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闘技会本戦の準備
獣人国の王
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登城してすぐに応接室らしき所に通された。
しばらく待っていると髭を生やした狐耳をつけた初老の男性が入ってきた。
「私はこの国の宰相で、エッケンと言う。お前達がホット商会の者達か?」
「はい。私が会長のマルコイです。そしてこちらは‥」
「私は副会長のキリーエになります。」
「そうか。わかった。もうすぐ謁見の準備が整うので、それまでしばし待つように。」
はえ?
「すいません、謁見とは?」
「ん?聞いておらんのか?王が直接話を聞きたいとの事であったため、王に謁見してもらう手筈になっておるぞ。」
「いえ、聞いておりませんでした。」
「なに?それはすまんかったな。しかしもうすぐ準備ができる。なに、王がお主らにいつくか質問されるだけだ。気負わなくても良い。」
そんなもん聞いてないぞ?
キリーエを見るが、凄い勢いで首を横に振っている。
もげるぞ‥
まさかいきなり王様と会う事になるとは思わなかった。
いずれ会う可能性も考えてはいたが‥
まあ深く考えても仕方ない。
なる様になるだろう。
宰相が出て行った後に、しばらく部屋で待っていると呼び出しがかかった。
執事と思われる人に王様が待つ謁見の間に案内される。
謁見の間の前に着き帯刀していた剣を渡す。
しばらくするて扉が開く。
そのまま王様の前まで案内される。
王様から離れたところで執事の人が離れたため、その場でキリーエと2人で膝をつき頭を下げる。
「面を上げよ。」
俺たちは顔を上げ、王座に座る男を見る。
獣族のため、年齢はわかりにくいが雰囲気や声質でそこまで若くはないとは思える。
虎族であろう耳と顔全体に虎模様が入っている。
あれは毛だろうか?
顔には少し皺があり、年齢が40~50代ではないかと思える。
しかし年齢に見合わない、はち切れんばかりの肉体が印象的だ。
この国で1番強い者が王になる。
その言葉通りの肉体のようだ。
「お前達がホット商会の者か?」
「はい。私が会長のマルコイ。横の者が副会長のキリーエと申します。」
「2人とも随分と若いな。その若さでよくそこまで商会を大きくしたものだ。」
「運もありますが、偏に副会長のキリーエの力です。私は飾りのようなものですから。」
「はっは。飾りか!しかし飾りとはいえ会長になっているのだ。周りのものの信頼もあるのだろう。お前の人徳のなせるものであろう。」
「勿体無いお言葉ありがとうございます。」
すると王は少しの間沈黙し、口を開く。
「ところでお前達のところで扱っているダマスカスと言われる素材の武具だが、あれはお前達の商会でしか扱っておらぬが、どうやって作っておる?王家に教える事はできぬか?」
直球できたな。
もう少し外堀を埋めてから聞いてくるかと思っていたが‥
「あの商品は素材を私のスキルを使用して作製しております。伝える事は構いませんが、伝えたとしてもそれが他の者に作れるとは思いません。」
ここは正直に答えよう。
もし言えと言われれば伝えても構わないしな。
おそらく俺しか作る事はできないだろうし。
「ふむ。ならば‥」
しばらく待っていると髭を生やした狐耳をつけた初老の男性が入ってきた。
「私はこの国の宰相で、エッケンと言う。お前達がホット商会の者達か?」
「はい。私が会長のマルコイです。そしてこちらは‥」
「私は副会長のキリーエになります。」
「そうか。わかった。もうすぐ謁見の準備が整うので、それまでしばし待つように。」
はえ?
「すいません、謁見とは?」
「ん?聞いておらんのか?王が直接話を聞きたいとの事であったため、王に謁見してもらう手筈になっておるぞ。」
「いえ、聞いておりませんでした。」
「なに?それはすまんかったな。しかしもうすぐ準備ができる。なに、王がお主らにいつくか質問されるだけだ。気負わなくても良い。」
そんなもん聞いてないぞ?
キリーエを見るが、凄い勢いで首を横に振っている。
もげるぞ‥
まさかいきなり王様と会う事になるとは思わなかった。
いずれ会う可能性も考えてはいたが‥
まあ深く考えても仕方ない。
なる様になるだろう。
宰相が出て行った後に、しばらく部屋で待っていると呼び出しがかかった。
執事と思われる人に王様が待つ謁見の間に案内される。
謁見の間の前に着き帯刀していた剣を渡す。
しばらくするて扉が開く。
そのまま王様の前まで案内される。
王様から離れたところで執事の人が離れたため、その場でキリーエと2人で膝をつき頭を下げる。
「面を上げよ。」
俺たちは顔を上げ、王座に座る男を見る。
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虎族であろう耳と顔全体に虎模様が入っている。
あれは毛だろうか?
顔には少し皺があり、年齢が40~50代ではないかと思える。
しかし年齢に見合わない、はち切れんばかりの肉体が印象的だ。
この国で1番強い者が王になる。
その言葉通りの肉体のようだ。
「お前達がホット商会の者か?」
「はい。私が会長のマルコイ。横の者が副会長のキリーエと申します。」
「2人とも随分と若いな。その若さでよくそこまで商会を大きくしたものだ。」
「運もありますが、偏に副会長のキリーエの力です。私は飾りのようなものですから。」
「はっは。飾りか!しかし飾りとはいえ会長になっているのだ。周りのものの信頼もあるのだろう。お前の人徳のなせるものであろう。」
「勿体無いお言葉ありがとうございます。」
すると王は少しの間沈黙し、口を開く。
「ところでお前達のところで扱っているダマスカスと言われる素材の武具だが、あれはお前達の商会でしか扱っておらぬが、どうやって作っておる?王家に教える事はできぬか?」
直球できたな。
もう少し外堀を埋めてから聞いてくるかと思っていたが‥
「あの商品は素材を私のスキルを使用して作製しております。伝える事は構いませんが、伝えたとしてもそれが他の者に作れるとは思いません。」
ここは正直に答えよう。
もし言えと言われれば伝えても構わないしな。
おそらく俺しか作る事はできないだろうし。
「ふむ。ならば‥」
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