スキルを模倣して最強無敵!異世界勇者?魔王?どっからでもかかってこいやぁ!

オギコン

文字の大きさ
上 下
353 / 953
対『カッカス』

一夜明けて

しおりを挟む
リルは夜明け前に家を出ることになった。

アキーエは最後まで心配そうだったけど、リルが大丈夫と言うからしぶしぶ諦めていた。

「アキーエ。ありがとう。こんなで形じゃなかったら友達になれたかもね。もう会えないとは思うけど、もしかしたら魔王が倒されて平和になったら‥」

「うん。その時はまた会えるかもね。」

アキーエとリルはお互い手を出して握っている。

「魔王が倒されれば洗脳も完全に解けるだろ。それでも残ってるならまた手を貸すぞ。」

するとリルは凄い勢いで此方を振り向き威嚇してきた。

「シャァーッ!あばばばは嫌!お前にされた事は一生忘れないからな!」

あれ?
洗脳されていたの少しでも解いたのは俺のはずなんだけど‥
げせぬ。

「でも魔王が倒されたら大丈夫かどうかわからないわ‥だって多分私を洗脳したのは魔王じゃないもの。記憶は戻ってないけど、それだけはわかるわ。」

「ん?それはどういう事だ?魔王の配下の誰かって事か?」

「ん~‥多分違うかな。魔王とは全く別の人達と思う。」

もしかしてガルヘアが言っていた『あのお方』ってやつか?

「そいつはどんなやつだった?」

「よく覚えていないけど、私が洗脳された時に私以外にも何人かいた気がする。私みたいに洗脳されて苦しんでる人もいれば逆に喜んでその人に感謝している人もいたわ。」

喜んでる‥?
洗脳以外にも何か‥


『お前も‥分け与える事ができるのか?』


不意にガルヘアの言葉が頭をよぎる。


分け与えているのか?
何を?
スキルを‥?

やはり『あのお方』とやらは俺と同じかはわからないがスキルを他人に与える事ができるんじゃないのか?
しかし渡すスキルはどこから得る?
スキルを作り出すなんて事ができるとしたら、それはもう神の所業だ。

どこからかスキルを得る方法があるのだろう。
それが俺の【模倣】と同じなのかはわからないが‥

「そうか。教えてくれてありがとう。辛い記憶だろうに。」

「いや構わないよ。私を助けてくれたんだ。こんな話をするだけで礼になるとは思えないけどね。本当はもっと色んな事を知ってるのかもしれないけど、覚えてるのはこれだけなんだ‥ごめんね。」

「ふふん。随分と殊勝だな。光属性のせいでおかしくなったか?あれだったらもう一回くらい喰らっとくか?」

「フシャーッ!」

猫か。

「それじゃあここらで帰ることにするよ。みんな私が言うのも何だけど魔族には気をつけてね。特に魔王の傘下じゃない魔族の方が危ないと思うから。」

「忠告ありがとう。リルも気をつけてな。洗脳されてないってバレたら危険だからな。少しバカっぽい感じでいけば大丈夫と思うぞ。あと変な家に入るなよ。何が出るかわからないからな。」

「誰がバカだ!それにこんな恐ろしいものが出てくる家が他にあるかっ!まったく‥それじゃ。」

「うん。またね。」

アキーエがそう言うとリルは笑って去っていった。




魔族襲撃から一夜が明けた。

サントバルたちは今頃枕を高くして寝ている事だろう。
暗殺の成功を信じてるだろうからな。

残念だけど、その枕引っこ抜かせてもらうぞ。

俺はリルが去った後、夜が明ける前にナーメルの街に羽根人形を使って飛んでいった。

そして空から『カッカス』の拠点に魔族が来ていたフードを落とした。

俺たちに襲撃をかけた自慢の暗殺者がどうなったのか、早急に知らせてやりたかったからな。

後でスキャンに『カッカス』の様子を聞いたら、ものすごい怒声が響き渡っていたそうだ。
ナーメルの街の英雄さんたちが集う傭兵団にあるまじき行為だな。

そのあとしばらくは『カッカス』を見張っている人からの情報はなかった。
しかし着実にホット商会の売り上げは上がっていき、キリーエが言うには最初の投資をほぼ取り戻しつつあるとの事だった。

それに伴い、ナーメルからセイルズや他の街に移住する人が増えておりナーメルの街は過疎化していった。


そしてそんな時に『アウローラ』から連絡が入った。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

スキルは見るだけ簡単入手! ~ローグの冒険譚~

夜夢
ファンタジー
剣と魔法の世界に生まれた主人公は、子供の頃から何の取り柄もない平凡な村人だった。 盗賊が村を襲うまでは…。 成長したある日、狩りに出掛けた森で不思議な子供と出会った。助けてあげると、不思議な子供からこれまた不思議な力を貰った。 不思議な力を貰った主人公は、両親と親友を救う旅に出ることにした。 王道ファンタジー物語。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

処理中です...