559 / 953
魔王の影
獣人国へ
しおりを挟む
セイルズに戻って2日かけて『影法師』を作った。
作成中は特に問題なく時間が取れたので、サクッと5体作ることができた。
正人が何故か悲しそうな顔で戻ってきたけど、理由は聞いていない。
世の中そんなに甘くないのだよ。
完成した『影法師』をペイセルさんに届けた。
何故か俺と『影法師』を何度か見比べていたが、大変ありがたいと受け取ってくれた。
「タルタル神様自ら作っていただいたご神像です。それだけで私達信者には何物にも変えれない程の価値があります!」
暗に似てないって言ってるよね?
俺が自分を美化して作ったわけじゃないからね。
飾ってあった絵を元に作ったんだから、タルタル教の絵師さんに文句を言ってもらいたい。
まあ俺そっくりの絵だったら『影法師』も作らずに逃げ出したかもしれないけど。
「それでは今後は神祭なども行なっていきますので、その時でもいいのでこちらを動かしてもらうと全ての信者にタルタル神様の神威が伝わると思いますので。」
「わ、わかった。でも俺も勇者の手伝い何かで忙しいからあまり期待しないでもらうと助かるかな。」
「承知いたしました。信者一同お待ちしております。」
おそらく一生あの『影法師』にスキル【アバター】を使う事はないと思う。
でも喜んでもらったから良しとしよう。
俺の用事が終わったので、獣人国に向かう事にした。
もちろん獣人国に向かうのは9人だ。
見送りにはスキャンやクワイスたちが来てくれた。
「マルコイさんは魔道具作ったらこっちに来ると思うからすぐ会えると思うんだけど、他の人達とは長く離れるかもしれないからな。」
スキャンはそう言いながらアレカンドロを見る。
「ははは。何を言ってるんだクワイス?魔王と戦う時は、俺が作る最新の魔道具を身に纏って魔族と戦ってもらわないといけないから、すぐに会えるぞ。」
「え?何それ?聞いてないけど‥?」
「ん?言ってないよ。でも手伝ってくれるだろ?」
「‥‥‥は、ははは。そ、そうだな、俺達は傭兵だ。マルコイさんの依頼なら年中無休で受けるつもりだからな。準備ができたら教えてくれ。あと魔道具はほどほどにしといてくれよ。」
「わかった、期待しててもらっていいぞ。」
「いや、期待してないよ!」
「馬鹿だな。魔族はモンスターよりも強敵なんだ。もっとより良い魔道具を用意するに決まってるだろ。」
「‥‥‥マルコイさんに求めるのは無駄だとわかっているけど‥常識の範囲内だと助かります‥」
「任せとけっ!」
「マルコイさんの常識じゃないからねっ!世間一般の常識だかねっ!」
失礼な。
俺の常識も一般的だっていうのに。
「マルコイー!またねー!」
ん?
遠くから声がする。
声がした方を見るとライリーが少し離れたところで手を振っている。
「ラ、ライリーちゃん‥」
正人がライリーの方を見ると、ライリーは近くの塀の影に隠れて顔だけ少し見せてこちらを見ている。
ま、正人。
お前いったいライリーに何をしたんだ‥?
「ま、正人。お前ライリーと何かあったのか?お前の事、ものすっごく避けてないか?」
「べ、別に何もしてないって!ライリーちゃんの体型がどんなに素晴らしいか、幼さの残る顔がどれだけ美しいか語っただけなんだ。」
いや、気持ち悪いだろそれ‥
「もちろん触ってないぞ!」
ノータッチってやつか。
「ライリーちゃん‥」
「だ、大丈夫だ正人。お前が魔王との戦いで活躍したら、俺がちゃんとライリーに伝えてやるからな。」
「本当かマルコイさん!おお‥神はいたんだ‥」
やかましい、神はやめなさい。
「ライリーちゃん!またなぁー!」
ライリーは塀の後ろに完全に隠れてしまった‥
こいつ本当は何かやらかしたんじゃないのか‥?
ちょっと正人たちを連れて行く事に不安を感じてしまうぞ‥
「それじゃあ行ってくる。またな。」
俺たちは獣人国を目指して旅立った。
作成中は特に問題なく時間が取れたので、サクッと5体作ることができた。
正人が何故か悲しそうな顔で戻ってきたけど、理由は聞いていない。
世の中そんなに甘くないのだよ。
完成した『影法師』をペイセルさんに届けた。
何故か俺と『影法師』を何度か見比べていたが、大変ありがたいと受け取ってくれた。
「タルタル神様自ら作っていただいたご神像です。それだけで私達信者には何物にも変えれない程の価値があります!」
暗に似てないって言ってるよね?
俺が自分を美化して作ったわけじゃないからね。
飾ってあった絵を元に作ったんだから、タルタル教の絵師さんに文句を言ってもらいたい。
まあ俺そっくりの絵だったら『影法師』も作らずに逃げ出したかもしれないけど。
「それでは今後は神祭なども行なっていきますので、その時でもいいのでこちらを動かしてもらうと全ての信者にタルタル神様の神威が伝わると思いますので。」
「わ、わかった。でも俺も勇者の手伝い何かで忙しいからあまり期待しないでもらうと助かるかな。」
「承知いたしました。信者一同お待ちしております。」
おそらく一生あの『影法師』にスキル【アバター】を使う事はないと思う。
でも喜んでもらったから良しとしよう。
俺の用事が終わったので、獣人国に向かう事にした。
もちろん獣人国に向かうのは9人だ。
見送りにはスキャンやクワイスたちが来てくれた。
「マルコイさんは魔道具作ったらこっちに来ると思うからすぐ会えると思うんだけど、他の人達とは長く離れるかもしれないからな。」
スキャンはそう言いながらアレカンドロを見る。
「ははは。何を言ってるんだクワイス?魔王と戦う時は、俺が作る最新の魔道具を身に纏って魔族と戦ってもらわないといけないから、すぐに会えるぞ。」
「え?何それ?聞いてないけど‥?」
「ん?言ってないよ。でも手伝ってくれるだろ?」
「‥‥‥は、ははは。そ、そうだな、俺達は傭兵だ。マルコイさんの依頼なら年中無休で受けるつもりだからな。準備ができたら教えてくれ。あと魔道具はほどほどにしといてくれよ。」
「わかった、期待しててもらっていいぞ。」
「いや、期待してないよ!」
「馬鹿だな。魔族はモンスターよりも強敵なんだ。もっとより良い魔道具を用意するに決まってるだろ。」
「‥‥‥マルコイさんに求めるのは無駄だとわかっているけど‥常識の範囲内だと助かります‥」
「任せとけっ!」
「マルコイさんの常識じゃないからねっ!世間一般の常識だかねっ!」
失礼な。
俺の常識も一般的だっていうのに。
「マルコイー!またねー!」
ん?
遠くから声がする。
声がした方を見るとライリーが少し離れたところで手を振っている。
「ラ、ライリーちゃん‥」
正人がライリーの方を見ると、ライリーは近くの塀の影に隠れて顔だけ少し見せてこちらを見ている。
ま、正人。
お前いったいライリーに何をしたんだ‥?
「ま、正人。お前ライリーと何かあったのか?お前の事、ものすっごく避けてないか?」
「べ、別に何もしてないって!ライリーちゃんの体型がどんなに素晴らしいか、幼さの残る顔がどれだけ美しいか語っただけなんだ。」
いや、気持ち悪いだろそれ‥
「もちろん触ってないぞ!」
ノータッチってやつか。
「ライリーちゃん‥」
「だ、大丈夫だ正人。お前が魔王との戦いで活躍したら、俺がちゃんとライリーに伝えてやるからな。」
「本当かマルコイさん!おお‥神はいたんだ‥」
やかましい、神はやめなさい。
「ライリーちゃん!またなぁー!」
ライリーは塀の後ろに完全に隠れてしまった‥
こいつ本当は何かやらかしたんじゃないのか‥?
ちょっと正人たちを連れて行く事に不安を感じてしまうぞ‥
「それじゃあ行ってくる。またな。」
俺たちは獣人国を目指して旅立った。
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ギフト争奪戦に乗り遅れたら、ラストワン賞で最強スキルを手に入れた
みももも
ファンタジー
異世界召喚に巻き込まれたイツキは異空間でギフトの争奪戦に巻き込まれてしまう。
争奪戦に積極的に参加できなかったイツキは最後に残された余り物の最弱ギフトを選ぶことになってしまうが、イツキがギフトを手にしたその瞬間、イツキ一人が残された異空間に謎のファンファーレが鳴り響く。
イツキが手にしたのは誰にも選ばれることのなかった最弱ギフト。
そしてそれと、もう一つ……。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる