上 下
546 / 953
勇者の救出

料理対決③

しおりを挟む
「それでは2人とも料理を審査員の前に置いてください!」

2人の料理が運ばれてくる。

やはり2人ともエビフライのようだ。

フーラさんは普通のエビフライみたいだ。
少し太目かな。

あとメンセンは‥

まん丸い‥
丸いエビフライ?のようだ。
あれはエビフライでいいのかな‥?
揚げ物の上にはたっぷりとタルタルソースがかかっている。

それに対してフーラさんのエビフライにはタルタルソースがかかっていない。

正直そんな馬鹿なっ!って感じである。

「俺の料理は『男の魂エビボールタルタル』だぜ!エビを腹一杯食べたいって気持ちから、エビの切り身を丸めて揚げて、それに特製タルタルソースをかけた至高の一品だ!」

メンセンは筋肉ポーズをとりながら料理名を言っている。
料理も熱そうだが、メンセンも暑苦しい‥

「おっと!ここで実況予定であったライリーさんがいらっしゃいました。」

ライリーも来てくれたのか。

今日もフリフリの洋服を着ている。

あっ!
そう言えばライリーを正人に紹介するつもりだった‥


‥‥‥まあ後からでいいか。

「ライリーさんよろしくお願いします。しかし遅かったですね。もしかして洋服を選んで遅くなったとか‥?」

「そ、そ、そ、そんなわけないでしょ。それよりも早く進めましょう!」

「う~ん、恋する乙女ですね。」

「ち、ち、ち、違うわよ、そんなんじゃないわよ!」

うん、楽しそうで何より。



メンセンの料理を審査の人たちが食べ始めた。

みんな黙々と食べている。

食べている人たちが幸せそうな顔をしているので、美味しいのだろう。

ポッサムさんが手を挙げている。
ライリーがポッサムさんの近くまで行き、ポッサムの挙手の内容を確認している。
そしてポッサムさんを促す。

「このタルタルソースなんだが味が違いますね。その場で作ったといえ、ここまで違う味がでるんでしょうか?」

何か少し色なんかも違うなと思っていたけど‥

「そうですね、愛と筋肉です。それと食感と味のアクセントに野菜を漬け込んだ物を刻んで入れています。」

愛と筋肉はいらんがな。

ポッサムさんが何やらメモしている。
あれは審査のメモだろうか?
それとも自分の街に戻った時に作ってみようとか思ってるんだろうか?

でも多分戻った時にはカルーン内でも食べれるようになってると思いますよ。
キリーエさんのフットワークの速さは想像以上ですから。



「エビがぷりぷりしていて、タルタルソースがカリカリしてるから、食べてて楽しかったですぅ。」

なるほど。
ミミウが言うなら美味しかったんだろうな。

筋肉ポーズをちょこちょこ変えているメンセンの顔がうるさいけど‥


次はフーラさんか‥

「私の料理は『タルタル神様に届け、私の胸にある信仰心』です。」

もう料理名じゃないじゃん‥



料理自体は普通のエビフライみたいだけど‥
ただ普通エビフライに比べてかなり太い。

何本か切り身を重ねたんだろうか?

違いは審査員が食べてからわかった。

審査員が一口食べて驚いた表情をしている。


「こ、これは!中からタルタルソースがっ!」

なるほど!
タルタルソースは上からかけるのが常識であったが、そうではなく中のエビに纏わせて一緒にフライとして揚げたわけか。

さすがフーラさん。
フライの鉄人だぜ。

「上からかけるタルタルソースよりも、粘度を高くしてエビの周りにつけてから衣を纏わせています。私のタルタル神様への信仰心が身体の中から溢れ出ている事を表してみました。」

ふむ。
やめて、こっち見ないで。

審査員が食べた後、どちらの料理が美味しかったのか検討している。

メンセンさんは、すでに負けたかのようにガックリと地面に膝をついている。

審査員も悩んでいるけど‥

おっ、みんな結果が出たみたいだ。

「さて!審査員の皆さんの結果が出たみたいです!それでは勝者は!?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

処理中です...