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対『カッカス』

タルタルの伝道師

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いや何だよタルタルの伝道師って。

「メンセン。タルタルの伝道師っていったいなんなんだ?」

「お前知らないのか?タルタルをセイルズに、そしてロンギル共和国に広めた人だよ。俺も初めて食った時こんなにに美味い調味料があるんだと感動したもんだ。やったぜ!今日は最高のタルタル料理が堪能できるじゃねーか!『カッカス』との戦いにも決着がついて、タルタル料理も食べれるなんて何てついてる日なんだ!」

おおう。
タルタルが一人歩きしてるよ。
タルタルに足が生えて勝手に一人で遠くまで歩いて行っちゃってるよ‥

「しかしフーラさんがホット商会の料理で本当によかった!そういえば店にホット商会って書いてあった気がするわ!あと何かよくわからないナントカ神も認めたとか書いてあったな。まあそんな事はどうでもいいか。」

がははと大きな声で笑うメンセン。

ナントカ神って‥

ほらあんな事書くから全然関係ないところでダメージもらってるやん。
とばっちりもらってるやん‥

「なんて事言うんですかっ!」

うおっ!
突然フーラさんが大きな声を上げた。
普段温厚な感じな人が大きな声を出すと普通以上にびっくりする‥

「マルコイ神様から伝授され、それをお認めになったから私如きがタルタルソースを作る事を許されたんですよっ!今この国に、やがて世界に広がるであろうタルタルはマルコイ神様が作り上げた物なのです!それをナントカ神ですって!貴方にはマルコイ神様のタルタルを食べる権利はありませんっ!」

「えっ?」

俺の顔とフーラさんを交互にみるメンセン。

あちゃ。
メンセン‥
多分地雷踏んだぞ。

「マルコイさん~‥ち、ちょっと助けてもらえませんか?」

「いや、俺には無理だ‥」

「そ、そんなぁ‥」

がっくりと肩を落とすメンセン。

すまないな。
あまりこれ以上ややこしくしたくないのだ。

恵たちに見られたら大笑いされそうだ。

とりあえずこの国を出るときはフーラさんの店にある張り紙は必ず剥がさせようと再度心に誓った。




『アウローラ』の中に入るとクワイスが待っていた。

「マルコイさん出迎え出来ずにすまん。急にお客が来たもんで。」

「そうなのか?お客さんはよかったのか?」

「ああ。話はついた。他の傭兵団の副団長で『カッカス』を倒すのに共闘するように協議してた傭兵団なんだ。『アウローラ』だけでは難しかったからな。でもマルコイさんたちのおかげで『カッカス』を倒すことができた。それを報告したら話を聞きたいってな。」

なるほど。
確かに俺たちが来なかったら『アウローラ』だけでは厳しかったろうしな。

「それでその傭兵団は『ガルベスト』って傭兵団でそこの副団長がマルコイさんに挨拶したいって言ってるんだがいいか?」

「別に構わないよ。でも俺たちは近いうちに獣人国に帰るつもりだからあんまり意味はないと思うぞ。今後『アウローラ』とは人体実‥ゲフンゲフン。装備品の提供で付き合いはしていくつもりだけど、他の傭兵団とはあまり関係持てないと思うぞ。」

「うん。今物凄く不穏な言葉を言いかけた気がする‥まあそれは置いといて、マルコイさん達が帰るのは俺が伝えたんだ。でもそれは構わないらしい。どうやらマルコイさんの事を知ってるような素振りだったけど。」

ん?
俺はロンギル共和国に知り合いなんていなかったけど‥

クワイスが1人の男性を連れてきた。

「どうもご無沙汰してます。マルコイさんの兄をさせてもらってましたエルエスと言います。今は傭兵団『ガルベスト』の副団長をしています。以後よろしく。」

‥‥‥‥俺の2番目の兄貴じゃん。
そう言えば確かギバスさんがエルエス兄さんが傭兵として出稼ぎでロンギル共和国に行ったとか言ってたな。

「いや、エルエス兄さん何やってんの?出稼ぎに出たって聞いたんだけど。」

しかし出稼ぎに来て副団長って何してんの?

「いや、思いの外傭兵家業が合っていてな。気がついたら副団長になってた。」

やばい、俺の家族は意外と脳味噌筋肉だったのか‥

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