317 / 953
港町セイルズ
ポッサムとの話し合い
しおりを挟む
「それでは土地の確認を行った後に再度訪問させてもらいます。」
「わかりました。ご訪問お待ちしていますよ。」
俺たちはその場で握手を交わす。
「ところでそちらの2人の麗しい女性はマルコイ殿のお仲間ですか?」
キリーエは綺麗だと思うが、ミミウは可愛いだと思うが‥
ほら、今も難しい話してたから涎垂らして寝てるし‥
「そうですね。此方はキリーエ。ホット商会の副会長をしてもらってます。実質彼女がホット商会を運営していると思ってもらって結構です。そして彼女はミミウ。私の冒険者仲間になります。」
「ほう!確かに手紙に書いてありましたが、本当にマルコイ殿は冒険者なのですね。なんでも獣人国の闘技会で優勝されたとか。私は誰が強いなんて事にはあまり興味はなかったんですが、そんな私でもそれがどれだけ凄い事かはわかります。」
ポッサムさんはそこまで一気に言うと此方を覗き込むような視線を向けてきた。
「ところでマルコイさんはなぜロンギル共和国まで来られたんでしょうか?うちとしてはセイルズで新しい商いをしてもらえば収益もあがりますから大変助かるのですが、それだけのために来られたわけではないですよね?」
そりゃやっぱり気になるよな。
できればあまり此方の人に話すつもりなかったんだけど‥
「そうですね。それだけが目的ではないですね。はっきり言ってしまうとご迷惑をかけてしまうかもしれません。下手するとポッサムさんにもご迷惑をかけてしまうかもしれませんから。」
「そうですか‥‥ならここからは私の独り言です。ナイコビ商会はこの国の商会を統一しようとしているようです。そうなってしまうと色々と問題がある。できればどこかの商会がそれを防いでくれると国としても非常に助かります。ですが、国民人気の高い傭兵団を抱えている商会なので、なかなか手が出しにくいところではありますね。なので国としては多少対抗される商会の方が無茶をしたとしても見て見ぬふりをしようと思いますね。まぁそんな商会がいてくれたらの話ですけどね。」
ポッサムさんは此方を見ながら笑顔でそう言った。
う~ん。
国としてもナイコビ商会は目障りのようだな。
これなら多少無理矢理に揉めたとしても問題ないかもな。
しかしあくまでポッサムさんの考えだ。
向こうに味方した方がいいと判断されたら、すぐに手のひらを返されるかもしれない。
あまり信頼するのもいけないようだ。
でも現時点ではこちらの味方と思っておいていいだらう。
「なるほどわかりました。ありがとうございます。」
「いえいえ、あくまで私の独り言ですから。」
俺は頭を下げてポッサムさんの部屋を退室する。
受付の人にも挨拶して領主館を後にした。
「さっきのポッサムさんだけど、さすがに国の中核を担う人やね。一癖も二癖もありそうだった。」
「そうだな。此方を敵に回したくないと思わせたらいいのかもしれないけど、それまではポッサムさんも全面的に信頼するわけにはいかないな。でもとりあえず土地の件は承諾もらったんだ。あとはその環境を作ればいい。」
俺はキリーエと共に人の雇用や確保する土地について話をした。
雇用する人については『アウローラ』とも話をする必要があるが、この間の作戦で亡くなった傭兵の家族に最初に話をする予定だ。
収入がなくなってしまった人に安心して給金をもらえる仕事を提供すればこちらの事を裏切ったりはしないだろう。
情に訴える事にはなるけど、普通に全く接点のない人を雇うよりは数倍いいだろう。
それに‥
俺がもう少し早く戦場に着いていれば助かった命があったかもしれないと思うと何かしたくなってしまったってのが本音だけれども。
案の定クワイスにその話をしたら、すぐにでも遺族と話をすると言ってくれた。
よし少しずつだが、形になってきたな。
待ってろよナイコビ商会。
すぐそばにいる俺たちに手出ししたくなる環境を作ってやるぞ。
「わかりました。ご訪問お待ちしていますよ。」
俺たちはその場で握手を交わす。
「ところでそちらの2人の麗しい女性はマルコイ殿のお仲間ですか?」
キリーエは綺麗だと思うが、ミミウは可愛いだと思うが‥
ほら、今も難しい話してたから涎垂らして寝てるし‥
「そうですね。此方はキリーエ。ホット商会の副会長をしてもらってます。実質彼女がホット商会を運営していると思ってもらって結構です。そして彼女はミミウ。私の冒険者仲間になります。」
「ほう!確かに手紙に書いてありましたが、本当にマルコイ殿は冒険者なのですね。なんでも獣人国の闘技会で優勝されたとか。私は誰が強いなんて事にはあまり興味はなかったんですが、そんな私でもそれがどれだけ凄い事かはわかります。」
ポッサムさんはそこまで一気に言うと此方を覗き込むような視線を向けてきた。
「ところでマルコイさんはなぜロンギル共和国まで来られたんでしょうか?うちとしてはセイルズで新しい商いをしてもらえば収益もあがりますから大変助かるのですが、それだけのために来られたわけではないですよね?」
そりゃやっぱり気になるよな。
できればあまり此方の人に話すつもりなかったんだけど‥
「そうですね。それだけが目的ではないですね。はっきり言ってしまうとご迷惑をかけてしまうかもしれません。下手するとポッサムさんにもご迷惑をかけてしまうかもしれませんから。」
「そうですか‥‥ならここからは私の独り言です。ナイコビ商会はこの国の商会を統一しようとしているようです。そうなってしまうと色々と問題がある。できればどこかの商会がそれを防いでくれると国としても非常に助かります。ですが、国民人気の高い傭兵団を抱えている商会なので、なかなか手が出しにくいところではありますね。なので国としては多少対抗される商会の方が無茶をしたとしても見て見ぬふりをしようと思いますね。まぁそんな商会がいてくれたらの話ですけどね。」
ポッサムさんは此方を見ながら笑顔でそう言った。
う~ん。
国としてもナイコビ商会は目障りのようだな。
これなら多少無理矢理に揉めたとしても問題ないかもな。
しかしあくまでポッサムさんの考えだ。
向こうに味方した方がいいと判断されたら、すぐに手のひらを返されるかもしれない。
あまり信頼するのもいけないようだ。
でも現時点ではこちらの味方と思っておいていいだらう。
「なるほどわかりました。ありがとうございます。」
「いえいえ、あくまで私の独り言ですから。」
俺は頭を下げてポッサムさんの部屋を退室する。
受付の人にも挨拶して領主館を後にした。
「さっきのポッサムさんだけど、さすがに国の中核を担う人やね。一癖も二癖もありそうだった。」
「そうだな。此方を敵に回したくないと思わせたらいいのかもしれないけど、それまではポッサムさんも全面的に信頼するわけにはいかないな。でもとりあえず土地の件は承諾もらったんだ。あとはその環境を作ればいい。」
俺はキリーエと共に人の雇用や確保する土地について話をした。
雇用する人については『アウローラ』とも話をする必要があるが、この間の作戦で亡くなった傭兵の家族に最初に話をする予定だ。
収入がなくなってしまった人に安心して給金をもらえる仕事を提供すればこちらの事を裏切ったりはしないだろう。
情に訴える事にはなるけど、普通に全く接点のない人を雇うよりは数倍いいだろう。
それに‥
俺がもう少し早く戦場に着いていれば助かった命があったかもしれないと思うと何かしたくなってしまったってのが本音だけれども。
案の定クワイスにその話をしたら、すぐにでも遺族と話をすると言ってくれた。
よし少しずつだが、形になってきたな。
待ってろよナイコビ商会。
すぐそばにいる俺たちに手出ししたくなる環境を作ってやるぞ。
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる