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勇者との再会
楽しい実験
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とりあえずゴーレム0号を『スペース』に入れてセイルズの冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドのギルドマスターにゴーレムを渡しても、使う事がないかなとも思った。
しかしセイルズには冒険者がほとんどいない。
だったら仕事もないだろうし、もし討伐依頼なんて来て自分で依頼を受けなくてはいけなくなってしまったら、ある程度の実力がないと無理だろう。
だから俺がスキャンにゴーレム0号を持っていくのは、彼が危険な目に遭わないようにするためだ。
決して俺が楽しいから、彼なら使ってくれそうだからではない。
断じてない。
そう自分に言い聞かせながら歩いていたら、冒険者ギルドに着いた。
相変わらず人の気配のない建物だ。
ナイコビ商会の件が終わったのに冒険者が戻ってこないのは、その日暮らしの冒険者よりも傭兵稼業の方が安定してるからかな?
「おーい!誰かいますかー?」
声をかけてしばらく待つと、返事が返ってきた。
「はーい!いますいます!冒険者ギルドにようこそ!今日はどのような‥ってマルコイさん!」
「ようライリー。久しぶりだな。」
セイルズの冒険者ギルドの受付係のライリーが駆け寄ってきた。
今日は初めて会った時のように、ショートパンツにパーカーを着ていて、男の子のような格好だ。
ただ髪の毛はショートだが、ちゃんと櫛で梳かしている。
「久しぶりだねマルコイ。今日は何の用事?」
「スキャンはいるか?ちょっとスキャンに頼みたい事があってな。」
「わかった!奥にいるから呼んでくるね。少し待ってて。」
ライリーはスキップしながら奥に入っていった。
今日は何かいい事でもあったのかな?
「ようマルコイさん。久しぶりだな。俺に用事だって聞いたが、何の件だ?」
ライリーがセイルズの冒険者ギルドマスターであるスキャンを連れて戻ってきた。
「いや、ちょっと試したい事があってな。ライリー。スキャンを少し借りていいか?」
「どこか行くの?俺もついて行きたいんだけど?」
「そりゃ別に構わないが、ギルドの受付はいいのか?」
「マルコイさん。1日に1人誰かくればいい方だ。別にしばらく離れたとしても問題ないよ。」
スキャンよ。
それはそれで別の問題があると思うぞ‥
「そ、そんなんでよくやっていけるな?」
「冒険者ギルドのお荷物支部だけど、一応ギルド本部から運営費はもらってるしな。それにセイルズの領主からも支援金を貰ってる。ナイコビ商会の件で、俺の覚えもよかったみたいでかなり増額になったんだ。だからギルドが元のように戻るまで気長にやるつもりだ。」
な、なるほど。
まあ当人がそれでよければいいんだけど。
「わかった。それじゃあ場所を変える必要があるから、ついてきてもらっていいか?」
俺は2人を連れて街から出た。
やってきました!
俺の実験場!
あ、間違えた。
『アウローラ』の訓練場所だった。
「マルコイさん。こんな荒野で何をするんだい?」
「スキャン。俺が街を離れる時に言った事を覚えているか?」
「マルコイさんが街を出る時‥はっ!まさか魔道具を持ってきてくれたのか?」
「勘がいいねスキャン君。そうなんだよ。試作品ではあるが、ちょっとした魔道具を持ってきたから君に試してもらいたいと思ってね。」
「そうなのか!クワイスさんとエルエスさんの怪訝そうな顔を見て断りはしたけど、もの凄く気になってたんだよ。さすがにあの時マルコイさんが言ってたのは冗談だとしても、強力な魔道具なのは間違いないと思うからさ。多分俺が予想した魔道具なんかより、よっぽど凄い魔道具なんだろ?」
「ん?冗談?何の事だ?俺は冗談なんか言ってないぞ。スキャンに試してもらいたいのは、あの時言ったこの魔道具だよ。」
俺は『スペース』から5メートル以上ある搭乗型ゴーレムを取り出す。
「な!冗談じゃないだろ。」
「え‥?」
え?
冒険者ギルドのギルドマスターにゴーレムを渡しても、使う事がないかなとも思った。
しかしセイルズには冒険者がほとんどいない。
だったら仕事もないだろうし、もし討伐依頼なんて来て自分で依頼を受けなくてはいけなくなってしまったら、ある程度の実力がないと無理だろう。
だから俺がスキャンにゴーレム0号を持っていくのは、彼が危険な目に遭わないようにするためだ。
決して俺が楽しいから、彼なら使ってくれそうだからではない。
断じてない。
そう自分に言い聞かせながら歩いていたら、冒険者ギルドに着いた。
相変わらず人の気配のない建物だ。
ナイコビ商会の件が終わったのに冒険者が戻ってこないのは、その日暮らしの冒険者よりも傭兵稼業の方が安定してるからかな?
「おーい!誰かいますかー?」
声をかけてしばらく待つと、返事が返ってきた。
「はーい!いますいます!冒険者ギルドにようこそ!今日はどのような‥ってマルコイさん!」
「ようライリー。久しぶりだな。」
セイルズの冒険者ギルドの受付係のライリーが駆け寄ってきた。
今日は初めて会った時のように、ショートパンツにパーカーを着ていて、男の子のような格好だ。
ただ髪の毛はショートだが、ちゃんと櫛で梳かしている。
「久しぶりだねマルコイ。今日は何の用事?」
「スキャンはいるか?ちょっとスキャンに頼みたい事があってな。」
「わかった!奥にいるから呼んでくるね。少し待ってて。」
ライリーはスキップしながら奥に入っていった。
今日は何かいい事でもあったのかな?
「ようマルコイさん。久しぶりだな。俺に用事だって聞いたが、何の件だ?」
ライリーがセイルズの冒険者ギルドマスターであるスキャンを連れて戻ってきた。
「いや、ちょっと試したい事があってな。ライリー。スキャンを少し借りていいか?」
「どこか行くの?俺もついて行きたいんだけど?」
「そりゃ別に構わないが、ギルドの受付はいいのか?」
「マルコイさん。1日に1人誰かくればいい方だ。別にしばらく離れたとしても問題ないよ。」
スキャンよ。
それはそれで別の問題があると思うぞ‥
「そ、そんなんでよくやっていけるな?」
「冒険者ギルドのお荷物支部だけど、一応ギルド本部から運営費はもらってるしな。それにセイルズの領主からも支援金を貰ってる。ナイコビ商会の件で、俺の覚えもよかったみたいでかなり増額になったんだ。だからギルドが元のように戻るまで気長にやるつもりだ。」
な、なるほど。
まあ当人がそれでよければいいんだけど。
「わかった。それじゃあ場所を変える必要があるから、ついてきてもらっていいか?」
俺は2人を連れて街から出た。
やってきました!
俺の実験場!
あ、間違えた。
『アウローラ』の訓練場所だった。
「マルコイさん。こんな荒野で何をするんだい?」
「スキャン。俺が街を離れる時に言った事を覚えているか?」
「マルコイさんが街を出る時‥はっ!まさか魔道具を持ってきてくれたのか?」
「勘がいいねスキャン君。そうなんだよ。試作品ではあるが、ちょっとした魔道具を持ってきたから君に試してもらいたいと思ってね。」
「そうなのか!クワイスさんとエルエスさんの怪訝そうな顔を見て断りはしたけど、もの凄く気になってたんだよ。さすがにあの時マルコイさんが言ってたのは冗談だとしても、強力な魔道具なのは間違いないと思うからさ。多分俺が予想した魔道具なんかより、よっぽど凄い魔道具なんだろ?」
「ん?冗談?何の事だ?俺は冗談なんか言ってないぞ。スキャンに試してもらいたいのは、あの時言ったこの魔道具だよ。」
俺は『スペース』から5メートル以上ある搭乗型ゴーレムを取り出す。
「な!冗談じゃないだろ。」
「え‥?」
え?
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