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1章 スキル発現
冒険者になるために
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村にあるギルドは、二階建てではあるがこじんまりとしており、昼前ということもあり閑散としていた。
ギルド受付のナーシャさんの下へ向かう。ギルドに入るのは初めてだが、ナーシャさんの事は知っていた。茶髪のボブカットで知的な美人さんである。ギルドの外で会うこともあり、会うたびに目の保養といい匂いで元気をいただいていた。
なんて事を考えていると腹にぼでーが刺さった‥
「鼻の下が床に着くくらい伸びてるわよっ!」
どうやら鼻の下がだいぶ伸びていたようだ。
うむ、痛い。半端なく痛い。確かアキーエはスキル【腕力】は持っていなかったはずだが‥
いや、もしかしたら言わないだけで、スキル【察知】【腕力】をも持っているクアドラプルなのかもしれない‥
なんて事を考えているとナーシャさんから声がかかった。
「あら?マルコイ君にアキーエちゃん、今日はどうしたのかしら?」
「今日はマルコイと冒険者登録をしにきたのっ!」
アキーエが平な胸をそらしてそう言った。
そう思った瞬間、殺気を感じお腹を丸めるような動きをとる。すると腹の前をアキーエの剛腕が通り過ぎる。
(躱せたっ!)
するとアキーエの身体が8の字を書くように動く。そして反動をつけた逆の剛腕がぼでーに突き刺さる。
俺は膝から崩れ落ちる‥
「ほら、ギルドでイチャつかないの!」
「イ、イチャついたりしてないわよっ!」
多分アキーエはスキル【拳士】のスキルも持っているクインティプルだなと思う。
「それじゃ、登録前にスキルを教えて。」
ナーシャさんがと聞き取りをしてきた。
「私のスキルは【属性魔法:火】と【判別】よ!」「あら!アキーエちゃんはダブルなのね。将来高名な冒険者になるかもね。じゃあマルコイ君は?」
「俺は【模倣】だよ。」と伝えると、ナーシャさんがやや興奮気味に聞いてくる。
「マルコイ君!初めて聞くスキルだわ。どんなスキルが発現するの?」と身体を乗り出して聞いてきた。
「‥‥‥ない」
「え?」
「まだ発現していないから、わからない‥」
「え?じゃあ‥今はスキルなしってこと?」
するとナーシャさんが難しい顔をする。
「スキルなしなの‥ちょっと待ってて」
ナーシャさんは席を外し、奥の方へ入って行った。
しばらくしてナーシャさんは初老の男性と一緒に戻ってきた。
「マルコイ、スキルが発現していないなら、冒険者稼業でやっていけるか俺が直接確認してやる」
ガチムチモンスターのギルドマスターであるギバスが開口一番そう告げる。
そしてそのままガチムチに引き摺られるようにギルドの練習場に連れて来られる。
「さてマルコイ、好きな武器をとれ。」
「なんでだよ?冒険者になるのは自由だろ?こんな試験みたいな事するなんで聞いてないぞ。」
「まぁ確かに冒険者になるのに試験は必要ない。しかし冒険者になるほとんどの者は何らかの攻撃スキルなり補助スキルを持っている。それを持っていないお前が危ない目にあうのは友人であり、お前の父親でもあるマージスに申し訳ない。」
「なんだよ、父上は関係ないだろっ!」
マルコイの父、マージス・アンバーエストはカーロッタ村を治める男爵である。
スキル【模倣】を得たときこそ喜んでくれたが、発現しないとわかるとあきらかに落胆した様子だった。だからといって冷遇するわけでもなくそれまで通り接してくれたので見返してやる~や、ざまぁなどは考えていない。
ただそんなに大きな村でもないので、男爵家の三男が将来が決まっているわけでもなく、何をしようが自由みたいな感じではある。
「確かにお前は関係ないと思うだろうが、それでも友人の子だ。実力もわからないまま冒険者にする訳にはいかん。」
「わかったよ、おっさんとやればいいんだろ!俺も家で剣は習ってたんだ。実力見せてやるよ。」
マルコイは木剣を手に取る。
「よし、まずは軽めに行くぞ。」
そう言ってギバスは木剣を上段から振り下ろす。
はい、木剣は見えませんでした。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。これし死ぬんじゃないかな‥?」
「大丈夫だっ!当たりどころが悪くないなら、人はそうそう死ぬもんじゃない。」
「ちょ、それって悪かったら死ぬってことじゃんか。」
「そうとも言うな」
しばらくマルコイの悲鳴が聞こえ、試験は終了した。
家での訓練とは違い、まったく遠慮のない訓練でボコボコにされ、面白い格好でピクピクしているマルコイにギバスは告げる。
「基礎ができているから、多少鍛えればモノになるだろう。今日から毎日訓練すれば一月もすれば合格できるぞ。」
そんな言葉が薄れていく意識の中マルコイの耳に入ってきたのだった‥
あれから1ヶ月頑張った‥
気絶して起きたら、アキーエが膝枕をしてくれていたので、嬉しくてアキーエの身体のを方を向いてグリグリしたら腹にぼでーが入って亡くなった祖父に会えたりなんて事もあった。
そして今日晴れて俺は冒険者になった。
「ほら。2人ともギルドカードよ。」
ナーシャさんが持ってきてくれた銀色のギルドカードをもらい、アキーエと2人で互いに見せ合った。
マルコイ
冒険者ランクE
スキル【模倣Lv.1】
アキーエ
冒険者ランクE
スキル【属性魔法:火Lv.3】【判別Lv.2】
「よしっ!これから2人で頑張っていこうぜ!」
「任せといて!私の【属性魔法:火】でモンスターなんて焼き尽くしてやるわっ!」
まったく頼もしい限りだ、俺の幼馴染は。
(ピコーンッ!)
突然頭の中にかる~い音が鳴り響いた。
『模倣スキルを発現しました。【属性魔法:火】を模倣しました』
「はい?」
ギルド受付のナーシャさんの下へ向かう。ギルドに入るのは初めてだが、ナーシャさんの事は知っていた。茶髪のボブカットで知的な美人さんである。ギルドの外で会うこともあり、会うたびに目の保養といい匂いで元気をいただいていた。
なんて事を考えていると腹にぼでーが刺さった‥
「鼻の下が床に着くくらい伸びてるわよっ!」
どうやら鼻の下がだいぶ伸びていたようだ。
うむ、痛い。半端なく痛い。確かアキーエはスキル【腕力】は持っていなかったはずだが‥
いや、もしかしたら言わないだけで、スキル【察知】【腕力】をも持っているクアドラプルなのかもしれない‥
なんて事を考えているとナーシャさんから声がかかった。
「あら?マルコイ君にアキーエちゃん、今日はどうしたのかしら?」
「今日はマルコイと冒険者登録をしにきたのっ!」
アキーエが平な胸をそらしてそう言った。
そう思った瞬間、殺気を感じお腹を丸めるような動きをとる。すると腹の前をアキーエの剛腕が通り過ぎる。
(躱せたっ!)
するとアキーエの身体が8の字を書くように動く。そして反動をつけた逆の剛腕がぼでーに突き刺さる。
俺は膝から崩れ落ちる‥
「ほら、ギルドでイチャつかないの!」
「イ、イチャついたりしてないわよっ!」
多分アキーエはスキル【拳士】のスキルも持っているクインティプルだなと思う。
「それじゃ、登録前にスキルを教えて。」
ナーシャさんがと聞き取りをしてきた。
「私のスキルは【属性魔法:火】と【判別】よ!」「あら!アキーエちゃんはダブルなのね。将来高名な冒険者になるかもね。じゃあマルコイ君は?」
「俺は【模倣】だよ。」と伝えると、ナーシャさんがやや興奮気味に聞いてくる。
「マルコイ君!初めて聞くスキルだわ。どんなスキルが発現するの?」と身体を乗り出して聞いてきた。
「‥‥‥ない」
「え?」
「まだ発現していないから、わからない‥」
「え?じゃあ‥今はスキルなしってこと?」
するとナーシャさんが難しい顔をする。
「スキルなしなの‥ちょっと待ってて」
ナーシャさんは席を外し、奥の方へ入って行った。
しばらくしてナーシャさんは初老の男性と一緒に戻ってきた。
「マルコイ、スキルが発現していないなら、冒険者稼業でやっていけるか俺が直接確認してやる」
ガチムチモンスターのギルドマスターであるギバスが開口一番そう告げる。
そしてそのままガチムチに引き摺られるようにギルドの練習場に連れて来られる。
「さてマルコイ、好きな武器をとれ。」
「なんでだよ?冒険者になるのは自由だろ?こんな試験みたいな事するなんで聞いてないぞ。」
「まぁ確かに冒険者になるのに試験は必要ない。しかし冒険者になるほとんどの者は何らかの攻撃スキルなり補助スキルを持っている。それを持っていないお前が危ない目にあうのは友人であり、お前の父親でもあるマージスに申し訳ない。」
「なんだよ、父上は関係ないだろっ!」
マルコイの父、マージス・アンバーエストはカーロッタ村を治める男爵である。
スキル【模倣】を得たときこそ喜んでくれたが、発現しないとわかるとあきらかに落胆した様子だった。だからといって冷遇するわけでもなくそれまで通り接してくれたので見返してやる~や、ざまぁなどは考えていない。
ただそんなに大きな村でもないので、男爵家の三男が将来が決まっているわけでもなく、何をしようが自由みたいな感じではある。
「確かにお前は関係ないと思うだろうが、それでも友人の子だ。実力もわからないまま冒険者にする訳にはいかん。」
「わかったよ、おっさんとやればいいんだろ!俺も家で剣は習ってたんだ。実力見せてやるよ。」
マルコイは木剣を手に取る。
「よし、まずは軽めに行くぞ。」
そう言ってギバスは木剣を上段から振り下ろす。
はい、木剣は見えませんでした。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。これし死ぬんじゃないかな‥?」
「大丈夫だっ!当たりどころが悪くないなら、人はそうそう死ぬもんじゃない。」
「ちょ、それって悪かったら死ぬってことじゃんか。」
「そうとも言うな」
しばらくマルコイの悲鳴が聞こえ、試験は終了した。
家での訓練とは違い、まったく遠慮のない訓練でボコボコにされ、面白い格好でピクピクしているマルコイにギバスは告げる。
「基礎ができているから、多少鍛えればモノになるだろう。今日から毎日訓練すれば一月もすれば合格できるぞ。」
そんな言葉が薄れていく意識の中マルコイの耳に入ってきたのだった‥
あれから1ヶ月頑張った‥
気絶して起きたら、アキーエが膝枕をしてくれていたので、嬉しくてアキーエの身体のを方を向いてグリグリしたら腹にぼでーが入って亡くなった祖父に会えたりなんて事もあった。
そして今日晴れて俺は冒険者になった。
「ほら。2人ともギルドカードよ。」
ナーシャさんが持ってきてくれた銀色のギルドカードをもらい、アキーエと2人で互いに見せ合った。
マルコイ
冒険者ランクE
スキル【模倣Lv.1】
アキーエ
冒険者ランクE
スキル【属性魔法:火Lv.3】【判別Lv.2】
「よしっ!これから2人で頑張っていこうぜ!」
「任せといて!私の【属性魔法:火】でモンスターなんて焼き尽くしてやるわっ!」
まったく頼もしい限りだ、俺の幼馴染は。
(ピコーンッ!)
突然頭の中にかる~い音が鳴り響いた。
『模倣スキルを発現しました。【属性魔法:火】を模倣しました』
「はい?」
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