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魔王の影
勇者たちの気持ち
しおりを挟む料理対決も無事に終了して、通常の宴会に戻った。
みんな大会中にお酒も嗜んでいたからいい感じに酔っ払っている。
俺みたいに料理対決に参加した人は出遅れている感じだが。
一人でゆっくりお酒でも飲もうと席に座ると、先程まで審査員をやっており、こちらも飲み足りなくてうろうろとしていたクワイスと一緒になった。
「よう、マルコイさん。おつかれだったな。」
「まあな。突然呼ばれたから焦ったけど、楽しかったよ。」
「はは。今回もだけど、勇者達の事もだよ。結局助けてきてるしな。これからは勇者と一緒に魔王討伐ってとこかい?」
「う~ん、本当は勇者たちに魔道具渡して頑張ってこいよ!のつもりだったがな。あいつら見てると危なかっかしいからな‥多分手伝う事になると思うぞ。」
「そうか‥」
もう覚悟も決めちまったしな。
「なんだかんだ言っても、やっぱりマルコイさんはお人好しだな。」
「そんなんじゃないよ。ただ、自分の手の届くところで出来る事をしようと思ってたら、こうなっただけだ。」
「マルコイさん手だったら、どこまでも届くと思うぞ。」
そんなに長くないやい。
「でもそんなマルコイさんだから俺らは助けてもらったんだ。だからマルコイさんが困ったらいつでも呼んでほしい。マルコイさんが困る事なんてないと思うけどな。」
結構いつも困ってるぞ。
タルタル教関連とかな。
「そっか。ありがとうな。それじゃあどこにいても魔道具の実験は続けていくつもりだったから、お願いするよ。」
「うっ‥そ、そっちの方はほどほどに頼むよ。」
いや、今助けてくれるって言ったもんね。
だからこれからも思いついた物は作って『アウローラ』にもってくるもんね。
「主にラケッツさんになるけどね。」
「そっか‥ほどほどにしてやってくれるといいけど‥」
お酒が弱いのか、酔っ払って陽気にクルクル回っているラケッツを見ながらクワイスは声を絞り出した‥
宴会が終わった翌日。
まだ庭には死骸のように転がっている者が数名いるが、放っておけばそのうち生き返って家に帰ると思うのでそのままにしておく。
「第‥‥第何回なのかさっぱりわかりませんけど、これからどうするか決めましょう会議!」
「「わーっ!」」
室内にミミウとアレカンドロの拍手が鳴っている。
それを見ながらリルも拍手している。
「さて、思ったより行動を共にする人たちも増えたので、これからの事を話し合いたいと思います!進行はマルコイがさせてもらいます。質問や意見のある方は挙手でお願いします!」
「はい!」
「はい、アレカンドロさん!」
「こんな感じで宜しいでしょうかっ!」
「はいありがとうございます。そんな感じでお願いします!」
この場には俺たちパーティの他に勇者パーティも呼んでいる。
総勢9名の大所帯だ。
「まずはこれからの事ですが、勇者御一行はこれからどうしたいですか?できれば魔王退治を続けてもらいたいとは思ってるけど、強制はしたくない。だから率直な意見を教えてほしいと思います!」
俺は恵たちを見る。
「えっと‥あたしとしては‥」
「はいあやめさん!意見は挙手でお願いします!」
「お願いするですぅ!」
「えっ!?あ、はい!」
「はい、あやめさん!」
「なんだか、学校を思い出すわ‥えっと、あたしとしては元の世界に戻りたいってのは変わらないけど、安全な場所に隠れたままじゃ戻れないってのはわかってるつもり。マルコイのスキルで元の世界に戻れる可能性が少しでもあるなら、そのために魔王退治でもなんでもするつもり。」
「私もそのつもりです。帰れなかったとしても、ここで胸を張って生きれるように、この世界のために頑張りたいと思います。」
「そっか‥でも恵さん、意見は挙手して言ってください!」
「えっ!あっ、ごめんなさい‥」
正人たちはどうだろう?
神聖国という呪縛がなくなった今、どう思っているんだろうか‥
みんな大会中にお酒も嗜んでいたからいい感じに酔っ払っている。
俺みたいに料理対決に参加した人は出遅れている感じだが。
一人でゆっくりお酒でも飲もうと席に座ると、先程まで審査員をやっており、こちらも飲み足りなくてうろうろとしていたクワイスと一緒になった。
「よう、マルコイさん。おつかれだったな。」
「まあな。突然呼ばれたから焦ったけど、楽しかったよ。」
「はは。今回もだけど、勇者達の事もだよ。結局助けてきてるしな。これからは勇者と一緒に魔王討伐ってとこかい?」
「う~ん、本当は勇者たちに魔道具渡して頑張ってこいよ!のつもりだったがな。あいつら見てると危なかっかしいからな‥多分手伝う事になると思うぞ。」
「そうか‥」
もう覚悟も決めちまったしな。
「なんだかんだ言っても、やっぱりマルコイさんはお人好しだな。」
「そんなんじゃないよ。ただ、自分の手の届くところで出来る事をしようと思ってたら、こうなっただけだ。」
「マルコイさん手だったら、どこまでも届くと思うぞ。」
そんなに長くないやい。
「でもそんなマルコイさんだから俺らは助けてもらったんだ。だからマルコイさんが困ったらいつでも呼んでほしい。マルコイさんが困る事なんてないと思うけどな。」
結構いつも困ってるぞ。
タルタル教関連とかな。
「そっか。ありがとうな。それじゃあどこにいても魔道具の実験は続けていくつもりだったから、お願いするよ。」
「うっ‥そ、そっちの方はほどほどに頼むよ。」
いや、今助けてくれるって言ったもんね。
だからこれからも思いついた物は作って『アウローラ』にもってくるもんね。
「主にラケッツさんになるけどね。」
「そっか‥ほどほどにしてやってくれるといいけど‥」
お酒が弱いのか、酔っ払って陽気にクルクル回っているラケッツを見ながらクワイスは声を絞り出した‥
宴会が終わった翌日。
まだ庭には死骸のように転がっている者が数名いるが、放っておけばそのうち生き返って家に帰ると思うのでそのままにしておく。
「第‥‥第何回なのかさっぱりわかりませんけど、これからどうするか決めましょう会議!」
「「わーっ!」」
室内にミミウとアレカンドロの拍手が鳴っている。
それを見ながらリルも拍手している。
「さて、思ったより行動を共にする人たちも増えたので、これからの事を話し合いたいと思います!進行はマルコイがさせてもらいます。質問や意見のある方は挙手でお願いします!」
「はい!」
「はい、アレカンドロさん!」
「こんな感じで宜しいでしょうかっ!」
「はいありがとうございます。そんな感じでお願いします!」
この場には俺たちパーティの他に勇者パーティも呼んでいる。
総勢9名の大所帯だ。
「まずはこれからの事ですが、勇者御一行はこれからどうしたいですか?できれば魔王退治を続けてもらいたいとは思ってるけど、強制はしたくない。だから率直な意見を教えてほしいと思います!」
俺は恵たちを見る。
「えっと‥あたしとしては‥」
「はいあやめさん!意見は挙手でお願いします!」
「お願いするですぅ!」
「えっ!?あ、はい!」
「はい、あやめさん!」
「なんだか、学校を思い出すわ‥えっと、あたしとしては元の世界に戻りたいってのは変わらないけど、安全な場所に隠れたままじゃ戻れないってのはわかってるつもり。マルコイのスキルで元の世界に戻れる可能性が少しでもあるなら、そのために魔王退治でもなんでもするつもり。」
「私もそのつもりです。帰れなかったとしても、ここで胸を張って生きれるように、この世界のために頑張りたいと思います。」
「そっか‥でも恵さん、意見は挙手して言ってください!」
「えっ!あっ、ごめんなさい‥」
正人たちはどうだろう?
神聖国という呪縛がなくなった今、どう思っているんだろうか‥
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