上 下
147 / 953
闘技会本戦開催

闘技会本戦マルコイ③

しおりを挟む
スキル【予測変換】だけでは全部捌ききる前に俺の頭が破裂してしまう。

だから俺の持っているスキルをフル活用させてもらう。

『エンチャント:土』で防御力を上げ、スキル【堅牢】をかける。

「はぁー!」

バラックスさんが間合いを詰めて連撃を放つ。

右、左、上とスキル【予測変換】が予測したように攻撃を避ける。

何回避けたかわからないが、頭が少しチリチリとしてきた。

そして少しだけ大振りになった下からの攻撃を予測した。

バラックスさんの攻撃は速くて重い。
しかしそれが連撃となれば一撃の重さは軽減する。
なら『エンチャント:土』とスキル【堅牢】があれば一撃は防げる筈だ。

ずっと待っていた下からの攻撃に合わせて、『エンチャント:火、エンチャント:風』を発現させる。
ついでに【身体能力上昇】も追加だ!

バラックスさんは無防備に突っ込んでくる俺を不審に思ったようだが、すでにモーションに入っており勢いは止まらずそのまま下段からの攻撃をする。

すると甲高いガラスのような物が割れる音がした後にバラックスさんの剣は弾かれる。

タイミングは完璧だ。
スキル【予測変換】にてバラックスさんの反応する一歩先で動く。

がら空きになったバラックスさんの胴を俺の剣が撫でる。


全ての動きが終わった後に、血飛沫と共にバラックスさんは地面に倒れ込んだ‥





「なんじゃそりゃ?お前俺の動きを予測してたみたいな動きだな?面白いじゃねーか!よし!続きだ!」


は?

バラックスさん‥
腹から血が溢れて出てますけど‥?

「そ、それまで!勝者マルコイだっ!」

慌てて大会の人が割り込んでくる。

「馬鹿かお前!こっからが面白いところじゃねーか!勝手に止めるんじゃねえよ!」

バラックスさんは血が溢れ出ているのに、場外に連れて行くために入ってきた大会関係者の数人と揉み合っている‥

「くっそ!マルコイ!またやるぞ!絶対リベンジするからな!待ってろよーーーーー!」


バラックスさんは回復魔法をかけられてながら引き摺られて会場を後にした。



絶対リベンジ受け付けません‥

なんですかあの人?

お腹あんだけパックリいってて元気なんて生き物じゃないな‥

今後は出来るだけバラックスさんに近寄らないようにしよう‥




「おかえりなさい。快勝だったじゃない?」

場外に降りてきた俺をアキーエとミミウが迎えてくれた。

「見た目は快勝だったけど、かなりやばかったよ。バラックスさんめちゃくちゃ強かった。次は同じ手は通用しないと思う。でも今回は俺の勝ちだ。」

「バラックスさんってSランクの候補に入ってるらしいよ。だからその人に勝てるなんてマルコイはSランク並みに強いって事ね。」

そうなのか。
確かに他のAランクの人を見てたが、彼らより強かった気がする‥

「マルコイさんかっこよかったですぅ!」

うんうん。
ミミウさんの素直な称賛はとても嬉しいです。

これで俺たちのパーティは全員が一回戦を勝ち進む事ができた。

全員が勝てるとは思っていなかったが、それだけ皆んなが強くなったって事かな。

闘技会の一回戦は残りあと一試合。

アイツがでる試合を残すだけとなった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

処理中です...