恋を知ったら脱兎のごとく

如月 永

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   ◇◇◇

目が覚めると朝の8時を過ぎていた。
背中が温かい。そしてこの身体に巻き付いている手足は…………やっぱり夢じゃなかった。
昨日、変体した身体が疼いて仕方がなくなって、行きずりの相手をホテルに引っ張り込んだんだ。
あぁもうっ!痴漢みたいことして恥ずかしい!
僕は両手で顔を覆った。
「起きたの?」
「はっ、はい」
「ごめんね。なんか加減出来なくて無理させちゃったけど大丈夫?」
「多分……大丈夫、です」
僕は首を動かして声の主を見ようとするが、彼は引き寄せた僕の首の後ろに鼻を押し付けているので振り向けない。
「あの、恥ずかしいので……匂い、嗅がないでください」
そう言うと、男は腕に力を入れてさらに僕を引き寄せた。
まるで離したくないと言ってるみたいな力強い抱擁に僕はドキドキする。
「耳が引っ込んだら、随分クールになっちゃったね。もう甘えてくれないの?」
僕は頭を触ると兎耳は引っ込んでおり、人間の耳の形に戻っていて安堵する。
「助けて頂いてありがとうございました。ご迷惑もおかけしてすみませんでした」
「迷惑だなんて!俺はただ役得で、良い思いをさせてもらったよ」
「ひぃっ?!♡」
男はそう言いながら下半身に硬いものを押し付けてきて、僕は動揺する。
「まだ時間あるよ?もう一回くらい出来そうだけど、どう?」
男はさらに腰を振って勃起したペニスを擦りつけてきた。
尻の割れ目に沿って擦りつけられて、僕のアナルはキュンキュンと反応してしまう。
「あ、あのっ!兎の時じゃないと、そんなおっきいのは、入らない…んで」
「あんなにいっぱいしたんだから入りそうだけど」
男はそう言いながらも諦めきれないのか、僕の尻肉の谷間にペニスを挟んでゆっくりと腰を動かし始めた。
挿入されていないから痛くはないけれど、まるで擬似セックスをされているようで僕は妙な気分になってしまう。
「あっ♡あふっ♡」
「気持ち良くなってきた?俺の形、覚えてるか試してみようか」
指がくちゅくちゅと僕のアナルに入ってきて、中から昨日の残滓を掻き出そうとしているようだった。
指が内壁を擦る度に快感が押し寄せてくるので、僕はもどかしい刺激に自ら尻を振ってねだってしまった。
「まだ中が柔らかくて広がるから、大丈夫そうだよ」
「やっ、そんなっ!あぁっ!?んぐぅッ!♡♡♡」
男は僕の尻たぶを左右に割り開くと、一晩ですっかり柔らかくなってしまったアナルに再び自分の剛直を挿入してきたのだ。
太いものが入ってきて圧迫感はあったけれど、痛くはなかった。
むしろ昨日の快感が呼び起こされて気持ちが良かったくらいだ。
「おっきいの入ってくるぅ……っ♡♡苦しいぃ゛……ッ♡♡♡♡」
僕は腹に手を当てる。
その上から男は掌を重ねてきた。
それはまるでペニスの存在を確かめさせるようで、僕は余計に興奮してしまった。
「ほら、やっぱり入った。数時間前まで咥え込んでたんだから当然だよね」
「はっ……あぅッ♡やっ、動かさないでぇ!♡」
男は腰をグラインドさせ始める。
前立腺が刺激されてしまい、僕は慌てて制止するが聞く耳を持たない。それどころか段々と腰の動きが激しくなっていき、僕は昨日のように嬌声を上げ続けた。
「あ゛ァあっ♡♡♡♡だめっ♡♡そこぉお゛ッッ!!♡♡♡♡♡♡♡」僕の腰はビクビクと跳ね、同時にペニスから潮が吹き出した。それに続いてアナルも男を締め付ける。
しかし男は動きを止めなかった。
それどころか、ますます動きが激しくなっていくような気がするのだ。
ギシギシとベッドのスプリングが軋む音が部屋に響く。
お腹の中を掻き回される度に出てしまう甘ったるい僕の声が恥ずかしくて耳を塞ぎたかった。
「あっあっ!やっ、イッてるのぉおッ!!♡♡♡♡あァああぁ~~っっ!!!♡♡♡♡♡」
男は僕の身体を反転させると、正常位へと持ち込んだ。
「朝からこんなにエッチな顔が見れて嬉しいよ」
唇を塞がれて僕は喘ぎ声まで封じ込められる。舌を絡ませながら激しいピストンをされて、僕は考えるのをやめてしまった。
だって気持ち良いんだもん。キスが大好きな僕は、もっともっとと自分から求めるように舌を差し出した。
男はそれに応えてくれるかのように、僕の口内を蹂躙していく。
男に開発され続けたアナルは喜んで剛直に絡みつくように締め付けていて、まるで早く出して欲しいと懇願しているかのようだった。
だが、突然抜かれて僕は不満を声にする。
「抜いちゃやらぁ!♡♡」
「可愛いなぁもうっ」
男はまた僕の中にペニスを埋めてきた。
「あうっ♡♡きたぁ♡♡♡おちんぽ♡しゅきぃ……っ♡♡♡♡もっと、ずぽずぽしてぇ♡♡♡」
「そんなこと言ってたら、チェックアウトの時間までヤリ続けちゃいそうだから、お風呂行こっか」
「んぅうぅ……お風呂でもしてくれる?」
男は繋がったままの僕を抱え上げて、バスルームまで運んでくれた。
僕を抱えて歩くなんて楽勝みたいで軽々と支えられた僕は、男の首にしがみついて喜びの声を上げた。
きっと彼も僕を求めてくれているのだろう。
ゆさゆさと揺さぶられながら辿り着いた先で一旦降ろされたが、お湯が溜まるまでバスタブの縁に腰かけた男に背面座位の状態で抱えられながら、僕は下から突き上げられることになった。
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