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勇者の救出
鏡の部屋
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突然迫り上がった壁全てにあたしや正人、騎士団の人が映っている。
この出てきた壁は全部鏡なの?
鏡に自分が映っている姿を見ながらそう思う。
鏡に近づいていき、それを触ると壁に反射している自分だと確認する事ができる。
更に物すごい数の壁が迫り上がった。
正人を探そうと移動しようとすると、すぐに別の鏡にぶつかってしまった。
もしかして人が1人通れる程度の通路になっている?
両手を広げて通路の幅を測る。
やはりそうみたいだ。
まるで元の世界のミラーハウスみたいね。
異世界で、遊園地のアトラクションに入れるとは思わなかったわ。
でもこれって正人や騎士団の人達とも別れたってことね。
自分達が分断されたのを意外と冷静に判断する事が出来た。
同じ部屋の中にいるんだ。
通路を進んでいけばいずれ会えるはず。
そう思いあやめは歩を進めようとした。
すると視界の端で何かが動いたように見えた。
正人?
そう思い気になった鏡の方を見る。
あたしが映っていた。
あたしが見るように鏡に映ったあたしもこちらを見ている。
別に動いていない‥?
鏡に映った姿が勝手に動いたような気がしただけか‥
そして振り返って移動しようとした時に奇妙な物を見る。
鏡に映っていたあたしがあたしよりも遅く振り返った。
その事に驚き鏡を見る。
明らかに自分が振り返るスピードよりも鏡の中のあたしが振り返るのが遅かった!
視界の端で振り返るあたしを見つめる、あたしがいた。
そう思い、視界に入った鏡に歩み寄っていく。
すると突然‥
鏡に映るあたしが笑みを浮かべた。
あたしが浮かべないような底冷えするような笑みだった。
「だ、誰っ!?」
悲鳴に近い声を上げる。
誰と言いながらあたしだという事はわかっている。
でも自分であって自分でないものが目の前にいる。
計り知れない恐怖を感じる。
鏡に映ったあたしはあたしの問いには答えなかった。
代わりに部屋の中から別の声が聞こえる。
「う、うわぁ!な、何をされますか正人様!」
「くっ!あやめ様、気でも狂いましたか?」
何が起こってるの?
あたしや正人が騎士団の人達の場所に現れている?
ただの鏡じゃないわけ?
あたしの前に映っていたあたしはいつの間にか普通の鏡に戻っている。
もしさっきのあたしが騎士団の人達の所に行ったのなら‥拙い事になりそうね。
あたしは他の人を探すために急いで走り出た。
そして目の前の鏡に‥顔から突っ込んだ‥
鼻に激痛が走った。
鼻の痛みで涙が溢れてくる‥
急ぎたいのに急げない。
あたしは腰がひけた状態で、両手を前に出しゆっくりと歩みを進めた。
ゆっくりと歩みを続けていると、時々正人や騎士団の人の姿が目に入る。
近くによって触ってみるが、ただの鏡だった。
光の反射で違う場所にいる人が鏡に映っているようだ。
更に歩いていると、目の前に正人がいた。
会うのは何度目になるのか‥
しかしその全てが鏡に映る正人だった。
これもどこかの正人が反射して映ってるのだろうか?
とりあえず殴ってみる。
殴った拳には壁ではなく、人の身体を殴った感触が伝わった。
「いてっ!ちょっ!お前何すんだよ!出会っていきなり肩パンとかなくね?」
「う、うるさわね!肩パン喰らったくらいで男がグダグダ言わない!」
よかった。
触った感触も、会話のバカっぷりも正人で間違いないようだ。
「ねえ正人。他の人にも会った?」
「いんや、騎士団の人には会ってねーな。あやめに会うのが2度目って感じじゃん。てかお前会っていきなり剣で攻撃してくんのやめろよな!マジ怪我すっから!」
「え?あたし正人に会うの初めてだよ?それにあたし剣なんて持ってないし。」
「へ?マジ?嘘つくなって。何も喋らなくて、いきなり斬りつけてきたから、よっぽど虫の居所が悪かったんじゃねーって思ったけどよ。」
「いくらあたしでも、虫の居所悪かったくらいで、いきなり斬りつけたりしないわよ。」
「たま~にするじゃんか。」
うっ‥
た、たしかに否定できないかもしれない。
この出てきた壁は全部鏡なの?
鏡に自分が映っている姿を見ながらそう思う。
鏡に近づいていき、それを触ると壁に反射している自分だと確認する事ができる。
更に物すごい数の壁が迫り上がった。
正人を探そうと移動しようとすると、すぐに別の鏡にぶつかってしまった。
もしかして人が1人通れる程度の通路になっている?
両手を広げて通路の幅を測る。
やはりそうみたいだ。
まるで元の世界のミラーハウスみたいね。
異世界で、遊園地のアトラクションに入れるとは思わなかったわ。
でもこれって正人や騎士団の人達とも別れたってことね。
自分達が分断されたのを意外と冷静に判断する事が出来た。
同じ部屋の中にいるんだ。
通路を進んでいけばいずれ会えるはず。
そう思いあやめは歩を進めようとした。
すると視界の端で何かが動いたように見えた。
正人?
そう思い気になった鏡の方を見る。
あたしが映っていた。
あたしが見るように鏡に映ったあたしもこちらを見ている。
別に動いていない‥?
鏡に映った姿が勝手に動いたような気がしただけか‥
そして振り返って移動しようとした時に奇妙な物を見る。
鏡に映っていたあたしがあたしよりも遅く振り返った。
その事に驚き鏡を見る。
明らかに自分が振り返るスピードよりも鏡の中のあたしが振り返るのが遅かった!
視界の端で振り返るあたしを見つめる、あたしがいた。
そう思い、視界に入った鏡に歩み寄っていく。
すると突然‥
鏡に映るあたしが笑みを浮かべた。
あたしが浮かべないような底冷えするような笑みだった。
「だ、誰っ!?」
悲鳴に近い声を上げる。
誰と言いながらあたしだという事はわかっている。
でも自分であって自分でないものが目の前にいる。
計り知れない恐怖を感じる。
鏡に映ったあたしはあたしの問いには答えなかった。
代わりに部屋の中から別の声が聞こえる。
「う、うわぁ!な、何をされますか正人様!」
「くっ!あやめ様、気でも狂いましたか?」
何が起こってるの?
あたしや正人が騎士団の人達の場所に現れている?
ただの鏡じゃないわけ?
あたしの前に映っていたあたしはいつの間にか普通の鏡に戻っている。
もしさっきのあたしが騎士団の人達の所に行ったのなら‥拙い事になりそうね。
あたしは他の人を探すために急いで走り出た。
そして目の前の鏡に‥顔から突っ込んだ‥
鼻に激痛が走った。
鼻の痛みで涙が溢れてくる‥
急ぎたいのに急げない。
あたしは腰がひけた状態で、両手を前に出しゆっくりと歩みを進めた。
ゆっくりと歩みを続けていると、時々正人や騎士団の人の姿が目に入る。
近くによって触ってみるが、ただの鏡だった。
光の反射で違う場所にいる人が鏡に映っているようだ。
更に歩いていると、目の前に正人がいた。
会うのは何度目になるのか‥
しかしその全てが鏡に映る正人だった。
これもどこかの正人が反射して映ってるのだろうか?
とりあえず殴ってみる。
殴った拳には壁ではなく、人の身体を殴った感触が伝わった。
「いてっ!ちょっ!お前何すんだよ!出会っていきなり肩パンとかなくね?」
「う、うるさわね!肩パン喰らったくらいで男がグダグダ言わない!」
よかった。
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「いくらあたしでも、虫の居所悪かったくらいで、いきなり斬りつけたりしないわよ。」
「たま~にするじゃんか。」
うっ‥
た、たしかに否定できないかもしれない。
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