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21.出張
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◇◇◇◇
生活に随分慣れてきた頃、御主人様の出張に連れて来てもらった。
出張の時だって性欲抑えられないもんね。
当初は性欲抑制剤を飲んで僕にお留守番をさせるつもりだったらしいが、生活に慣れたとは言えまだ信頼関係も脆い状態で置いていかれるとペットのストレスになるからとお医者さんに言われて気が変わったらしい。
ご主人様を信頼しているつもりだけど、御子神さんと絃真さんくらい長く一緒にいて築いた関係には及ばないようだ。
お医者さんから僕がご主人様の依存気味なのも分かっているから、一晩ならまだしも、突然3日も不在にするのは危険らしい。
個体によっては寂しすぎて、自傷行為?っていうのもすることがあるんだって。
だから信頼出来る人に預けたり、少しずつお留守番の時間を延ばして慣らしたりするみたい。
でもそんな時間は無いから一緒にお出掛けなんだ。嬉しい。
初めて飛行機に乗って、いつもと全然違う風景の地域にある大きくて豪華なホテルのロビーに着いて、僕は御主人様のチェックイン手続きが終わるのを待っていた。
「あ!絃真さんだ!」
大型犬種の絃真さんは大きいからすぐに分かる。
「純、久しぶり。お前も来てたのか」
「はい!僕、外でお泊りするの初めてだからソワソワしちゃって」
「そんなに楽しいわけじゃな……って、お前んとこの御主人様は開放的になっても青姦とかしないもんな。ウチのアイツが変態なだけだ」
アオカンって何?
絃真さんはいろいろ知っているなぁ。
「お前達もこのホテルだったのか」
そっか。御主人様と御子神さんのお仕事で関わっているから同じ場所に来てたんだね。
「玄道さん、ご無沙汰しています」
「ちょうど良かった。純が心配だったんだ。日中は絃真も暇だろう?用が無ければ少し構ってやってくれ」
「どうせランニングくらいしか暇潰ししていませんし、純が良いならかまいませんよ」
絃真さんと遊んで良いの?と僕はウキウキして耳と尻尾をピンと立てた。楽しみ。
「それで御子神は?」
「部屋に忘れ物して取りに行きました。もう戻ってくると思います」
そんな話をしていたら御子神がやってきた。
「嵐士さ~ん!純く~ん!久しぶりぃ。純くんは相変わらず可愛いねぇ」
「お久しぶりです。御子神さんはいつも格好良いですね」
「純、御子神にお世辞なんて言わなくて良いぞ」
お世辞でも無いんだけどね。
もちろん御主人様が一番格好良いですよ。
◇◇◇
夜、御主人様とお風呂に入り、イチャイチャとしていたら部屋のチャイムが鳴らされた。
ルームサービスも頼んでいないし、何だろうかと思って御主人様が見に行くと、ドアの外に絃真とその後ろに御子神が立っていた。
僕も様子を見に顔を出す。絃真さんもいるならお仕事の話じゃないよね?
「何の用だ?御子神」
「あー、ウチの駄犬がプレイを嫌がるんだよね」
「どうせお前が変なプレイをしようとしたんだろ?」
「え~、知らない人にプレイを見せようとしただけだよ」
「ったく、お前は……。それで、何故ここに?」
「ただのお仕置き。知らない人が嫌なら知っている人なら良いだろうって事で。お前もお願いしなさい」
良く見れば絃真さんは首輪にリードを繋がれ、シャツは前ボタンが全開で、レザーパンツも前ボタンが嵌まっていない。
セックス中に、とりあえず外に出れるように服を着直した感じ。
セックス中だったんだろうなと僕でも分かったのは、彼の身体の生々しい鬱血と、あと顔がね。いつもの凛々しそうな表情ではなくて蕩けているから。
僕もセックス中に鏡で自分の顔を見せられた事があって、その時のトロ顔に似てた。
リードを引っ張られて絃真さんが呻く。
「ほら早く。わんわんポーズで御主人様との交尾見てくださいって言うんだぞ」
絃真さんは、その場でしゃがみ込み、足を開いた蹲踞の態勢でグーにした両手を顔の横に添えて舌を出す。
「……ッ、玄道様、駄犬のわたくしめと御主人様の交尾を見てください。お願いします」
うぅっ、恥ずかしそう。でもすっごくエッチでドキドキした。
「お前らのプレイに付き合う気は無い」
御主人様は追い返そうとしたけれど、リードを上向きに引っ張られている絃真さんの喉が締まって顔が赤黒くなってきたから僕が止めに入った。
「見ますからっ!御子神さん、絃真さんを離してください!」
御子神さんは、渋々と手を放すと絃真さんは咳込んで呼吸を整える。
僕はそんな絃真さんを見て、何だか可哀想になってきた。
「純くんもエッチな気分になってきた?コイツがご奉仕する所を見て、セックスの勉強してみようか。セックス上手になったら、嵐士さんも喜ぶよ」
僕が簡単に騙されて目を輝かせると、御主人様は呆れた溜息を吐いて二人を中に通した。
「見るだけだからな。さっさとしろ」
御主人様はソファに腰かけると、僕も隣に密着して座らされた。
生活に随分慣れてきた頃、御主人様の出張に連れて来てもらった。
出張の時だって性欲抑えられないもんね。
当初は性欲抑制剤を飲んで僕にお留守番をさせるつもりだったらしいが、生活に慣れたとは言えまだ信頼関係も脆い状態で置いていかれるとペットのストレスになるからとお医者さんに言われて気が変わったらしい。
ご主人様を信頼しているつもりだけど、御子神さんと絃真さんくらい長く一緒にいて築いた関係には及ばないようだ。
お医者さんから僕がご主人様の依存気味なのも分かっているから、一晩ならまだしも、突然3日も不在にするのは危険らしい。
個体によっては寂しすぎて、自傷行為?っていうのもすることがあるんだって。
だから信頼出来る人に預けたり、少しずつお留守番の時間を延ばして慣らしたりするみたい。
でもそんな時間は無いから一緒にお出掛けなんだ。嬉しい。
初めて飛行機に乗って、いつもと全然違う風景の地域にある大きくて豪華なホテルのロビーに着いて、僕は御主人様のチェックイン手続きが終わるのを待っていた。
「あ!絃真さんだ!」
大型犬種の絃真さんは大きいからすぐに分かる。
「純、久しぶり。お前も来てたのか」
「はい!僕、外でお泊りするの初めてだからソワソワしちゃって」
「そんなに楽しいわけじゃな……って、お前んとこの御主人様は開放的になっても青姦とかしないもんな。ウチのアイツが変態なだけだ」
アオカンって何?
絃真さんはいろいろ知っているなぁ。
「お前達もこのホテルだったのか」
そっか。御主人様と御子神さんのお仕事で関わっているから同じ場所に来てたんだね。
「玄道さん、ご無沙汰しています」
「ちょうど良かった。純が心配だったんだ。日中は絃真も暇だろう?用が無ければ少し構ってやってくれ」
「どうせランニングくらいしか暇潰ししていませんし、純が良いならかまいませんよ」
絃真さんと遊んで良いの?と僕はウキウキして耳と尻尾をピンと立てた。楽しみ。
「それで御子神は?」
「部屋に忘れ物して取りに行きました。もう戻ってくると思います」
そんな話をしていたら御子神がやってきた。
「嵐士さ~ん!純く~ん!久しぶりぃ。純くんは相変わらず可愛いねぇ」
「お久しぶりです。御子神さんはいつも格好良いですね」
「純、御子神にお世辞なんて言わなくて良いぞ」
お世辞でも無いんだけどね。
もちろん御主人様が一番格好良いですよ。
◇◇◇
夜、御主人様とお風呂に入り、イチャイチャとしていたら部屋のチャイムが鳴らされた。
ルームサービスも頼んでいないし、何だろうかと思って御主人様が見に行くと、ドアの外に絃真とその後ろに御子神が立っていた。
僕も様子を見に顔を出す。絃真さんもいるならお仕事の話じゃないよね?
「何の用だ?御子神」
「あー、ウチの駄犬がプレイを嫌がるんだよね」
「どうせお前が変なプレイをしようとしたんだろ?」
「え~、知らない人にプレイを見せようとしただけだよ」
「ったく、お前は……。それで、何故ここに?」
「ただのお仕置き。知らない人が嫌なら知っている人なら良いだろうって事で。お前もお願いしなさい」
良く見れば絃真さんは首輪にリードを繋がれ、シャツは前ボタンが全開で、レザーパンツも前ボタンが嵌まっていない。
セックス中に、とりあえず外に出れるように服を着直した感じ。
セックス中だったんだろうなと僕でも分かったのは、彼の身体の生々しい鬱血と、あと顔がね。いつもの凛々しそうな表情ではなくて蕩けているから。
僕もセックス中に鏡で自分の顔を見せられた事があって、その時のトロ顔に似てた。
リードを引っ張られて絃真さんが呻く。
「ほら早く。わんわんポーズで御主人様との交尾見てくださいって言うんだぞ」
絃真さんは、その場でしゃがみ込み、足を開いた蹲踞の態勢でグーにした両手を顔の横に添えて舌を出す。
「……ッ、玄道様、駄犬のわたくしめと御主人様の交尾を見てください。お願いします」
うぅっ、恥ずかしそう。でもすっごくエッチでドキドキした。
「お前らのプレイに付き合う気は無い」
御主人様は追い返そうとしたけれど、リードを上向きに引っ張られている絃真さんの喉が締まって顔が赤黒くなってきたから僕が止めに入った。
「見ますからっ!御子神さん、絃真さんを離してください!」
御子神さんは、渋々と手を放すと絃真さんは咳込んで呼吸を整える。
僕はそんな絃真さんを見て、何だか可哀想になってきた。
「純くんもエッチな気分になってきた?コイツがご奉仕する所を見て、セックスの勉強してみようか。セックス上手になったら、嵐士さんも喜ぶよ」
僕が簡単に騙されて目を輝かせると、御主人様は呆れた溜息を吐いて二人を中に通した。
「見るだけだからな。さっさとしろ」
御主人様はソファに腰かけると、僕も隣に密着して座らされた。
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