手がいるかもと思うだけで変わると思いますから。」
「ふむ。」
『あのお方』がどんな動きをするかわからないけど、もしかしたら国の中枢に息のかかった人がいるかも、と思うだけでいいからな。
「相手商会の商会長が魔族に属する者だったため、相手がドラゴンを呼び出しました。魔族にはモンスターを操る種族スキルのようなものがあるそうです。そしてドラゴンと魔族に属した者をロンギル共和国で倒しました。」
「ふむ。詳しい内容はしらぬが、そこまではワシも知っておる。」
「はい。そして獣人国に戻る前に神聖国と帝国の戦争の件を耳にしました。」
「も、もしや、それに首を突っ込んだのか?」
「はい。がっつりと。」
口をぱくぱくさせる獣王様。
さすがに王様の口に物を入れると怒られるよな‥
「そして何やかんやありまして、勇者を引き取りました。」
「はぁ!?何故だ?何故そうなる!」
う~ん‥
全部説明するのは面倒なんだよな‥
「私と勇者一向は面識がありました。それで勇者たちが窮地に立たされていたので、獣人国に身を寄せるために私が連れてきました。」
「な、な、な‥なるほど。まあよい。以前の神聖国であれば戦争になっていたであろうが、神聖国の聖王が代わり我が国とも友好を結びたいと言ってきておる。あの神聖国がな。今度の聖王は話が出来る男のようだから、勇者については話ができるであろう。」
そうなんだよね。
だから時期を見て、勇者たちは神聖国に一度連れて行ってもいいのかもしれないと思っている。
「マルコイよ。」
「はい。」
「お主‥神聖国の聖王が変わった事や、その聖王が獣人差別をしないような男だと聞いて驚かなかったな‥獣人国と神聖国が友好を結ぶなど、歴史を紐解いてもなかった事だ。それを当たり前のように聞いておったが‥お主聖王の交代まで関わっておるのか?」
あ、やべ。
「いえ、驚かなかったのは、今の聖王様と多少面識があった物ですから。あの方が聖王につかれるのであればそうなると思いまして。」
「なるほどの。」
危ない危ない。
さすがにドラゴンになって、前聖王と神殿をぶっ壊したとは言えない。
渡したポーションでは治らない胃痛を与えてしまうかもしれないから‥
「関わっていないのだな。ワシの元に入ってきた情報では、前聖王は神の怒りに触れ大神殿ごと焼き尽くされたとの話であったからな。そのような事があるのか疑問ではあったが、お主が関わっていないのであれば本当に神の御使が顕現したのであろう‥」
うん。
ますます言えない。
「わかった。大義であったな。勇者を連れてくるとは驚いたが、そのような事情があればしょうがあるまい。それでは皆を呼び戻すとするか。」
「えっと‥もう1つありまして‥」
獣王様とエッケンさんが固まった。
「はい。魔族に属する者は『あのお方』と呼んでいました。復活したとされる魔王はモンスターや魔族を集めて、直接魔族以外の種族を滅ぼすために動いているようですが、『あのお方』と呼ばれる者は種族の中に入り込み、国を破壊若しくは乗っ取るために動いているのうな感じがします。」
「そんな奴がおるのか‥間違いないのか?」
「はい。闘技会の時に戦った魔族が言っていた『あのお方』が魔王かとも思っていたのですが、どうやら違うようでした。全くの別の集団と思った方がよさそうです。ただ、『あのお方』についてはやはり魔王側に協力しているといった感じです。」
「なるほどの‥」
王様は情報を整理するために少し考え込んでいるようだ。
「してその『あのお方』とやらが魔王とは別にいるというのは誰か知っておるか?」
「いえ、私の仲間以外には数名程度。国を治める方にお伝えするのは初めてになります。」
「わかった。それについてはワシの方から各国に情報として提供しよう。信じる信じないは別としての。ワシはマルコイからの話であるから信じるが、他の国はどうかわからぬ。」
「はい。それで結構です。もしかしたらそんな相手がいるかもと思うだけで変わると思いますから。」
「ふむ。」
『あのお方』がどんな動きをするかわからないけど、もしかしたら国の中枢に息のかかった人がいるかも、と思うだけでいいからな。
「相手商会の商会長が魔族に属する者だったため、相手がドラゴンを呼び出しました。魔族にはモンスターを操る種族スキルのようなものがあるそうです。そしてドラゴンと魔族に属した者をロンギル共和国で倒しました。」
「ふむ。詳しい内容はしらぬが、そこまではワシも知っておる。」
「はい。そして獣人国に戻る前に神聖国と帝国の戦争の件を耳にしました。」
「も、もしや、それに首を突っ込んだのか?」
「はい。がっつりと。」
口をぱくぱくさせる獣王様。
さすがに王様の口に物を入れると怒られるよな‥
「そして何やかんやありまして、勇者を引き取りました。」
「はぁ!?何故だ?何故そうなる!」
う~ん‥
全部説明するのは面倒なんだよな‥
「私と勇者一向は面識がありました。それで勇者たちが窮地に立たされていたので、獣人国に身を寄せるために私が連れてきました。」
「な、な、な‥なるほど。まあよい。以前の神聖国であれば戦争になっていたであろうが、神聖国の聖王が代わり我が国とも友好を結びたいと言ってきておる。あの神聖国がな。今度の聖王は話が出来る男のようだから、勇者については話ができるであろう。」
そうなんだよね。
だから時期を見て、勇者たちは神聖国に一度連れて行ってもいいのかもしれないと思っている。
「マルコイよ。」
「はい。」
「お主‥神聖国の聖王が変わった事や、その聖王が獣人差別をしないような男だと聞いて驚かなかったな‥獣人国と神聖国が友好を結ぶなど、歴史を紐解いてもなかった事だ。それを当たり前のように聞いておったが‥お主聖王の交代まで関わっておるのか?」
あ、やべ。
「いえ、驚かなかったのは、今の聖王様と多少面識があった物ですから。あの方が聖王につかれるのであればそうなると思いまして。」
「なるほどの。」
危ない危ない。
さすがにドラゴンになって、前聖王と神殿をぶっ壊したとは言えない。
渡したポーションでは治らない胃痛を与えてしまうかもしれないから‥
「関わっていないのだな。ワシの元に入ってきた情報では、前聖王は神の怒りに触れ大神殿ごと焼き尽くされたとの話であったからな。そのような事があるのか疑問ではあったが、お主が関わっていないのであれば本当に神の御使が顕現したのであろう‥」
うん。
ますます言えない。
「わかった。大義であったな。勇者を連れてくるとは驚いたが、そのような事情があればしょうがあるまい。それでは皆を呼び戻すとするか。」
「えっと‥もう1つありまして‥」
獣王様とエッケンさんが固まった。
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