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闘技会

Aランクとの模擬戦

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脳筋が突っ込んでくる。

こうなってしまっては仕方がない。
今の俺の実力がAランクにどこまで通用するのか確認出来るいい機会だ。

バラックスさんが間合いに入り袈裟斬りに剣を振るってきた。
それをシールドで押し返しバランスを崩させようととする。
しかし‥
剣が重い‥
押し返すことが出来ずに腕を押し込まれる。
すぐ切り替えてシールドを斜めにし、そのまま剣が地面に向かうように仕向ける。
しかしバラックスさんは一歩足を踏み込みはしたが、そのまま剣を斬り上げてきた。
慌てて剣の範囲外に退がる。
こちらが退がった事でバラックスさんはそのまま連続で斬りつけてきた。
盾と剣で捌きはするが、スピードと重量が今まで対峙した人とは段違いだ。
間合いを取るため、バラックスさんを退がらせようと無理に剣を振るう。
バラックスさんは冷静に振るった剣を絡めとり、体制を崩した俺に剣を突きつける。

「参った‥」

「ふぅ‥やはりお前は強いな‥もっと軽めで済むと思っていたが、思いの外本気になっちまった。もう少しスキルレベルが上がったら苦戦しちまうかもな。俺は【剣鬼Lv.8】なのにここまで戦えるとは【剣闘士】ってスキルはずいぶんと優秀なようだ。」

「このスキルにはかなり助けてもらってますからね。だからスキルレベルを上げるために皆さんに教えを乞おうと思ってるんですよ。」

「なるほどな。じゃあ他のメンバーが帰ってくるまでもう少し身体を動かすか。」

少しげんなりしてしまうが、いい特訓になりそうだ。
本音を言うと【堅牢】だったり先日模倣した【身体能力上昇】があるのだからもっと戦えるだろう。
しかし純粋に剣技系のスキルで戦うとやはりAランクの壁はまだまだ高いようだ。

しばらくバラックスさんと訓練をしていると他のメンバーも戻ってきた。
さっそく自分のスキルカードを提示してバラックスさんに話したように闘技会に誘われた事、スキルのレベルアップのために行っている訓練について聞く。
すると全員ギルドカードを提示し話をしてくれた。

(ピコーンッ)

『模倣スキルを発現しました。スキル【指揮】を模倣しました。スキル【剣士】は統合しています。スキルを模倣できません。』

『模倣スキルを発現しました。スキル【盾士】は統合しています。スキルを模倣できません。』

『模倣スキルを発現しました。スキル【探索】を模倣しました。スキル【俊足】は統合しています。スキルを模倣できません。』

やはりシクーさんの【疾風】は【俊足】の系統進化だったか。
残念だがミミウへの譲渡はまた今度だな。

そして残すはエリネさんの【属性魔法:暴風】だな。おそらく【属性魔法:風】の系統進化だとは思うが、もし風だとしたら属性魔法の4元素を覚える事になる。
【指揮】【探索】も模倣したかったが、【属性魔法:風】を模倣する事で魔法系のスキルを得る事が出来るのではないか思い密かに期待している。
そのうちスキルレベルが上がれば、アキーエのような魔法も使えるようになるかもしれないし。

俺は少し期待を胸にスキルを模倣した。
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