48 / 100
第48話 コンビネーション
しおりを挟む
村人を蹴散らした軽自動車が茂みに突っ込んだ。
草木をクッションにしてどうにか停止する。
頭を上げたリクは後方を確認する。
轢殺された村人の死体が転がっていた。
リクはハンドルを叩いて大笑いする。
「はははっ! 一網打尽にしてやったぞ!」
「りっ君かっこいい!」
「惚れ直したか?」
「うん! もっと好きになった!」
二人は熱烈なキスをする。
互いの愛をひとしきり味わったところで、リクは散弾銃を持って車を降りた。
追突を受けた村人のうち、斧を持つ男が立ち上がる。
端にいたおかげで車に轢かれず、ぶつかっただけで済んだのだ。
全身が血だらけで片脚も折れているが、その目は明確な殺意を宿していた。
リクは男の前に立つと、散弾銃の引き金を引いた。
しかし弾は出ない。
何度か試した後、リクは原因に思い至る。
「あっ!? 弾切れじゃん!」
「うおおおおおぉぉぉォォォッ!」
男が斧を掲げて襲いかかる。
リクは横殴りの刃を躱すも、素早いタックルで押し倒された。
その際、後頭部を強打して呻く。
「うぎゃっ」
「生贄ごときが図に乗るな!」
激昂する男が斧を振り下ろす。
リクは咄嗟に散弾銃で受け止めた。
散弾銃と斧の柄が衝突し、刃が鼻先に触れる寸前で止まる。
間一髪で即死を免れたリクは、渾身の力で押し返す。
しかし、全体重をかけてくる男には敵わなかった。
徐々に迫る刃が鼻に当たり、じわりと血が滲み出す。
リクは泣きそうな顔で抵抗していた。
「んぎぎぎぎぎぎ……」
「りっ君にイジワルしないで!」
叫ぶナオが走り寄ってくる。
彼女は男の首を狙って剣鉈を振るう。
男は手で遮ろうとするも、その指を切断された。
さらに剣鉈は止まらず、片目を割って食い込む。
男は斧を離して悶絶した。
「あぎゃあっ」
リクは男を蹴り剥がし、散弾銃で殴り飛ばす。
そしてナオとハイタッチをした。
「ナイス! 良い攻撃だったな!」
「えへへ、テニス部の経験が役に立ったかな!」
「俺はサッカー部だ!」
はしゃぐ二人の前で男が苦しんでいた。
片目に刺さった剣鉈を掴み、引き抜こうとしていては躊躇っている。
指が欠損した片手は真っ赤な血を垂れ流していた。
リクはとどめを刺そうとして、足元に転がる自動拳銃に気付く。
さっそく拾い上げたリクは、男を狙って引き金を引いた。
けたたましい音と共に大量の弾丸が放たれる。
軌道上にいた男は蜂の巣になって死んだ。
拳銃は数秒とかからずに弾を撃ち尽くし、銃口から硝煙をくゆらせる。
想像以上の結果にリクは呆気に取られた。
「す、すげえ……さっきのマシンガンはこいつだったのか……」
その拳銃は違法改造でフルオート式となっていた。
弾倉も拡張されており、射撃精度を犠牲に瞬間的な火力を獲得している。
分類的にはマシンピストルと呼ばれる銃器であった。
リクは二種の銃を掲げて歓喜する。
「よっしゃー! 最強武器ゲットだ!」
「やったね!」
「死体から弾も貰おうぜ!」
「はーい!」
リクとナオは手分けして村人の死体を漁り始めた。
草木をクッションにしてどうにか停止する。
頭を上げたリクは後方を確認する。
轢殺された村人の死体が転がっていた。
リクはハンドルを叩いて大笑いする。
「はははっ! 一網打尽にしてやったぞ!」
「りっ君かっこいい!」
「惚れ直したか?」
「うん! もっと好きになった!」
二人は熱烈なキスをする。
互いの愛をひとしきり味わったところで、リクは散弾銃を持って車を降りた。
追突を受けた村人のうち、斧を持つ男が立ち上がる。
端にいたおかげで車に轢かれず、ぶつかっただけで済んだのだ。
全身が血だらけで片脚も折れているが、その目は明確な殺意を宿していた。
リクは男の前に立つと、散弾銃の引き金を引いた。
しかし弾は出ない。
何度か試した後、リクは原因に思い至る。
「あっ!? 弾切れじゃん!」
「うおおおおおぉぉぉォォォッ!」
男が斧を掲げて襲いかかる。
リクは横殴りの刃を躱すも、素早いタックルで押し倒された。
その際、後頭部を強打して呻く。
「うぎゃっ」
「生贄ごときが図に乗るな!」
激昂する男が斧を振り下ろす。
リクは咄嗟に散弾銃で受け止めた。
散弾銃と斧の柄が衝突し、刃が鼻先に触れる寸前で止まる。
間一髪で即死を免れたリクは、渾身の力で押し返す。
しかし、全体重をかけてくる男には敵わなかった。
徐々に迫る刃が鼻に当たり、じわりと血が滲み出す。
リクは泣きそうな顔で抵抗していた。
「んぎぎぎぎぎぎ……」
「りっ君にイジワルしないで!」
叫ぶナオが走り寄ってくる。
彼女は男の首を狙って剣鉈を振るう。
男は手で遮ろうとするも、その指を切断された。
さらに剣鉈は止まらず、片目を割って食い込む。
男は斧を離して悶絶した。
「あぎゃあっ」
リクは男を蹴り剥がし、散弾銃で殴り飛ばす。
そしてナオとハイタッチをした。
「ナイス! 良い攻撃だったな!」
「えへへ、テニス部の経験が役に立ったかな!」
「俺はサッカー部だ!」
はしゃぐ二人の前で男が苦しんでいた。
片目に刺さった剣鉈を掴み、引き抜こうとしていては躊躇っている。
指が欠損した片手は真っ赤な血を垂れ流していた。
リクはとどめを刺そうとして、足元に転がる自動拳銃に気付く。
さっそく拾い上げたリクは、男を狙って引き金を引いた。
けたたましい音と共に大量の弾丸が放たれる。
軌道上にいた男は蜂の巣になって死んだ。
拳銃は数秒とかからずに弾を撃ち尽くし、銃口から硝煙をくゆらせる。
想像以上の結果にリクは呆気に取られた。
「す、すげえ……さっきのマシンガンはこいつだったのか……」
その拳銃は違法改造でフルオート式となっていた。
弾倉も拡張されており、射撃精度を犠牲に瞬間的な火力を獲得している。
分類的にはマシンピストルと呼ばれる銃器であった。
リクは二種の銃を掲げて歓喜する。
「よっしゃー! 最強武器ゲットだ!」
「やったね!」
「死体から弾も貰おうぜ!」
「はーい!」
リクとナオは手分けして村人の死体を漁り始めた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio

【1分読書】意味が分かると怖いおとぎばなし
響ぴあの
ホラー
【1分読書】
意味が分かるとこわいおとぎ話。
意外な事実や知らなかった裏話。
浦島太郎は神になった。桃太郎の闇。本当に怖いかちかち山。かぐや姫は宇宙人。白雪姫の王子の誤算。舌切りすずめは三角関係の話。早く人間になりたい人魚姫。本当は怖い眠り姫、シンデレラ、さるかに合戦、はなさかじいさん、犬の呪いなどなど面白い雑学と創作短編をお楽しみください。
どこから読んでも大丈夫です。1話完結ショートショート。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。

女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる