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勇者の救出

勇者の救出

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「マルコイさん!おかえりなさーい!」

陸に降りるなりミミウが飛びついてきた。

ここ数日しか離れてないのに、そんなに寂しかったのか?

「海老料理はいつするですか?」

俺がハッと顔を上げると、キリーエもメモを片手にこちらを見ていた。

うん。
そうだよねー。

もしかしてグレートロブスターは俺の食欲じゃなくて、ミミウの食欲に反応したんじゃないだろうか?

「はいはい。海老料理はあとでするから、今は紹介が先だろ。」

「はいですぅ!」

ミミウの他にもパーティ全員が迎えに来てくれていた。

「俺のパーティメンバーだ。アキーエ、ミミウ、キリーエ、アレカンドロとリルだ。」

リルもパーティメンバーでいいんだよな‥?

「んで、こっちがポンコツ勇者パーティの正人、あやめ、恵と賢者は卓だったっけか?」

「は、はい‥」

相変わらずガクブルしている賢者‥

するとリルと賢者の目が合った。
お互いに大きく頷いている。

なんだお前ら。
何か通じ合うものでもあったのか‥?

「誰がポンコツよ!」

特にお前と正人だ。

「えっと‥私は一ノ瀬恵って言います。マルコイさんのご好意に甘えてここまで連れてきてもらいました。よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしく。わたしはアキーエよ。会うのは2度目ね。大変だっただろうから、ここでゆっくりとしておくといいわ。」

「ふえぇぇぇ!物凄く美少女!初めて会った時もそう思ったけど、改めて見ると頭のてっぺんから足の先まで美少女だわっ!確かにこんな美少女がそばにいるなら、マルコイがあたしの魅力に負けなかったのもわかるわ‥」

アキーエが美人なのはその通りだ。
しかし‥あやめよ。
はっきり言っておくが、お前に魅力を感じた事はないぞ‥

あやめがジト目で見てくる。

「マルコイ‥何かとてつもなく失礼な事考えてない?」

「ふむ。気のせいだ。あやめに魅力は皆無だなんて思ってないぞ。」

「うわっ!予想していた100倍は失礼な事考えてたわ!しくしくしく‥」

「あやめ‥」

正人があやめに声をかける。

「心配すんなって。お前もきっとどこかに多分需要はあるはずじゃん。」

「うっさいわボケ!」

「ほげらっ!」

うん。
仲良いね君たち。
お兄さんは君たちのそんな笑顔が見れて嬉しいよ。



さてそれじゃあ家に移動するか。
決してミミウのキラキラした目に負けたわけじゃないからな。

セイルズの拠点であるアレカンドロの家に戻ると、クワイスやメンセンたちが待っていた。

「マルコイさんおつかれ。」

「ありがとうクワイス。今日は来てくれてすまないな。」

「そんなに離れていないし、勇者達も一目見ておきたかったからね。」

「あの時のイケオジさん!」

「イケオジ‥?何の事かわからないけど、この間は悪かったね。フリとは言え、馬鹿にするような言い方をして。」

「いや~ん。イケオジさんはやっぱりイケオジさんだわ。」

「ははは‥ありがとう。」

「おお!あやめにも推しがきたんじゃね?」

「もうやめてよ正人~。」

「まずは相手が特殊な相手が好きかどうかが問題じゃね?珍獣あやめをありのまま受け止めてくれる相手かどうか確かめる必要があるじゃん?」

「誰が珍獣だっ!」

「ぽげらっ!」

ふむ。
コイツらといると話が進まないな。




拠点であるアレカンドロの家に戻ると、庭で宴会の準備が進められていた。
セイルズの船着場でキリーエが商会の人と話していたと思ったけど、俺が帰ってきたのを確認して準備を始めてくれたんだな。

新しく提案したピザや、カプレーゼなんかが並んでいる。

それにいつものチキン南蛮や、タルタル料理もある‥

てことはフーラさんもいるのかな‥?
今回はタルタル教にお世話になったから、少し話はしたいと思って入るけど‥
武器もスキルも持たずにドラゴンに立ち向かうくらいの勇気がいる。
ミミウなら倒しそうだが‥

しかしそれよりも気になったのは、宴会場真ん中に調理場が設置されている事だ。

これって、宴会場の真ん中で料理作るって事‥?
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