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対『カッカス』
対『カッカス』⑥
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あまりの身体の痛みで頭の中が沸騰しそうになった。
この地に産まれて何年‥いや何十年たったか覚えていない。
しかしその間にこれほどの痛みを受けた事はなかった。
自分の目の前には矮小な生き物がいる。
時々見かける我を見ると慌てて逃げていく生き物だ。
もしやこの小さな物が我を傷つけたのか?
怒りを覚えて2匹いる小さき物を噛み砕いてやろうと顎門をいっぱいに開き咥え込もうとした。
すると一匹が持つ板のような物で阻まれた。
いや阻まれたどころかよろめいてしまった。
そんな事が許されていいわけがない。
我の前では全てのものが逃げ惑わなくてはいけない。
怒りに震え、自分の攻撃を邪魔した生き物を見る。
すると、その小さき物は何故か自分の身体を隅々まで見るような視線を向けてきていた。
何故だ?
何故か小さき物の視線を受けると身体が震える。
小さき物は水を流しているように見える。
あれは口か?
我と比べる事すら烏滸がましい程の小さな口だ。
自分のように全て物のを噛み砕くような牙もない。
しかし何故その小さな口から止めどない程の水を垂らしているのだ?
そして何故その水を見ていると我の身体が震えるのだ‥?
もしや我を食べようと言うのか!?
小さき物がふざけた事を!
しかし‥
しかし‥何故‥
何故何故何故何故‥
何故小さき物がこれほどまでに大きく見えるのだ!
これが‥
我を見て逃げ惑っていたもの達と同じ感情なのか‥
そして地竜は恐怖を振り払うようにミミウに襲いかかった‥
「んー!地竜さんは本当に美味しそうですぅ!」
ミミウは相対する地竜に対して構えをとりながらそんな事を言っている。
(マルコイさんなら、この大きさのお肉も持って帰れるですかね?後で聞いてみるですぅ!トカゲさんのお肉は鳥さんと同じくらい美味しいって聞きました。これだけ大きかったらマルコイさんがたくさん料理してくれるはずですぅ!楽しみですぅ!)
ミミウは食材を前にして興奮していた。
最強のモンスターの一角であるドラゴンを前にして食材と言えるのは彼女くらいのものであるが‥
何かミミウがよからぬ事を考えている気がする‥
アキーエが多頭竜に向かい駆け出しているのを見ていたが、そんな予感がしてマルコイはミミウの方に目を向ける。
「よーし!ノームさん!お手伝いをお願いします!『召喚鎧装:ノーム』!」
ミミウが召喚魔法を使うとノームが3匹現れた。
今ミミウはノームを宿した盾と槍を装備している。
その上で3匹ものノームを召喚した。
スキル【精霊重士】のレベルが上がってからノームを召喚できる数が増えているのは分かっていたが、3匹も召喚してどうするつもりだ?
召喚されたノームはミミウの身体にくっついていく。
なるほど今回のノームは鎧になるんだな。
精霊の力を借りた鎧か‥
リュストゥングの防御重視の鎧のような感じになるのだろうか?
楽しみにしていると、段々とノームたちの力で鎧が形作られていく。
段々と‥
鎧が‥
鎧?
ミミウの姿は異形な物に変わっていった。
背中から4本の腕?が生えてきた。
足には丸い樽のような物が8個も付いている。
あれ?
そしてミミウの身体?は大きくなっていき、最後には俺が見上げる程の大きさになった。
こ、これは‥
まるで異世界のロボットだな‥
駆動型多腕マシンとでも言えばいいだろうか‥
正確には土で出来ているので機械ではないのたが‥
ミミウはその真ん中に入り込むような形で乗り込んでいる。
「行っきますぅ!」
そういうとミミウの足下の樽のような丸い物がもの凄い勢いで回り出した。
その場でしばらく空回りしたかと思うと、飛び出すように前に進んで行った。
ミミウが強くなる事はいい事だが、だいぶ予想の斜め上を行ってるなぁ‥
この地に産まれて何年‥いや何十年たったか覚えていない。
しかしその間にこれほどの痛みを受けた事はなかった。
自分の目の前には矮小な生き物がいる。
時々見かける我を見ると慌てて逃げていく生き物だ。
もしやこの小さな物が我を傷つけたのか?
怒りを覚えて2匹いる小さき物を噛み砕いてやろうと顎門をいっぱいに開き咥え込もうとした。
すると一匹が持つ板のような物で阻まれた。
いや阻まれたどころかよろめいてしまった。
そんな事が許されていいわけがない。
我の前では全てのものが逃げ惑わなくてはいけない。
怒りに震え、自分の攻撃を邪魔した生き物を見る。
すると、その小さき物は何故か自分の身体を隅々まで見るような視線を向けてきていた。
何故だ?
何故か小さき物の視線を受けると身体が震える。
小さき物は水を流しているように見える。
あれは口か?
我と比べる事すら烏滸がましい程の小さな口だ。
自分のように全て物のを噛み砕くような牙もない。
しかし何故その小さな口から止めどない程の水を垂らしているのだ?
そして何故その水を見ていると我の身体が震えるのだ‥?
もしや我を食べようと言うのか!?
小さき物がふざけた事を!
しかし‥
しかし‥何故‥
何故何故何故何故‥
何故小さき物がこれほどまでに大きく見えるのだ!
これが‥
我を見て逃げ惑っていたもの達と同じ感情なのか‥
そして地竜は恐怖を振り払うようにミミウに襲いかかった‥
「んー!地竜さんは本当に美味しそうですぅ!」
ミミウは相対する地竜に対して構えをとりながらそんな事を言っている。
(マルコイさんなら、この大きさのお肉も持って帰れるですかね?後で聞いてみるですぅ!トカゲさんのお肉は鳥さんと同じくらい美味しいって聞きました。これだけ大きかったらマルコイさんがたくさん料理してくれるはずですぅ!楽しみですぅ!)
ミミウは食材を前にして興奮していた。
最強のモンスターの一角であるドラゴンを前にして食材と言えるのは彼女くらいのものであるが‥
何かミミウがよからぬ事を考えている気がする‥
アキーエが多頭竜に向かい駆け出しているのを見ていたが、そんな予感がしてマルコイはミミウの方に目を向ける。
「よーし!ノームさん!お手伝いをお願いします!『召喚鎧装:ノーム』!」
ミミウが召喚魔法を使うとノームが3匹現れた。
今ミミウはノームを宿した盾と槍を装備している。
その上で3匹ものノームを召喚した。
スキル【精霊重士】のレベルが上がってからノームを召喚できる数が増えているのは分かっていたが、3匹も召喚してどうするつもりだ?
召喚されたノームはミミウの身体にくっついていく。
なるほど今回のノームは鎧になるんだな。
精霊の力を借りた鎧か‥
リュストゥングの防御重視の鎧のような感じになるのだろうか?
楽しみにしていると、段々とノームたちの力で鎧が形作られていく。
段々と‥
鎧が‥
鎧?
ミミウの姿は異形な物に変わっていった。
背中から4本の腕?が生えてきた。
足には丸い樽のような物が8個も付いている。
あれ?
そしてミミウの身体?は大きくなっていき、最後には俺が見上げる程の大きさになった。
こ、これは‥
まるで異世界のロボットだな‥
駆動型多腕マシンとでも言えばいいだろうか‥
正確には土で出来ているので機械ではないのたが‥
ミミウはその真ん中に入り込むような形で乗り込んでいる。
「行っきますぅ!」
そういうとミミウの足下の樽のような丸い物がもの凄い勢いで回り出した。
その場でしばらく空回りしたかと思うと、飛び出すように前に進んで行った。
ミミウが強くなる事はいい事だが、だいぶ予想の斜め上を行ってるなぁ‥
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