469 / 953
勇者との再会
思わぬ再会
しおりを挟む
帝国兵を夜襲する事3日。
帝国兵は見た目でもわかるくらい疲弊している。
う~ん‥
思ったよりも成果を上げているような気がする。
これってこのまま自分たちの国に帰ってくれたりしないかな?
でもあと何日かしたら神聖国だからな‥
さすがにこのまま帰ったりはしないか。
さてさて今日も今日とて木偶人形。
俺は『スペース』から木偶人形を出す。
もちろん空飛ぶ人形も。
『スペース』から出た木偶人形たちは帝国兵の元に向かう。
「うわっ!なんでこっちに出やがるんだ!」
「ひぃ!もう勘弁してくれ!」
今日は4日目。
最初の3日は四隅から順に木偶人形に襲わせた。
4日目は残った箇所から出てくると思って食糧庫も最も離れた所に保管しているだろう。
だからあえてその対角線に位置する場所から木偶人形を出してみた。
我ながら性格が悪いなと思うけど、少しでも帝国兵の足を遅くしたい。
今日も3時間程度夜襲する事になるだろう。
しかし数日行ってきたけど、神聖国との距離が縮まったしこの辺で終了するべきかな。
俺は火の手が上がる野営地を見ながら、つぎの動きをぼんやりと考えていると、スキル【察知】に反応がある。
怖くて逃げ出した人だろうか?
それにしてはまっすぐこっちに向かってくるぞ。
俺は草葉の陰に隠れる。
向かってきた人の姿が見えてくる。
どうやら女性のようだ。
女性は此方に辿り着くと、通り抜ける事なくその場を探し出した。
やはり避難者じゃないのか?
女性は人が隠れていそうな草葉を、かき分けながら探している。
ふむ。
このままだと見つかりそうだな。
俺はこっそりとその場を離れる為に移動する。
「あ~、ほらね。やっぱり隠れてたぁ!」
見つかったか‥
やっぱり誰かがいると思って探してたのか‥
厄介だな。
転移で逃げるか‥
「お前が犯人だなぁ!よーし、お前みたいな奴は、このリルちゃんが倒してやるぞー!」
は?
今あいつ何て言った?
リルちゃんが倒してやるぞ?
リル‥だと?
思わず俺は女の顔を確認する。
あちゃー。
やっぱりリル
ロンギル共和国で俺を暗殺しにきた後、洗脳を解除して国に戻ったと思ってたんだけど‥
もしかして途中で捕まってしまったのか?
そしてまた洗脳されたと。
全くどこまで鈍臭い奴だよ‥
「いっくぞー!『残念:風狼』」
リルが離れた場所から刀を振るう。
これって確か遠距離から斬撃を飛ばす技だったよな!
俺は周りの木々を薙ぎ倒しながら飛んでくる斬撃をしゃがんで躱す。
「あれ?躱された?なんで?リルの攻撃知ってたの?」
「おい!リル!俺だマルコイだ!ロンギルで会っただろう!」
「マルコイ~?そんな人しらないです!さては私を油断させようとしてますね!そんな手には乗らないですよ!」
知らないか。
それに話し方がさらに幼くなっているような気がする。
かなり強い洗脳をかけられたと思っていいだろうな。
「う~ん!なら全力で行きますよ!『精神統一』!」
リルから青白い光のような物が立ち登る。
何かやばそうな気がする。
「いっくぞー!」
リルが猛スピードで此方に突っ込んできた。
まずい!
俺は転がりながら横に避ける。
「あー!何で躱すの?でも逃がさないもんね!」
リルは再度此方に向かってくる。
こいつと接近戦はヤバい。
距離をとって戦わなくては。
そう言えば‥
俺は『スペース』から飛ぶ人形を取り出す。
こいつは怖い物が苦手だったよな。
「ひぃっ!リ、リルはそんなものには負けないんだから!」
そう言って此方に向かってくるリル。
残念だが、これはフリだぞ。
リルは上段から袈裟斬りで斬りつけてくる。
それを何とか横に転がって躱す。
すると俺が移動した事で、俺の後ろに浮かんでいた奴が、リルの視界に入る。
「ぎゃあ!」
どうだ!
新作の首だけリアル人形は!
帝国兵は見た目でもわかるくらい疲弊している。
う~ん‥
思ったよりも成果を上げているような気がする。
これってこのまま自分たちの国に帰ってくれたりしないかな?
でもあと何日かしたら神聖国だからな‥
さすがにこのまま帰ったりはしないか。
さてさて今日も今日とて木偶人形。
俺は『スペース』から木偶人形を出す。
もちろん空飛ぶ人形も。
『スペース』から出た木偶人形たちは帝国兵の元に向かう。
「うわっ!なんでこっちに出やがるんだ!」
「ひぃ!もう勘弁してくれ!」
今日は4日目。
最初の3日は四隅から順に木偶人形に襲わせた。
4日目は残った箇所から出てくると思って食糧庫も最も離れた所に保管しているだろう。
だからあえてその対角線に位置する場所から木偶人形を出してみた。
我ながら性格が悪いなと思うけど、少しでも帝国兵の足を遅くしたい。
今日も3時間程度夜襲する事になるだろう。
しかし数日行ってきたけど、神聖国との距離が縮まったしこの辺で終了するべきかな。
俺は火の手が上がる野営地を見ながら、つぎの動きをぼんやりと考えていると、スキル【察知】に反応がある。
怖くて逃げ出した人だろうか?
それにしてはまっすぐこっちに向かってくるぞ。
俺は草葉の陰に隠れる。
向かってきた人の姿が見えてくる。
どうやら女性のようだ。
女性は此方に辿り着くと、通り抜ける事なくその場を探し出した。
やはり避難者じゃないのか?
女性は人が隠れていそうな草葉を、かき分けながら探している。
ふむ。
このままだと見つかりそうだな。
俺はこっそりとその場を離れる為に移動する。
「あ~、ほらね。やっぱり隠れてたぁ!」
見つかったか‥
やっぱり誰かがいると思って探してたのか‥
厄介だな。
転移で逃げるか‥
「お前が犯人だなぁ!よーし、お前みたいな奴は、このリルちゃんが倒してやるぞー!」
は?
今あいつ何て言った?
リルちゃんが倒してやるぞ?
リル‥だと?
思わず俺は女の顔を確認する。
あちゃー。
やっぱりリル
ロンギル共和国で俺を暗殺しにきた後、洗脳を解除して国に戻ったと思ってたんだけど‥
もしかして途中で捕まってしまったのか?
そしてまた洗脳されたと。
全くどこまで鈍臭い奴だよ‥
「いっくぞー!『残念:風狼』」
リルが離れた場所から刀を振るう。
これって確か遠距離から斬撃を飛ばす技だったよな!
俺は周りの木々を薙ぎ倒しながら飛んでくる斬撃をしゃがんで躱す。
「あれ?躱された?なんで?リルの攻撃知ってたの?」
「おい!リル!俺だマルコイだ!ロンギルで会っただろう!」
「マルコイ~?そんな人しらないです!さては私を油断させようとしてますね!そんな手には乗らないですよ!」
知らないか。
それに話し方がさらに幼くなっているような気がする。
かなり強い洗脳をかけられたと思っていいだろうな。
「う~ん!なら全力で行きますよ!『精神統一』!」
リルから青白い光のような物が立ち登る。
何かやばそうな気がする。
「いっくぞー!」
リルが猛スピードで此方に突っ込んできた。
まずい!
俺は転がりながら横に避ける。
「あー!何で躱すの?でも逃がさないもんね!」
リルは再度此方に向かってくる。
こいつと接近戦はヤバい。
距離をとって戦わなくては。
そう言えば‥
俺は『スペース』から飛ぶ人形を取り出す。
こいつは怖い物が苦手だったよな。
「ひぃっ!リ、リルはそんなものには負けないんだから!」
そう言って此方に向かってくるリル。
残念だが、これはフリだぞ。
リルは上段から袈裟斬りで斬りつけてくる。
それを何とか横に転がって躱す。
すると俺が移動した事で、俺の後ろに浮かんでいた奴が、リルの視界に入る。
「ぎゃあ!」
どうだ!
新作の首だけリアル人形は!
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
スキルは見るだけ簡単入手! ~ローグの冒険譚~
夜夢
ファンタジー
剣と魔法の世界に生まれた主人公は、子供の頃から何の取り柄もない平凡な村人だった。
盗賊が村を襲うまでは…。
成長したある日、狩りに出掛けた森で不思議な子供と出会った。助けてあげると、不思議な子供からこれまた不思議な力を貰った。
不思議な力を貰った主人公は、両親と親友を救う旅に出ることにした。
王道ファンタジー物語。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる