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魔王の影
過去の罪
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「すみませんね、お聞き苦しい話をしてしまって。こんな話を聞いていただいたんだ、もし何か買われるのであればお安くさせてもらいますよ。」
「本当に?よかったわねマルコイ!」
「わーい!防具さん買うですぅ!」
ドワーフの王国トールルズ。
確か獣人国の南にあって、20年ほど前に周辺国家と戦争をしてたような話を聞いたことがある。
少し気になる事があるから、獣人国で落ち着いたら足を運んでみよう。
それはさておき、こんなにいい武具が安く手に入るのであれば買うに越した事はない。
しかしなかなかいいお値段だ。
米で一山当てたこの村の人たちなら問題ないと思うけど、俺の懐からすると少し厳しい‥
「これなんかいいわね。」
アキーエが軽そうな胸当てを見ながら言っている。
おいおい、それってさっき俺も見たけど、要所要所にミスリルを使ってあるかなりお値段がいいやつだぞ。
「う~ん、これくらいの値段なら少し安くしてくれるなら買えるわね。」
なっ!
なんだとっ!
そんな高い物、キリーエに借金しないと俺は買えないぞ!
なんでアキーエはそんなにお金を持っているんだ!?
「ミミウはこれがいいですぅ!」
おうっ!
ミミウさんが持ってるグリーブもかなりの業物みたいだぞ。
しかしミミウさんはご飯にお金をいっぱい使ってるから、俺と同じでお金はあまり持ってないはずだからな‥
「これくらいなら少し外食を減らして、お家でご飯食べれば大丈夫ですぅ。」
なっ!
そ、そんなバカな!
何故だ?
何故俺だけお金をあまり持っていないのだ?
決して貧乏ではない!
少し持ってるお金が少ないだけだ。
決して貧乏ではない‥はずだ。
「マルコイは買わないの?」
「そ、そ、そうだな‥お、俺は今使ってる装備品がまだ使えそうだからやめておくよ。」
「そう?せっかく安くしてくれるから買っておけばいいのに。」
安くなっても買えないなら意味がないんです!
ちょっと本格的にお金の稼ぎ方をキリーエに聞いてみる必要があるようだな‥
2人の買い物が終わったので、店を後にする事にした。
「すみません、2人の購入品をかなり安くしてもらったみたいで‥ありがとうございます。」
「いや、私こそお礼を言いたいところですよ。ここに来てからも誰かに言いたい、そして声に出して謝罪の言葉を出したいと思っていたんでしょうね。少だけ心が軽くなった気がします。」
「それはよかった。またこの村に来た時に寄らせてもらいますね。あと最後に‥もしよかったらお名前だけ聞かせてもらってもいいですか?」
「私の名前ですか?私はブレンダンと申します。またこの村に寄られた際は、ぜひお立ち寄りくださいね。」
「ええ。是非寄らせていただきますね。それじゃあ。」
俺たちが歩き出した後も、ブレンダンさんはしばらく俺たちに向かって頭を下げていた。
「なあミミウ。ミミウは親父さんがミミウを見つけた場所がどの辺か聞いてるのか?」
「ん~。確か獣人国に行ってる時って言ってたですよ。そんなことよりマルコイさん!ご飯屋さんがいっぱいあるですね。どこに行くですか?」
「そうだな‥やっぱりお米の生産地だから、お米が美味しく食べれる所に行くとしようか!」
「やったですぅ!美味しいお米たべるですぅ!」
「そうよね!わたしも楽しみだわ!お米って最初はそんなに美味しいとは思わなかったんだけど、何回も食べてるうちにお米の美味しさに気づいちゃったのよね。」
「はは。それじゃあ、あのおにぎりを売ってる店に行ってみるか。中に入れてある具材もたくさんあるみたいだし‥いや、中身タルタルソースだけのおにぎりとか売れないだろっ!」
「でもマルコイさん。タルタルのおにぎり、このお店の人気No.1って書いてありますよ。」
「そんな馬鹿なっ!」
森で拾われたね。
まさかね‥
ただ偶然話が似てただけだ。
でも一応行ってみるとするか‥
トールルズに。
「本当に?よかったわねマルコイ!」
「わーい!防具さん買うですぅ!」
ドワーフの王国トールルズ。
確か獣人国の南にあって、20年ほど前に周辺国家と戦争をしてたような話を聞いたことがある。
少し気になる事があるから、獣人国で落ち着いたら足を運んでみよう。
それはさておき、こんなにいい武具が安く手に入るのであれば買うに越した事はない。
しかしなかなかいいお値段だ。
米で一山当てたこの村の人たちなら問題ないと思うけど、俺の懐からすると少し厳しい‥
「これなんかいいわね。」
アキーエが軽そうな胸当てを見ながら言っている。
おいおい、それってさっき俺も見たけど、要所要所にミスリルを使ってあるかなりお値段がいいやつだぞ。
「う~ん、これくらいの値段なら少し安くしてくれるなら買えるわね。」
なっ!
なんだとっ!
そんな高い物、キリーエに借金しないと俺は買えないぞ!
なんでアキーエはそんなにお金を持っているんだ!?
「ミミウはこれがいいですぅ!」
おうっ!
ミミウさんが持ってるグリーブもかなりの業物みたいだぞ。
しかしミミウさんはご飯にお金をいっぱい使ってるから、俺と同じでお金はあまり持ってないはずだからな‥
「これくらいなら少し外食を減らして、お家でご飯食べれば大丈夫ですぅ。」
なっ!
そ、そんなバカな!
何故だ?
何故俺だけお金をあまり持っていないのだ?
決して貧乏ではない!
少し持ってるお金が少ないだけだ。
決して貧乏ではない‥はずだ。
「マルコイは買わないの?」
「そ、そ、そうだな‥お、俺は今使ってる装備品がまだ使えそうだからやめておくよ。」
「そう?せっかく安くしてくれるから買っておけばいいのに。」
安くなっても買えないなら意味がないんです!
ちょっと本格的にお金の稼ぎ方をキリーエに聞いてみる必要があるようだな‥
2人の買い物が終わったので、店を後にする事にした。
「すみません、2人の購入品をかなり安くしてもらったみたいで‥ありがとうございます。」
「いや、私こそお礼を言いたいところですよ。ここに来てからも誰かに言いたい、そして声に出して謝罪の言葉を出したいと思っていたんでしょうね。少だけ心が軽くなった気がします。」
「それはよかった。またこの村に来た時に寄らせてもらいますね。あと最後に‥もしよかったらお名前だけ聞かせてもらってもいいですか?」
「私の名前ですか?私はブレンダンと申します。またこの村に寄られた際は、ぜひお立ち寄りくださいね。」
「ええ。是非寄らせていただきますね。それじゃあ。」
俺たちが歩き出した後も、ブレンダンさんはしばらく俺たちに向かって頭を下げていた。
「なあミミウ。ミミウは親父さんがミミウを見つけた場所がどの辺か聞いてるのか?」
「ん~。確か獣人国に行ってる時って言ってたですよ。そんなことよりマルコイさん!ご飯屋さんがいっぱいあるですね。どこに行くですか?」
「そうだな‥やっぱりお米の生産地だから、お米が美味しく食べれる所に行くとしようか!」
「やったですぅ!美味しいお米たべるですぅ!」
「そうよね!わたしも楽しみだわ!お米って最初はそんなに美味しいとは思わなかったんだけど、何回も食べてるうちにお米の美味しさに気づいちゃったのよね。」
「はは。それじゃあ、あのおにぎりを売ってる店に行ってみるか。中に入れてある具材もたくさんあるみたいだし‥いや、中身タルタルソースだけのおにぎりとか売れないだろっ!」
「でもマルコイさん。タルタルのおにぎり、このお店の人気No.1って書いてありますよ。」
「そんな馬鹿なっ!」
森で拾われたね。
まさかね‥
ただ偶然話が似てただけだ。
でも一応行ってみるとするか‥
トールルズに。
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