スキルを模倣して最強無敵!異世界勇者?魔王?どっからでもかかってこいやぁ!

オギコン

文字の大きさ
上 下
2 / 953
1章 スキル発現

スキルの発現を求めて

しおりを挟む
多くの種族が住む大地。名前をギアスーラ大陸と言う。

人やエルフ、ドワーフ、獣人など、さまざまな種族が国を、文明を築いた。国によっては自分達の種族が至高と他の種族を入れないような国もあったが、基本的にはどの国も自由な交流を行っていた。

このギアスーラ大陸では全ての種族が何らかのスキルを持って産まれてくる。
それが発現する時期は種族によってまちまちだが、人間族は15歳前後にスキルが発現する。
これは身体がスキルに耐えられるようになる事で発現するのではと考えられている。
身体能力が高い獣人族などは10歳前後でスキルが発現している。

ただ獣人族は魔力が低いため、主に身体能力系や武具系のスキルが発現する。
いわゆる脳筋である。

対してエルフなどは長命ではあるものの、身体能力が高くないため、20歳を過ぎてから発現する事が多い。まだ魔力が高いため魔法系のスキルや、エルフ独自の精霊魔法などのスキルを得ることが多い。あまり他者との交流を望まず、エルフ同士で集落にする事が多い。
いわゆる引きこもりである。





マルコイ・アンバーエストは人間族の作った国【エルフェノス王国】の国内にある小さな村の【カーロッタ】を治める男爵アンバーエスト家の三男に産まれた。
そして人間族であり、スキル発現平均の15歳でスキルを発現した。

スキル名は【模倣】

他に発現したという記録もなく、ユニークスキルだと家族も喜んだが‥

(それから半年、いろいろ調べたんだけどなぁ)
過去を思い出すマルコイは苦虫を噛み潰したような顔になる。

マルコイはまず、他の人がスキルを使っている所を見る事にした。

身体能力を増加させ、木材を運ぶ大工。
スキル【鍛治師】を使い剣を作る武器屋。
さまざまな職業のスキルを見てみたが一向に模倣する様子もなく、途方にくれていた。

そこに宿屋の娘で幼馴染のアキーエが自分のスキルを模倣できるか試してみようと言ってくれたのである。

アキーエはダブルスキルの発現者で、スキル【属性魔法:火】と【判別】を発現していた。

スキルは発現後は他のスキルを覚える事はないが、スキルレベルが上がるとスキル内容自体が強化されていく。

スキル【腕力】であればスキル【剛腕】、スキル【金剛力】などスキルレベルが上がるほど効果も上がっていく。

しかしスキルの数自体は増える事はないため、最初の発現スキルの個数が多い事は、それだけで素質が高い事を示していた。
小さい頃から家の農業を手伝っていた子供が、スキル発現時にトリプルスキルを発現し、高名な冒険者になったなどスキル発現はその後の人生に大きく関わっている。

それでも9割がシングルスキルであるため、ダブルスキルでさえ、10,000人に1人の割合であった。

アキーエのスキルは【属性魔法:火】と【判別】で、【判別】は手にした物の名称などが頭に浮かんでくるもので、商人や冒険者にとっては生唾ものであった。

とりあえずスキル【模倣】の検証ため、わかりやすく【属性魔法:火】を使用してもらうことにした。

「いっくわよー!」
アキーエが火魔法を使う。アキーエの持っている木製の杖から直径10センチほどの赤い球がでる。

「火球っ!」
周りに被害が出ないように空き地で行っていたが、火の玉が空き地にある岩にぶつかると、なかなかの音がした。

「どう?」
と聞かれ、マルコイは頭の中で自分のスキルを思い浮かべる。

「だめだ、何も思い浮かばない。」

「やっぱりスキルをみても模倣できないみたいね。まあいろいろ試してみましょう。」

それからさまざまな方法を試した。火魔法を使う感覚を教えてもらったり、発動する時に一緒に杖をもったりした。
手を握ってドキドキもした。

もちろん自分の身体に火魔法を受けてになったりもした。
とは10年ほど前に王都で流行った髪型である。

しかしスキルの効果が発動することもなく、やや諦めていた。そして暗い面持ちでいる俺にアキーエは声をかけてくれた。

「マルコイ、私と一緒に冒険者になりましょう!」アキーエは俺を励ましてくれ、一緒に冒険者になろうと言ってくれた。


この大陸にはモンスターと呼ばれる、種族を襲ってくるもの達がいる。
人型のモンスターもいるが話は出来ず、種族を見かけると問答無用で襲いかかってくる。
そんなモンスターを倒して一攫千金を狙うのが冒険者と呼ばれる者達だった。


「マルコイはガッチガチに鎧で固めて、デッカい盾を持ってモンスターの前にいればいいわっ!そしたら私が後ろから火魔法でモンスターを焼き殺してやるからっ!」

そんな言葉をアキーエはかけてくれた。
多分それだと俺もこんがりなりそうだが、アキーエの言葉がとても嬉しかった。
そうとても嬉しかった‥

「ありがとうアキーエ。俺もスキルなしでも強くなるから、ずっと一緒にいてくれ」

「ず、ずっとって‥あ、あたりまえじゃない!あんたみたいな変人は私しか合わないんだからっ!心配しなくても一緒にいてあげるわよっ!」

そんな事を赤い顔をしてモジモジしながら言ってくれるものだから、とても嬉しくて嬉しくて彼女を抱きしめたく近づいて両手をまわそうとしたら‥
腹にぼでーが刺さった。げせぬ。

そしてマルコイとアキーエは冒険者になるため、模倣スキル発現のきっかけともなるギルドの門をくぐるのだった。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

スキルは見るだけ簡単入手! ~ローグの冒険譚~

夜夢
ファンタジー
剣と魔法の世界に生まれた主人公は、子供の頃から何の取り柄もない平凡な村人だった。 盗賊が村を襲うまでは…。 成長したある日、狩りに出掛けた森で不思議な子供と出会った。助けてあげると、不思議な子供からこれまた不思議な力を貰った。 不思議な力を貰った主人公は、両親と親友を救う旅に出ることにした。 王道ファンタジー物語。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

処理中です...