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1章 スキル発現
スキルの発現を求めて
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多くの種族が住む大地。名前をギアスーラ大陸と言う。
人やエルフ、ドワーフ、獣人など、さまざまな種族が国を、文明を築いた。国によっては自分達の種族が至高と他の種族を入れないような国もあったが、基本的にはどの国も自由な交流を行っていた。
このギアスーラ大陸では全ての種族が何らかのスキルを持って産まれてくる。
それが発現する時期は種族によってまちまちだが、人間族は15歳前後にスキルが発現する。
これは身体がスキルに耐えられるようになる事で発現するのではと考えられている。
身体能力が高い獣人族などは10歳前後でスキルが発現している。
ただ獣人族は魔力が低いため、主に身体能力系や武具系のスキルが発現する。
いわゆる脳筋である。
対してエルフなどは長命ではあるものの、身体能力が高くないため、20歳を過ぎてから発現する事が多い。まだ魔力が高いため魔法系のスキルや、エルフ独自の精霊魔法などのスキルを得ることが多い。あまり他者との交流を望まず、エルフ同士で集落にする事が多い。
いわゆる引きこもりである。
マルコイ・アンバーエストは人間族の作った国【エルフェノス王国】の国内にある小さな村の【カーロッタ】を治める男爵アンバーエスト家の三男に産まれた。
そして人間族であり、スキル発現平均の15歳でスキルを発現した。
スキル名は【模倣】
他に発現したという記録もなく、ユニークスキルだと家族も喜んだが‥
(それから半年、いろいろ調べたんだけどなぁ)
過去を思い出すマルコイは苦虫を噛み潰したような顔になる。
マルコイはまず、他の人がスキルを使っている所を見る事にした。
身体能力を増加させ、木材を運ぶ大工。
スキル【鍛治師】を使い剣を作る武器屋。
さまざまな職業のスキルを見てみたが一向に模倣する様子もなく、途方にくれていた。
そこに宿屋の娘で幼馴染のアキーエが自分のスキルを模倣できるか試してみようと言ってくれたのである。
アキーエはダブルスキルの発現者で、スキル【属性魔法:火】と【判別】を発現していた。
スキルは発現後は他のスキルを覚える事はないが、スキルレベルが上がるとスキル内容自体が強化されていく。
スキル【腕力】であればスキル【剛腕】、スキル【金剛力】などスキルレベルが上がるほど効果も上がっていく。
しかしスキルの数自体は増える事はないため、最初の発現スキルの個数が多い事は、それだけで素質が高い事を示していた。
小さい頃から家の農業を手伝っていた子供が、スキル発現時にトリプルスキルを発現し、高名な冒険者になったなどスキル発現はその後の人生に大きく関わっている。
それでも9割がシングルスキルであるため、ダブルスキルでさえ、10,000人に1人の割合であった。
アキーエのスキルは【属性魔法:火】と【判別】で、【判別】は手にした物の名称などが頭に浮かんでくるもので、商人や冒険者にとっては生唾ものであった。
とりあえずスキル【模倣】の検証ため、わかりやすく【属性魔法:火】を使用してもらうことにした。
「いっくわよー!」
アキーエが火魔法を使う。アキーエの持っている木製の杖から直径10センチほどの赤い球がでる。
「火球っ!」
周りに被害が出ないように空き地で行っていたが、火の玉が空き地にある岩にぶつかると、なかなかの音がした。
「どう?」
と聞かれ、マルコイは頭の中で自分のスキルを思い浮かべる。
「だめだ、何も思い浮かばない。」
「やっぱりスキルをみても模倣できないみたいね。まあいろいろ試してみましょう。」
それからさまざまな方法を試した。火魔法を使う感覚を教えてもらったり、発動する時に一緒に杖をもったりした。
手を握ってドキドキもした。
もちろん自分の身体に火魔法を受けてアフロになったりもした。
アフロとは10年ほど前に王都で流行った髪型である。
しかしスキルの効果が発動することもなく、やや諦めていた。そして暗い面持ちでいる俺にアキーエは声をかけてくれた。
「マルコイ、私と一緒に冒険者になりましょう!」アキーエは俺を励ましてくれ、一緒に冒険者になろうと言ってくれた。
この大陸にはモンスターと呼ばれる、種族を襲ってくるもの達がいる。
人型のモンスターもいるが話は出来ず、種族を見かけると問答無用で襲いかかってくる。
そんなモンスターを倒して一攫千金を狙うのが冒険者と呼ばれる者達だった。
「マルコイはガッチガチに鎧で固めて、デッカい盾を持ってモンスターの前にいればいいわっ!そしたら私が後ろから火魔法でモンスターを焼き殺してやるからっ!」
そんな言葉をアキーエはかけてくれた。
多分それだと俺もこんがりなりそうだが、アキーエの言葉がとても嬉しかった。
そうとても嬉しかった‥
「ありがとうアキーエ。俺もスキルなしでも強くなるから、ずっと一緒にいてくれ」
「ず、ずっとって‥あ、あたりまえじゃない!あんたみたいな変人は私しか合わないんだからっ!心配しなくても一緒にいてあげるわよっ!」
そんな事を赤い顔をしてモジモジしながら言ってくれるものだから、とても嬉しくて嬉しくて彼女を抱きしめたく近づいて両手をまわそうとしたら‥
腹にぼでーが刺さった。げせぬ。
そしてマルコイとアキーエは冒険者になるため、模倣スキル発現のきっかけともなるギルドの門をくぐるのだった。
人やエルフ、ドワーフ、獣人など、さまざまな種族が国を、文明を築いた。国によっては自分達の種族が至高と他の種族を入れないような国もあったが、基本的にはどの国も自由な交流を行っていた。
このギアスーラ大陸では全ての種族が何らかのスキルを持って産まれてくる。
それが発現する時期は種族によってまちまちだが、人間族は15歳前後にスキルが発現する。
これは身体がスキルに耐えられるようになる事で発現するのではと考えられている。
身体能力が高い獣人族などは10歳前後でスキルが発現している。
ただ獣人族は魔力が低いため、主に身体能力系や武具系のスキルが発現する。
いわゆる脳筋である。
対してエルフなどは長命ではあるものの、身体能力が高くないため、20歳を過ぎてから発現する事が多い。まだ魔力が高いため魔法系のスキルや、エルフ独自の精霊魔法などのスキルを得ることが多い。あまり他者との交流を望まず、エルフ同士で集落にする事が多い。
いわゆる引きこもりである。
マルコイ・アンバーエストは人間族の作った国【エルフェノス王国】の国内にある小さな村の【カーロッタ】を治める男爵アンバーエスト家の三男に産まれた。
そして人間族であり、スキル発現平均の15歳でスキルを発現した。
スキル名は【模倣】
他に発現したという記録もなく、ユニークスキルだと家族も喜んだが‥
(それから半年、いろいろ調べたんだけどなぁ)
過去を思い出すマルコイは苦虫を噛み潰したような顔になる。
マルコイはまず、他の人がスキルを使っている所を見る事にした。
身体能力を増加させ、木材を運ぶ大工。
スキル【鍛治師】を使い剣を作る武器屋。
さまざまな職業のスキルを見てみたが一向に模倣する様子もなく、途方にくれていた。
そこに宿屋の娘で幼馴染のアキーエが自分のスキルを模倣できるか試してみようと言ってくれたのである。
アキーエはダブルスキルの発現者で、スキル【属性魔法:火】と【判別】を発現していた。
スキルは発現後は他のスキルを覚える事はないが、スキルレベルが上がるとスキル内容自体が強化されていく。
スキル【腕力】であればスキル【剛腕】、スキル【金剛力】などスキルレベルが上がるほど効果も上がっていく。
しかしスキルの数自体は増える事はないため、最初の発現スキルの個数が多い事は、それだけで素質が高い事を示していた。
小さい頃から家の農業を手伝っていた子供が、スキル発現時にトリプルスキルを発現し、高名な冒険者になったなどスキル発現はその後の人生に大きく関わっている。
それでも9割がシングルスキルであるため、ダブルスキルでさえ、10,000人に1人の割合であった。
アキーエのスキルは【属性魔法:火】と【判別】で、【判別】は手にした物の名称などが頭に浮かんでくるもので、商人や冒険者にとっては生唾ものであった。
とりあえずスキル【模倣】の検証ため、わかりやすく【属性魔法:火】を使用してもらうことにした。
「いっくわよー!」
アキーエが火魔法を使う。アキーエの持っている木製の杖から直径10センチほどの赤い球がでる。
「火球っ!」
周りに被害が出ないように空き地で行っていたが、火の玉が空き地にある岩にぶつかると、なかなかの音がした。
「どう?」
と聞かれ、マルコイは頭の中で自分のスキルを思い浮かべる。
「だめだ、何も思い浮かばない。」
「やっぱりスキルをみても模倣できないみたいね。まあいろいろ試してみましょう。」
それからさまざまな方法を試した。火魔法を使う感覚を教えてもらったり、発動する時に一緒に杖をもったりした。
手を握ってドキドキもした。
もちろん自分の身体に火魔法を受けてアフロになったりもした。
アフロとは10年ほど前に王都で流行った髪型である。
しかしスキルの効果が発動することもなく、やや諦めていた。そして暗い面持ちでいる俺にアキーエは声をかけてくれた。
「マルコイ、私と一緒に冒険者になりましょう!」アキーエは俺を励ましてくれ、一緒に冒険者になろうと言ってくれた。
この大陸にはモンスターと呼ばれる、種族を襲ってくるもの達がいる。
人型のモンスターもいるが話は出来ず、種族を見かけると問答無用で襲いかかってくる。
そんなモンスターを倒して一攫千金を狙うのが冒険者と呼ばれる者達だった。
「マルコイはガッチガチに鎧で固めて、デッカい盾を持ってモンスターの前にいればいいわっ!そしたら私が後ろから火魔法でモンスターを焼き殺してやるからっ!」
そんな言葉をアキーエはかけてくれた。
多分それだと俺もこんがりなりそうだが、アキーエの言葉がとても嬉しかった。
そうとても嬉しかった‥
「ありがとうアキーエ。俺もスキルなしでも強くなるから、ずっと一緒にいてくれ」
「ず、ずっとって‥あ、あたりまえじゃない!あんたみたいな変人は私しか合わないんだからっ!心配しなくても一緒にいてあげるわよっ!」
そんな事を赤い顔をしてモジモジしながら言ってくれるものだから、とても嬉しくて嬉しくて彼女を抱きしめたく近づいて両手をまわそうとしたら‥
腹にぼでーが刺さった。げせぬ。
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