スキルを模倣して最強無敵！異世界勇者？魔王？どっからでもかかってこいやぁ！

闘技会本戦開催

変態襲来

俺は閉じた扉を少しだけ開いて外を覗く。

先程見た格好と同じ格好をしたままの変態と目があった。

「やあハニー。」

俺はもう一回扉を閉めた。

「どうしたのマルコイ？バドリックさんじゃなかったの？お客さん？」

「変態が来た。」

「え？なんでロメントさんが来るのよ？」

俺は変態が来たとしか言ってないのにロメントだとわかるとはアキーエもヤツが変態だと認識しているようだな。

「俺だってわからないぞ。ここには昨日来たばかりだし知っているのは王様とか王家の人だけだぞ。変態が王族関係者とは思えないけど何かツテがあったのかもしれないな。」

「で、どうするの？」

「このまま無視するってのはダメかな？」

「わたしは別に構わないけど、キリーエが入ってこれなくなるから泣くわよ。それに籠城戦しようにも食料がなくなるわ。今から食材買いに行こうってしてたぐらいだしね。」

「ご飯がないのは大変ですぅ。」

そうだよなぁ。
とりあえず諦めて話をしないと駄目っぽいな。

俺は意を決して扉を開ける。
できれば帰っていてくれと願いながら。

「やあハニー。」

やはり先程開けた時に見た立ち姿と、寸分の狂いもなく同じ格好をしているロメントがいた。

「なんのようだ？」

「ハニーに負けたから、ハニーが試合前に言っていた負けたら言う事を聞くってい内容を聞きにきたのさ。」

そっか、そんな約束をしていたな。
Sランク冒険者だったからスキルを模倣したいと思って約束したけど、今は模倣するのと家に上げないのを天秤にかけたら家に上げない方が勝ってしまいそうだ。

でもせっかくの機会だし‥

「ちょっと待っててくれるか？」

「わかったよハニー。」

俺は一度中に戻る。

「アキーエさんや。変態の要件は俺が勝った時に、言う事を聞いてもらうって言ってた件でやって来たみたいだ。スキルを模倣するつもりで言ったんだけど、どうする？家に上げるか？」

「確かにそんな事を言ってたわね。だったら家に上げて模倣したらいいんじゃない？」

「そうだよな。わかった。」

俺がしぶしぶと玄関の方に行くと途中でアキーエが声をかける。

「マルコイ。自分の身は自分で守ってね。」

うっ‥
その時はもらったばかりの家が壊れる覚悟で闘わないといけないかもしれない‥

玄関を開ける。

「やあハニー。」

お前は同じ事しか言えなくなった壊れたおもちゃか。

「それじゃあ中に入ってくれ。変な真似をしようとしたらすぐに追い出すからな。」

「わかってるよ。ハニーの言う事をきちんと聞くからさ。」



家の応接室にロメントを案内する。

「素敵な家だね。僕も他の国に持ち家があるんだけど、ここまで立派じゃないよ。もう少しだけ小さいかな。まあほとんど住んでないんだけどね。」

やはり変態でもSランク。
同じような家を他国に持ってるわけか。

「それじゃあハニー。ハニーが僕に勝った時の条件をはなんだい？僕と恋人になるって条件なら大歓迎だけど？」

変態め‥
しかしSランクのスキルのためだ。
我慢してさっさとスキルを模倣させてもらってお帰り願わなくては。