上 下
38 / 953
4章 魔族暗躍

護衛依頼

しおりを挟む
翌日、獣人国に出発するために準備をしているとギルドからの呼び出しがあった。

出発の準備は別にそこまで急ぐ必要もなかった為、呼び出しに応じてギルドに寄る事にした。

「マルコイ呼び出ししてすまんな。」

受付からバーントさんがやって来る。
相変わらずのゴリマッチョだ。

「何か失礼な事を考えてるな。」

「そんな事はない。要件はなんだ?」

「いや、お前達が獣人国に行くって言ってたから、出来れば護衛依頼も兼ねてもらえなかいと思っての相談なんだ。」

護衛依頼?今まで受けた事なかったな。模倣スキルの件もあったから、なるべく避けてた事もあったし。

「護衛依頼は受けた事がないから、ギルドからの紹介のような大事な護衛は無理だぞ。」

するとバーントがすすっと寄って来る‥
寄ってきた分離れる‥

「なんでだよっ!」

「いや、ゴリマッチョがうつりそうで‥」

「うつらないよっ!おじさんの筋肉は病気じゃないよっ!」

いや、うつりそうだ‥

「いや、そうじゃなくてだな。実は依頼主が俺の友人の子供でな。商人として独り立ちしたんだが、今回が最初の仕入れになるんだよ。それで獣人国まで行くんだが、変な冒険者に依頼受けられるのも困るんだ。だからお前達が獣人国に行くんなら、護衛して一緒に連れて行ってもらえないかと思ってよ。」

「ん?そういった理由なら受けない事もないが、ギルド職員がそんな事はしていいのか?」

「本来は指名依頼って形になるが、今回は依頼主はお前達の事を知らないからな。ギルド職員の依頼推薦ってとこだ。」

アキーエとミミウを見る。

「別にいいんじゃない?どうせ獣人国に行くんだし、今後の事を考えると商人と懇意になるのも悪くないと思うけど。」

そうだな。バーントのおっさんの紹介なら変な人じゃないだろうし、今後の事を考えると信頼できるかもしれない商人と知り合いになるのは悪くないだろう。

「わかった。その依頼受けるよ。しかし行きだけの護衛になるけどいいのか?」

「助かった。帰りは別の冒険者に頼む事になるが、その時に相手が問題なさそうか確認してくれると助かる。それと本人が今日来てるから会ってもらっていいか?」

「別に構わないよ。」

はっ!バーントのおっさんの知り合いってことはゴリマッチョかもしれない‥
し、しまった‥会ってから考えた方がよかった‥
獣人国まで長い道のりでゴリマッチョとずっと一緒なんて考えただけで暑苦しい‥

「こっちだキリーエ。この3人が最速でCランクまで上がった新進気鋭の冒険者達だ。」

バーントから連れてこられたのは‥
薄い青色の髪の毛を短めのショートカットにしている、どこからどう見ても女の子だった。
少し垂れ気味の目ではあるが、右目の下にある黒子が少し大人っぽく見せている。
歳は15歳前後くらいだろうか?

「どもども紹介に預かったキリーエです!ウチも獣人国で香辛料とか仕入れに行く予定やったんよ。でも初めて行くから、できれば信頼できそうな人がよかったんだ。だからバーントのおっちゃんにお願いしてて。よろしくお願いしますわ。」

うん。なんか商魂逞しそうな感じだな‥
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

処理中です...