405 / 953
勇者との再会
目立ってましたか?
しおりを挟む
ちょうど頭に当たって意識を失い、海に沈んだのがよかったんだろう。
もし意識があったら多分身体ごと吹っ飛んでいたと思う。
よかった。
本当によかった。
これで全て吹っ飛ばしていたらミミウが泣きそうだ。
いや多分泣く。
クラーケンが出るのをあんなに楽しみにしていたんだ。
俺の攻撃のせいでオクトパスが食べれなくなったとしたら、どんな反応をするか想像したくない。
食べ物の恨みは怖いのだ。
俺はオクトパスを『スペース』に入れて、すぐに甲板に戻る。
「ミミウ。実はタコは頭は食べれないんだ。でもさっき倒したオクトパスは頭は少しなくなっていたけど、ちゃんと食べれる足は全部残ってたぞ。」
今日から料理用で買うタコは全て頭は食べられなくなりました‥
「わーい!やったですぅ!タコさん料理が食べられますぅ!」
おう‥
今回は俺が全面的に悪いからね。
たくさん作らさせていただきます。
「あ、あれ?オクトパスはどこに行った?」
甲板の人が騒ぎ出している。
そして1人のおじさんが俺を指指して何か言っている。
「あ、あんた今海の上を走ってなかったか?」
ちっ、さっき海の神様がって言ってたおじさんか‥
「はい?俺はずっとここにいたけど?おじさん疲れてるんじゃないか?それとも海の神様でも見たんじゃない?」
必殺すっとぼけてみる。
「そ、そうか‥疲れてるのかな。確かに君とそっくりな人が海の上を走ってたように見えたんだけど‥」
「よっぽど疲れてるんだろ。人が海の上を走れるわけないからな。いい疲労回復のポーションを持ってるぞ。安く譲ろうか?」
「い、いや、大丈夫だ。ありがとう。」
「あっ!すみません。もしかして貴方はマルコイさん!また会えるなんて光栄です!もしかしてさっきのオクトパスは貴方が!?」
商人の格好をしたやつが俺の名前を呼びながら、此方に向かってきた。
確かロンギル共和国に向かう時の船であった商人だ。
確か名前はオマールだったか?
「そうか!マルコイさんがいたなら納得です。すみませんオクトパスが出るなんて、なんてついてないんだと思いましたが、マルコイさんが乗っていたならついてました。あのクラーケンをたおし‥」
『スクレイプ』
俺は駆け寄ってきたオマールの背後にある小さな樽とオマールの間に『スクレイプ』を使用する。
するとオマールは後ろに引っ張られ、飛んできた樽が頭に直撃する。
危ない危ない。
船上は逃げ場がないからな。
悪目立ちすると、行きの船のように自分の娘をすすめてくるような輩が現れないとは限らない。
悪いがオマールには黙っていてもらおう。
「いててて‥なんでいきなり樽が飛んで来たんだ?」
オマールは甲板に転がってる樽を拾いながら呟く。
俺はオマールの両肩をがっしりと掴む。
「さあ。風でも吹いたんじゃないかな?まあそれはいいとして‥オマールさん。少し話があるからちょっと隅の方にいいかな?」
俺からのただならぬ重圧を感じ取ったのかコクコクと頷くオマールさん。
別にそんな脅したりするつもりはないんだよ。
ちょっとお話がしたかっただけなんだよ。
「オマールさん。俺この間クラーケンを倒した時に目立ってたじゃないですか?」
「はい。すみませんが物凄く目立ってました。まるで昔話に出てくる英雄のようでした!」
「はいありがとうございます。しかしですね‥そのおかげでその後の船旅で沢山の人に絡まれまして‥とある人は自分の娘まで差し出そうとする始末。せっかくの船旅なので帰りの船はゆっくりと過ごしたいんですよ。わかってくれます?」
何も発さずにコクコクと頷くオマールさん。
よかった。
俺の誠意が通じたようだ。
「よかった。それじゃあクラーケンの件は内密にお願いします。」
「わ、わかりました‥それじゃあオクトパス倒したのは‥?」
「そうですね‥俺です。これも内緒にしてくださいよ。」
「やっぱり!そうだとは思ったんですけど、さすがクラーケンにつづい‥」
俺は慌てて口を塞ぐ。
こいつ‥
羽根人形つけてロンギル共和国に送り返してやろうか‥
もし意識があったら多分身体ごと吹っ飛んでいたと思う。
よかった。
本当によかった。
これで全て吹っ飛ばしていたらミミウが泣きそうだ。
いや多分泣く。
クラーケンが出るのをあんなに楽しみにしていたんだ。
俺の攻撃のせいでオクトパスが食べれなくなったとしたら、どんな反応をするか想像したくない。
食べ物の恨みは怖いのだ。
俺はオクトパスを『スペース』に入れて、すぐに甲板に戻る。
「ミミウ。実はタコは頭は食べれないんだ。でもさっき倒したオクトパスは頭は少しなくなっていたけど、ちゃんと食べれる足は全部残ってたぞ。」
今日から料理用で買うタコは全て頭は食べられなくなりました‥
「わーい!やったですぅ!タコさん料理が食べられますぅ!」
おう‥
今回は俺が全面的に悪いからね。
たくさん作らさせていただきます。
「あ、あれ?オクトパスはどこに行った?」
甲板の人が騒ぎ出している。
そして1人のおじさんが俺を指指して何か言っている。
「あ、あんた今海の上を走ってなかったか?」
ちっ、さっき海の神様がって言ってたおじさんか‥
「はい?俺はずっとここにいたけど?おじさん疲れてるんじゃないか?それとも海の神様でも見たんじゃない?」
必殺すっとぼけてみる。
「そ、そうか‥疲れてるのかな。確かに君とそっくりな人が海の上を走ってたように見えたんだけど‥」
「よっぽど疲れてるんだろ。人が海の上を走れるわけないからな。いい疲労回復のポーションを持ってるぞ。安く譲ろうか?」
「い、いや、大丈夫だ。ありがとう。」
「あっ!すみません。もしかして貴方はマルコイさん!また会えるなんて光栄です!もしかしてさっきのオクトパスは貴方が!?」
商人の格好をしたやつが俺の名前を呼びながら、此方に向かってきた。
確かロンギル共和国に向かう時の船であった商人だ。
確か名前はオマールだったか?
「そうか!マルコイさんがいたなら納得です。すみませんオクトパスが出るなんて、なんてついてないんだと思いましたが、マルコイさんが乗っていたならついてました。あのクラーケンをたおし‥」
『スクレイプ』
俺は駆け寄ってきたオマールの背後にある小さな樽とオマールの間に『スクレイプ』を使用する。
するとオマールは後ろに引っ張られ、飛んできた樽が頭に直撃する。
危ない危ない。
船上は逃げ場がないからな。
悪目立ちすると、行きの船のように自分の娘をすすめてくるような輩が現れないとは限らない。
悪いがオマールには黙っていてもらおう。
「いててて‥なんでいきなり樽が飛んで来たんだ?」
オマールは甲板に転がってる樽を拾いながら呟く。
俺はオマールの両肩をがっしりと掴む。
「さあ。風でも吹いたんじゃないかな?まあそれはいいとして‥オマールさん。少し話があるからちょっと隅の方にいいかな?」
俺からのただならぬ重圧を感じ取ったのかコクコクと頷くオマールさん。
別にそんな脅したりするつもりはないんだよ。
ちょっとお話がしたかっただけなんだよ。
「オマールさん。俺この間クラーケンを倒した時に目立ってたじゃないですか?」
「はい。すみませんが物凄く目立ってました。まるで昔話に出てくる英雄のようでした!」
「はいありがとうございます。しかしですね‥そのおかげでその後の船旅で沢山の人に絡まれまして‥とある人は自分の娘まで差し出そうとする始末。せっかくの船旅なので帰りの船はゆっくりと過ごしたいんですよ。わかってくれます?」
何も発さずにコクコクと頷くオマールさん。
よかった。
俺の誠意が通じたようだ。
「よかった。それじゃあクラーケンの件は内密にお願いします。」
「わ、わかりました‥それじゃあオクトパス倒したのは‥?」
「そうですね‥俺です。これも内緒にしてくださいよ。」
「やっぱり!そうだとは思ったんですけど、さすがクラーケンにつづい‥」
俺は慌てて口を塞ぐ。
こいつ‥
羽根人形つけてロンギル共和国に送り返してやろうか‥
10
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界で作ろう!夢の快適空間in亜空間ワールド
風と空
ファンタジー
並行して存在する異世界と地球が衝突した!創造神の計らいで一瞬の揺らぎで収まった筈なのに、運悪く巻き込まれた男が一人存在した。
「俺何でここに……?」「え?身体小さくなってるし、なんだコレ……?[亜空間ワールド]って……?」
身体が若返った男が異世界を冒険しつつ、亜空間ワールドを育てるほのぼのストーリー。時折戦闘描写あり。亜空間ホテルに続き、亜空間シリーズとして書かせて頂いています。採取や冒険、旅行に成長物がお好きな方は是非お寄りになってみてください。
毎日更新(予定)の為、感想欄の返信はかなり遅いか無いかもしれない事をご了承下さい。
また更新時間は不定期です。
カクヨム、小説家になろうにも同時更新中
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる