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勇者の救出
勇者たちとの話し合い
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あやめが疲れて椅子に座り込んだ後で、2人と話をする事にした。
「まあ冗談はさておき、せっかくこうやってお前たちと話すために時間を作ったんだ。お前たち勇者が今後どうするのか教えてほしい。」
「うーん、俺はマジ神のマルコイさんと一緒にいれたらとは思ってるんだけど、恵とあやめは元の世界に戻りたいと思ってるからさ。俺は2人の気持ち次第って感じ。」
確かに正人は最初からそんな風だったな。
「あやめはどう思ってるんだ?聞いと思うが、予想通り神聖国はお前たちを元の世界に戻す気はないみたいだぞ。と言うか、予想より悪かったな‥まさか魔王を倒したらお前たちを殺そうとしているとは思わなかった。」
もしかしたらだけど‥
俺が以前見た夢は誰かの記憶だったんだろうか?
今回と同じように異世界から転移させられて、魔王を倒したら殺された。
ずっと前から神聖国はそんな事を繰り返してきたのかもしれない。
そう思うと、正人たちが不憫でならないし、神聖国に対して憤りを感じる。
「あたし達は‥あたしと恵は、恵が怪我した時に話し合ってたんだ。認めるのは辛かったけど、多分あたし達は元の世界には帰れないと思ってた。残念な事に、それが今日はっきりとわかったけどね。」
隊長さんにはっきり言われてたからな。
「あたしと恵はこの世界で生きる事を決めたわ。それをマルコイに伝えたいと思ってた。まさかこんな所で再会するとは思ってなかったけどね。マルコイはここを所有している『アウローラ』って傭兵団の人達に依頼されてたの?マルコイが関与してるってわかって『アウローラ』の人達が持っている魔道具の一部がマルコイが用意したのかなって思ったけど‥でもよかった、偶然とはいえマルコイがここに居てくれて。」
偶然とは?
何を言ってるのかねコイツは。
「何言ってるんだお前?偶然ここにいる訳ないだろ。お前らがここに来るように仕向けたに決まってるだろ。」
「はぁ?何を言ってるのよマルコイ。さすがにマルコイでも‥‥‥うっそ!本気で言ってんの?どっからなの?え?え?もしかして、神聖国に靴型の魔道具を与えたのってマルコイなの?」
与えたってのがよくわからないけど、多分神聖国がいいように言ったんだろうな。
「与えたつもりはないけどな。あれは盗ませたんだ。それにどこからって言われたら、多分アースンでお前たちに会ってからだぞ。」
「へ?」
「お前たちに会って、神聖国が帝国に侵攻されてるって聞いたからな。それを『アウローラ』と一緒に阻止したんだ。そしたら思いの外目立ってな。神聖国がチェックしに来たから、魔道具を盗ませたんだ。ちょっと細工してたから、恐らくお前たちが来る事になるだろうと思って、この遺跡を用意したんだ。」
「ちょっと待って‥‥なんか色々と規格外過ぎて整理出来ないわ。」
まあかなり偶然もあったんだけどね。
「でも!でも何でそこまでしてあたし達を此処に呼んだの?マルコイにとって何か必要な物を持ってたりするの?」
「ん?いや別に何かを持ってるわけじゃない。ただ、お前たちにから模倣させてもらったスキルは今も役に立ってるし、それにお前らの事を嫌いじゃない。俺は別にこの世界の代表って訳じゃないけど、この世界のせいでお前たちが困っているのを知っていて、そのままにしておく程人で無しじゃない。」
「そ、そんな‥あたし達のために‥‥」
気になってしまったんだ。
それを無視して器用に生きれなかっただけだ。
「ごめん、ありがとう。」
あやめが下を向いている。
あやめの前に置いてあるテーブルにいくつか水滴が落ちた。
あまり見るのも悪いと思い目を逸らす。
正人と目が合った。
正人は俺と目が合うと右手を握ったまま突き出し、親指だけ伸ばして上を指した。
「マルコイさん。ぐっじょぶ!」
もの凄いドヤ顔で言われた。
顔がうるさいぞ。
「まあ冗談はさておき、せっかくこうやってお前たちと話すために時間を作ったんだ。お前たち勇者が今後どうするのか教えてほしい。」
「うーん、俺はマジ神のマルコイさんと一緒にいれたらとは思ってるんだけど、恵とあやめは元の世界に戻りたいと思ってるからさ。俺は2人の気持ち次第って感じ。」
確かに正人は最初からそんな風だったな。
「あやめはどう思ってるんだ?聞いと思うが、予想通り神聖国はお前たちを元の世界に戻す気はないみたいだぞ。と言うか、予想より悪かったな‥まさか魔王を倒したらお前たちを殺そうとしているとは思わなかった。」
もしかしたらだけど‥
俺が以前見た夢は誰かの記憶だったんだろうか?
今回と同じように異世界から転移させられて、魔王を倒したら殺された。
ずっと前から神聖国はそんな事を繰り返してきたのかもしれない。
そう思うと、正人たちが不憫でならないし、神聖国に対して憤りを感じる。
「あたし達は‥あたしと恵は、恵が怪我した時に話し合ってたんだ。認めるのは辛かったけど、多分あたし達は元の世界には帰れないと思ってた。残念な事に、それが今日はっきりとわかったけどね。」
隊長さんにはっきり言われてたからな。
「あたしと恵はこの世界で生きる事を決めたわ。それをマルコイに伝えたいと思ってた。まさかこんな所で再会するとは思ってなかったけどね。マルコイはここを所有している『アウローラ』って傭兵団の人達に依頼されてたの?マルコイが関与してるってわかって『アウローラ』の人達が持っている魔道具の一部がマルコイが用意したのかなって思ったけど‥でもよかった、偶然とはいえマルコイがここに居てくれて。」
偶然とは?
何を言ってるのかねコイツは。
「何言ってるんだお前?偶然ここにいる訳ないだろ。お前らがここに来るように仕向けたに決まってるだろ。」
「はぁ?何を言ってるのよマルコイ。さすがにマルコイでも‥‥‥うっそ!本気で言ってんの?どっからなの?え?え?もしかして、神聖国に靴型の魔道具を与えたのってマルコイなの?」
与えたってのがよくわからないけど、多分神聖国がいいように言ったんだろうな。
「与えたつもりはないけどな。あれは盗ませたんだ。それにどこからって言われたら、多分アースンでお前たちに会ってからだぞ。」
「へ?」
「お前たちに会って、神聖国が帝国に侵攻されてるって聞いたからな。それを『アウローラ』と一緒に阻止したんだ。そしたら思いの外目立ってな。神聖国がチェックしに来たから、魔道具を盗ませたんだ。ちょっと細工してたから、恐らくお前たちが来る事になるだろうと思って、この遺跡を用意したんだ。」
「ちょっと待って‥‥なんか色々と規格外過ぎて整理出来ないわ。」
まあかなり偶然もあったんだけどね。
「でも!でも何でそこまでしてあたし達を此処に呼んだの?マルコイにとって何か必要な物を持ってたりするの?」
「ん?いや別に何かを持ってるわけじゃない。ただ、お前たちにから模倣させてもらったスキルは今も役に立ってるし、それにお前らの事を嫌いじゃない。俺は別にこの世界の代表って訳じゃないけど、この世界のせいでお前たちが困っているのを知っていて、そのままにしておく程人で無しじゃない。」
「そ、そんな‥あたし達のために‥‥」
気になってしまったんだ。
それを無視して器用に生きれなかっただけだ。
「ごめん、ありがとう。」
あやめが下を向いている。
あやめの前に置いてあるテーブルにいくつか水滴が落ちた。
あまり見るのも悪いと思い目を逸らす。
正人と目が合った。
正人は俺と目が合うと右手を握ったまま突き出し、親指だけ伸ばして上を指した。
「マルコイさん。ぐっじょぶ!」
もの凄いドヤ顔で言われた。
顔がうるさいぞ。
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