上 下
273 / 953
ロンギル共和国へ

アキーエの実家

しおりを挟む
しかしこの魔法は他の使い道があまりないようだ。
できれば突進してきた相手の前に壁でも作りたいものだが、空間の固定は一瞬しかできない‥
流石に空間を固定するなんてとんでもない事を長く続けるには途方もない魔力が必要になるようだ。
でもその一瞬でも使えるかもしれないので訓練あるのみだな。

他には『スペース』
これは勇者たちの知っている収納魔法みたいなものだな。
レベルで広さなどが変わるのだろうが魔法でスペースの出入り口を開け閉めする感じだな。

倉庫みたいなもので勇者たちの知識にある時間が止まったりとかはないようだ。

しかし自分たちも入る事ができるので緊急避難や、物を置いたりする事はできそうだ。

あれ?
ここに寝泊まりできる小屋を作ったら野宿しないで済むんじゃない?

他にもいろいろありそうだが、まだレベル1だからな今後のレベルアップが楽しみだ。

俺がニマニマしているとアルソンが声をかけてくる。

「マルコイ‥精神的な病気にはポーションは効かないそうだ。あんまり無理するなよ。」

「お、おう。ありがとう大丈夫だよ。」

キリーエとアルソンが今後の事を少し話した後、アキーエとミミウの実家に寄った後に冒険者ギルドに行く事にした。

アキーエの家は宿をしており昔は5人程度止まる宿だったが、今は増築してあり20人は泊まれるくらいになっているようだ。

「お母さん。」

「あら?アキーエじゃない?どうしたのマルコイちゃんに振られて戻ってきたの?」

「ちょ、ちょっとお母さん何言ってるのよ!マルコイも一緒に近くを通ったから寄っただけよ!変な事言わないで!」

「ふ~ん。あらマルコイちゃんお久しぶりね。マルコイちゃん他の国の大会か何かで有名になったんだって?なんだかマルコイちゃんのお陰で村が活気づいてきたよ。村に来る人も多くなって宿も大きくさせてもらったよ。ありがとうね。こんな不束な娘だけどこれからも仲良くしてやってね。もうマルコイちゃんさえよかったら嫁にもらってくれてもいいからね。」

「もうお母さんったら!」

「何がもう!よ。マルコイちゃんなら玉の輿じゃないのよ。あんたったら昔から奥手なんだから。」

はい。
是非いただきたいと思っております!

俺はできるだけいい笑顔で答える。

「ありがとうございます。できるだけ早めにいただきたいと思ってます。」

「もう!マルコイまで!しらないっ!」

そう言ってアキーエは俺の肩を叩いて走っていった。

俺は叩かれた勢いでその場で3回転くらい回って地に沈む。

「マルコイちゃん‥もらってやってね‥多分マルコイちゃんじゃないと耐えれないと思うから‥」

「うっ‥は、はい。」

俺は立ち上がりフラつく足でアキーエの行った方に進んで行った。


「ただいまですぅ!」

次はミミウの家に寄る事にした。
ミミウの家は村で唯一の武具屋で、自警団や俺のように冒険者になろうとする若者向けの初心者用の武具を取り扱ってる店だった。

その店が今は少し大きくなり初心者用だけではなく、中堅者でも使えるような装備も扱っていた。

「ん?ミミウか?どうした戻ってきたのか。何かあったのか?」

ぶっきらぼうな言い方でそう告げるミミウの父親のイルム。

「ううん。依頼じゃないけどロンギル共和国に行く用事ができだから、その途中にみんなで寄ったんだぁ。」

「そうか。頑張ってるみたいだな。」

「うん!皆んなのお陰で冒険者ランクもAになったんだよぉ。」

「なんだと?そりゃすごいな。もしかしたらお前の親父さんは有名な冒険者だったのかもしれないな。」

ん?
どういう事だ。
有名な冒険者だったかもしれない?

俺が不思議そうな顔をしていたせいかイルムさんが気付いた。

「ミミウが言ってなかったみたいだな。ミミウは本当は俺の本当の娘じゃないんだ。俺が近くの森で素材集めをしていた時に拾った娘でな。」

なんだって。
そんなにさらっと。
ミミウは知ってたんだよな。

「ミミウには物心ついた時から言い聞かせてるからな。問題ない。しかし冒険者ランクAか‥昔からよく食べるしドワーフとか姫さまだったりしてな!あっはっは!」

なかなか衝撃の事実だな。
しかしミミウの出生については本人の問題だし俺たちには関係ない。
今一緒にいる事が大事だからな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

処理中です...