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◇◇◇
スクラッチくじの当選金がだいぶ減ってきた頃、宝くじの販売が始まったのでまた伊久巳の導き通りの店と金額で買ってきた。
当選結果はもう少し先だ。
スクラッチくじとは、当選金の桁が違うのでドキドキする。
金額は分からないがある程度の金額は当たるだろう。
しかし、こんなに簡単に金を手に入れて良いのかと少々不安になる。
「良いんですか?こんな力の使い方して」
「半分は私のためだし、清一が思っているより神様というものは善でもないんだよ」
「善ではない?」
「神様というものは対価を要求したり、願いを叶えたり叶えなかったりは気分次第だ」
お供え物をして信心深い者がいればその人間にご利益を与えようと思うが、そうでない者はどんなに困っていても手助けなんてしない。ただ困っているだけで助けの手を出していたらキリが無いからだ。
それに現金なところもあって神様が気に入ればお供え物がなくともいくらでも手を貸すのだ。
「あと、信者が多いとご利益を少しずつしか分けてあげれないけれど、今私を必要としているのは清一だけだし、対価はもらっているから、宝くじくらいはお安いご用さ」
対価とは俺の精気のことだろう。
俺と伊久巳さんの関係はいたって良好で、ほぼ毎日セックスもしくは全身を舐められている。
寝不足になるほどぶっとい伊久巳のチンポで鳴かされるのは、仕事に行かなければならない俺はしんどいので毎日は勘弁してほしいと訴えた結果、挿入無しだけれど全身を舐められることとなった。
仕事を理由に愛を確かめられないのもそうだが、半日近くも仕事で俺が家を開けるのも寂しいと毎日嘆くので、今は退職の準備をしていいる。
その一つが宝くじだ。
それを元手に引っ越しと転職を予定していた。
しかし、宝くじの結果が出る前に突然大きく生活が変化した。
もしかしたら、寂しさから伊久巳の神様パワーが発動したのかもしれない。
まずは宝くじの結果を待たずに仕事を辞めた。
少し早まってしまい会社には迷惑をかけるが、重要なポストにいたわけでもない平社員が辞めても会社にダメージはない。
そして辞める前に使っていなかった有給も消化させてくれたので、その間に転職したのが次の変化だ。
きっかけは伊久巳とのお散歩だった。
伊久巳は縁を結んでくれる力もあるらしく、ある老人と仲良くなって、結果的に引退しようとしていた老人の経営している古書店を居住部分含めてほぼまるっと引き継いだ。
後継者もおらず、店を閉めるにしても商品の古書や建物を処分する費用のほうが高くなるので、悩んでいたそうだ。
老人の思い入れの強さもあって躊躇していた事もある。
金にならない商売だから、後継者探しも早々に諦めていたと話してくれた。
伊久巳のおかげでお金も困っていない俺には居住スペース付きの古書店は都合が良く、老人も俺が引き継ぐことで、悩みがすべて解決したと喜んでくれた。
もちろん店を継承するのは何かと大変なので、経営者の名前は老人のまま俺は雇われ店長のような形で、居住部は老人に賃貸契約を結んでもらって支払う事で、古書店の売上は俺が得ても良いとトントン拍子に決まった。
今まで住んでいたワンルームの部屋も引き払って、古書店から繋がる居住部分に住み始めた。
いくつか部屋あるが、まだほとんど物置状態で、おいおいリフォームしようと思っている。
新婚夫婦のように二人で生活用品を買い足したり、部屋のレイアウトを考えたり毎日楽しい。
ただ困るのは、日中でも伊久巳が求めてくることだろう。
漫画などが無く、元々客が少ない書店なので、暇を持て余すことが多い俺に伊久巳はちょっかいをかけてくる。
「ちょ、伊久巳さん。お店ではダメですって」
「客もいないし、もし客が入ってきてもここなら見えないよ」
最近はレジが入口側にある書店が多いが、昔は奥にレジがある店も多かった。
だから天井近くまである棚の死角になっていて、ここは店内に入らないと見えない。
来客はドアが開くとメロディーが流れる機器が付いているので気付かないわけはない。
「お客さん来たらすぐ止めてくれるんですか?」
「もちろん」
「………じゃあ、一回だけですからね?」
「嬉しい」
抱き着く伊久巳は、人間として実体化している姿だ。清一以外にも見える。
本来の姿には敵わないが整った容姿のため、近所のおばさん達にはイケメン外人が引っ越してしてきたと一晩で噂が広がったくらいだ。
おばさん達は毎日毎日伊久巳を見に来ていたが、あまり店に出ないようにしたら今は落ち着いた。
それからは二人きりになるといつもこうだ。
エッチな雰囲気になる度に何故か現れるおばさん達に邪魔された反動かな。
俺は万が一を考えて、下着と共にズボンだけを下ろす。
急にお客さんが入ってきても下だけならレジカウンターに隠れるから誤魔化せる。
こんなことを言ってはアレなんだけど、店内で触られるのは痴漢プレイみたいだし、立ったままするインスタントセックスは興奮する。
既に勃起しているペニスを露出させて、愛撫を受け入れる体勢になる。
突き出した俺の尻穴に伊久巳の舌が触れた。
伊久巳は日中、極力不自然じゃないような人型になっているので、舌も長くはなくて奥までは入って来ないのがもどかしい。
その代わりに伊久巳は俺のアナルを舐めながら、指を挿入してくる。
一本から二本へ、そして三本へと徐々に増やしていく。
「あぁ……んぅ……気持ち良いです」
前立腺を刺激されて腰が揺れる。
その度にペニスも振れて先走りを床に垂らす。
「伊久巳さん、大丈夫ですから挿れてください」
「もういいの?」
「……夜、またいっぱい舐めてくれるんでしょ?だから、舌じゃなくてもうおちんぽください」
俺は尻朶を両手で左右に割開いて、腰をフリフリと揺らして伊久巳を誘う。
「可愛いおねだりだね」
そう言うと、アナルに伊久巳のぺニスが押し当てられる。
実はぺニスも人間仕様で、カリ太で血管が浮き出たおちんぽだ。
ヘミペニスの時はカリ首の出っ張りがなくて笹の葉のように細い先端から中間部が太くなって、根本がまた若干細くなるという形だからかなり違う。
そのため初めて人間ちんぽを受け入れた時はびっくりした。
挿入直後に一番太いカリ首が括約筋を広げ、その後もそのカリ首の傘が中をひっかいていくのだ。
「ああーーっ!すごいぃ~!」
根元まで突き刺さったぺニスは結腸を突き破って腹の奥に到達した。
「はひっ、はひぃ、はふぅ……」
息を整える間も無く抽送が始まる。
ピストンの度にでっぷりと質量のある亀頭が結腸のすぼまりを出入りする。
大きな亀頭があるだけでこんなに違うとは思わなかった。
そこの快感を知っている体は貪欲にそれを享受しようとする。
慣れてくると結腸の弁がしゃぶりついた唇の如く吸い付いて、まるでバキュームフェラをしているようだ。
「あひぃっ!カリ高おちんぽぉ!ゴリゴリしてぇ、しゅごいのぉ!しゅき、これ好きぃ!」
「清一は人間のぺニスが好きなのかい?」
「ちがうのぉ!伊久巳さんのおちんぽなら人間ちんぽもぉ、二本のおちんぽもぉ、尻尾ちんぽでも全部好きぃ!」
「こらこら。嬉しいけれど、外に聞こえちゃうよ?」
声を抑えるのを忘れていた。
俺は唇を噛むように閉じて、それでも漏れてしまう喘ぎを抑えようと必死になった。
声を抑えなきゃならないなんて、やっぱり痴漢されてるみたいだ。興奮する。
そんな俺を見て伊久巳は笑う。
俺が感じて悶えている姿が嬉しくてたまらないらしい。
ズポッグポッと、肉と粘膜が擦れる音を立てながら伊久巳は俺の体を求める。
俺も応えるように脚をがに股にして踏ん張り、尻を振る。
俺を求めてくれる相手だから、もっと悦ばせたいと思う。
それは伊久巳も同じようで、一層激しく腰を打ち付けてきた。
パンッと肌を打つ音が響く。
結合部からは泡立った体液が溢れ出し、太腿を伝って床を汚す。
腰を振りながらも伊久巳は俺の上着の裾から忍ばせた手で乳首を摘まみ、コリコリと弄ってくれた。
セックス中はおちんちんより乳首のほうを弄られるのが好きだ。
その刺激が堪らず、俺は思わず仰け反ってしまった。
「あおぉん!?」
「ふふっ、どうしたんだい?急に犬みたいな鳴き声出して」
「あ、はふっ、だって……ちくび、気持ちいい」
両方の乳首を指先で転がされ、爪を立てられ、優しく撫でられる。
「おっ、おっ、おほっ、はぁ、はぁ……」
「おっぱい気持ちいいね」
「うんっ、うんっ、おっぱいイィ、ちぐびもっとぉ!」
伊久巳は俺の反応を楽しむかのように、緩急を付けて胸を責め続ける。
その間も、アナルには極太ちんぽが出入りし続けている。
俺のペニスからはダラダラと我慢汁が垂れ流し状態になっていて、伊久巳が腰を動かすたびにそれが飛び散る。
「清一、おっきい声出てるよ」
「あぁん、らってぇ……らってぇ!」
「気持ち良いもんねぇ」
揺さぶられるのに合わせて首をガクガクと振ってそうだと答える。
「でも清一は私だけのものだから、誰かにエッチな姿見せたくないな。だから声、我慢して?」
「んっ、がんばるぅ」
「いい子だ」
そう言って伊久巳は腰の動きを速めた。
パンッと肉がぶつかり合う音が激しくなる。
「んっ……んっ……ハッ、ハッ……くぅっ!うぅっ!!」
「ふふっ、声抑えると締まるね。気持ちいいよ」
耳元で囁かれる言葉にも反応してしまうが、俺は唇を強く噛み締めて、伊久巳の言う通りに声を殺す。
するとアナルがきゅっと引き絞られ、伊久巳のちんぽを食い千切らんばかりに締め付けるのだ。
そして伊久巳はその状態で更に抽送を加速させる。
パンッパチュパチュンと、淫猥な水音を響かせながらのピストン運動。
カリ首が前立腺を引っ掻いて、結腸を叩く。
激しい動きに結腸の弁が捲れ上がってしまう。
それでも伊久巳は容赦なくピストンを繰り返す。
やがて限界を迎えたのか、伊久巳は一度大きく深呼吸をして、それから勢い良く俺の直腸内に射精した。
どぷどぶぅぅぅぅ~~~~~~
体内に熱いものが広がっていく感覚に酔いしれながら俺も声を出さずに絶頂を迎える。
やばい、気持ちいい……。
膝が崩れ落ちそうなのを伊久巳が支えてくれた。
「私が店番してるからシャワー浴びておいで。一人で行ける?」
「はい。大丈夫ですけど、……ちょっとだけギュッとしててください」
「いいよ。愛しい人」
落ち着いた俺が事後処理を終えて戻ってきても、閉店まで客は来なかったのでずっと伊久巳とイチャイチャしながら過ごした。
雨が強くなり風も出てきたので、早仕舞をすることにする。
売上も無いから閉店作業と言ってもシャッターを閉めるくらいだった。
その2時間後。
夕飯を作りながら俺はプリプリと怒っていた。
それは昼間のことが原因だ。
「外に聞こえないようにしてたんだったら、俺が声を抑える必要なかったんじゃないですか!」
「オフィスラブは隠れて声を抑えるのが定番だろう?」
「変な昼ドラに感化されないでください!普通オフィスではエッチしません!」
しかも、声だけではなく客が入って来ないように結界というものも張っていたらしい。
売上も大切なんだから、それはさすがに辞めてほしい。
「声出さないのも気持ち良さそうだっのに」
「気持ち良くてもダメ!しばらくはお店でエッチなことは禁止ですからね!」
完全に禁止と言わないのが俺の甘いところだ。
一ヶ月くらいは我慢してもらおうと思っていたのに、しょぼんとした伊久巳を見ているのが堪えられなくて結局俺のほうからキスをした。
◇◇◇
日々が過ぎ、俺は大金を手にした。
宝くじだ。
結果は2億5千万円、と端数で160万円くらい。端数じゃないね!端数じゃないんだけど……2億の0の数を見ちゃったら、頭がバグる。
内訳は一等2億。前後賞の片方だけだったので5千万がプラスです。
年末のじゃない宝くじって、一等が10本もあるんだね。
ロットとかよく分からないし、そもそも買ったこと無いから知らなかったよ。
端数……じゃなかった、約160万円はよく使う口座へ入れて、あとは当選金を受けとった銀行で新しく口座を作って全部入れてもらった。
家に帰った頃には興奮したせいでヘロヘロになってしまっていた。
「伊久巳さぁん、見てください。凄い金額ですよ」
「私はお金より、清一が買ってきてくれたプリンのほうが嬉しい」
「プリン買うのもお金がいるんです!」
ちなみにわざわざ百貨店まで行って一つ500円もする高級卵も買ってきている。大奮発だ。
「お金に興味は無いけれど、清一が嬉しいなら私も嬉しい」
「ああ、もう一生苦労しませんね」
「一生?無理だよ」
老後は2千万円くらいあれば良いなんてテレビでやってたけど、多く見積もって二人で1億と考えたって余りあるはずだ。
「清一には話してなかったね。これだけ私の精気を受けているんだから、人間の倍くらい生きるよ」
男性の平均寿命が81歳くらいだから倍で160歳?!
長生きの100歳と仮定して二倍にすれば200歳だよ!
俺ってそんなに長生きするのか。そうなるとやっぱり資金は足りないかも。
そういう問題じゃないと伊久巳は説明してくれた。
「ああ、それと。見た目も変わらず長く生きるとね、同じ場所には長く住めないんだよ。ここも10年とか長くて20年かな」
「え!?見た目変わらないの?伊久巳さんだけじゃなくて俺も?」
「私の伴侶になったからには、もう神の世界に片足突っ込んでいるようなものだからね」
「ひぇ~」
壮大な話になってきた。
長生きで歳もとらない。いや、気のせいかもしれないけれど最近ちょっと若返っているような気もしていたのだ。それも神様の精気のせいか?
「清一は私のお嫁さんだから、死んでもらったら困るよ」
「そうかもしれないですけどね!でも寿命は二倍に伸びたとしても、結果的に死ぬんじゃないですか?」
「そうだね。流石に人間の肉体に限界はある。肉体が限界を迎えた後は、二人で神様の世界に移り住めば良いからずっと一緒だよ」
伊久巳さんとずっと一緒にいれると思ったら胸が温かくなった。
そしてその日は夜遅くまで話し込んでしまった。
定期的に転々と移り住まなければならないのであれば、日本一周出来るかもしれないとか、山を買って自給自足も良いかもしれないとか将来への不安よりも期待の方が大きかった。
「伊久巳さん、もう俺に話してないことありませんか?夫夫に隠し事は無しですよ」
「ふふふっ、神様の世界に行ったら驚かせたい事があるから、一つだけ秘密があるかな」
「何ですかそれ!今知りたいです!」
「刺激が無くなってマンネリしないようにまだ秘密。清一は絶対驚くし喜ぶと思うんだ」
「も~~!そこまで言って内緒にするんですか!伊久巳さんの意地悪!」
結局フフフと笑うだけで教えてくれなかった。
ずっとずっと先までサプライズがあるなんて楽しみだなぁと俺は思った。
==========
2023.3.15 脱字訂正。
スクラッチくじの当選金がだいぶ減ってきた頃、宝くじの販売が始まったのでまた伊久巳の導き通りの店と金額で買ってきた。
当選結果はもう少し先だ。
スクラッチくじとは、当選金の桁が違うのでドキドキする。
金額は分からないがある程度の金額は当たるだろう。
しかし、こんなに簡単に金を手に入れて良いのかと少々不安になる。
「良いんですか?こんな力の使い方して」
「半分は私のためだし、清一が思っているより神様というものは善でもないんだよ」
「善ではない?」
「神様というものは対価を要求したり、願いを叶えたり叶えなかったりは気分次第だ」
お供え物をして信心深い者がいればその人間にご利益を与えようと思うが、そうでない者はどんなに困っていても手助けなんてしない。ただ困っているだけで助けの手を出していたらキリが無いからだ。
それに現金なところもあって神様が気に入ればお供え物がなくともいくらでも手を貸すのだ。
「あと、信者が多いとご利益を少しずつしか分けてあげれないけれど、今私を必要としているのは清一だけだし、対価はもらっているから、宝くじくらいはお安いご用さ」
対価とは俺の精気のことだろう。
俺と伊久巳さんの関係はいたって良好で、ほぼ毎日セックスもしくは全身を舐められている。
寝不足になるほどぶっとい伊久巳のチンポで鳴かされるのは、仕事に行かなければならない俺はしんどいので毎日は勘弁してほしいと訴えた結果、挿入無しだけれど全身を舐められることとなった。
仕事を理由に愛を確かめられないのもそうだが、半日近くも仕事で俺が家を開けるのも寂しいと毎日嘆くので、今は退職の準備をしていいる。
その一つが宝くじだ。
それを元手に引っ越しと転職を予定していた。
しかし、宝くじの結果が出る前に突然大きく生活が変化した。
もしかしたら、寂しさから伊久巳の神様パワーが発動したのかもしれない。
まずは宝くじの結果を待たずに仕事を辞めた。
少し早まってしまい会社には迷惑をかけるが、重要なポストにいたわけでもない平社員が辞めても会社にダメージはない。
そして辞める前に使っていなかった有給も消化させてくれたので、その間に転職したのが次の変化だ。
きっかけは伊久巳とのお散歩だった。
伊久巳は縁を結んでくれる力もあるらしく、ある老人と仲良くなって、結果的に引退しようとしていた老人の経営している古書店を居住部分含めてほぼまるっと引き継いだ。
後継者もおらず、店を閉めるにしても商品の古書や建物を処分する費用のほうが高くなるので、悩んでいたそうだ。
老人の思い入れの強さもあって躊躇していた事もある。
金にならない商売だから、後継者探しも早々に諦めていたと話してくれた。
伊久巳のおかげでお金も困っていない俺には居住スペース付きの古書店は都合が良く、老人も俺が引き継ぐことで、悩みがすべて解決したと喜んでくれた。
もちろん店を継承するのは何かと大変なので、経営者の名前は老人のまま俺は雇われ店長のような形で、居住部は老人に賃貸契約を結んでもらって支払う事で、古書店の売上は俺が得ても良いとトントン拍子に決まった。
今まで住んでいたワンルームの部屋も引き払って、古書店から繋がる居住部分に住み始めた。
いくつか部屋あるが、まだほとんど物置状態で、おいおいリフォームしようと思っている。
新婚夫婦のように二人で生活用品を買い足したり、部屋のレイアウトを考えたり毎日楽しい。
ただ困るのは、日中でも伊久巳が求めてくることだろう。
漫画などが無く、元々客が少ない書店なので、暇を持て余すことが多い俺に伊久巳はちょっかいをかけてくる。
「ちょ、伊久巳さん。お店ではダメですって」
「客もいないし、もし客が入ってきてもここなら見えないよ」
最近はレジが入口側にある書店が多いが、昔は奥にレジがある店も多かった。
だから天井近くまである棚の死角になっていて、ここは店内に入らないと見えない。
来客はドアが開くとメロディーが流れる機器が付いているので気付かないわけはない。
「お客さん来たらすぐ止めてくれるんですか?」
「もちろん」
「………じゃあ、一回だけですからね?」
「嬉しい」
抱き着く伊久巳は、人間として実体化している姿だ。清一以外にも見える。
本来の姿には敵わないが整った容姿のため、近所のおばさん達にはイケメン外人が引っ越してしてきたと一晩で噂が広がったくらいだ。
おばさん達は毎日毎日伊久巳を見に来ていたが、あまり店に出ないようにしたら今は落ち着いた。
それからは二人きりになるといつもこうだ。
エッチな雰囲気になる度に何故か現れるおばさん達に邪魔された反動かな。
俺は万が一を考えて、下着と共にズボンだけを下ろす。
急にお客さんが入ってきても下だけならレジカウンターに隠れるから誤魔化せる。
こんなことを言ってはアレなんだけど、店内で触られるのは痴漢プレイみたいだし、立ったままするインスタントセックスは興奮する。
既に勃起しているペニスを露出させて、愛撫を受け入れる体勢になる。
突き出した俺の尻穴に伊久巳の舌が触れた。
伊久巳は日中、極力不自然じゃないような人型になっているので、舌も長くはなくて奥までは入って来ないのがもどかしい。
その代わりに伊久巳は俺のアナルを舐めながら、指を挿入してくる。
一本から二本へ、そして三本へと徐々に増やしていく。
「あぁ……んぅ……気持ち良いです」
前立腺を刺激されて腰が揺れる。
その度にペニスも振れて先走りを床に垂らす。
「伊久巳さん、大丈夫ですから挿れてください」
「もういいの?」
「……夜、またいっぱい舐めてくれるんでしょ?だから、舌じゃなくてもうおちんぽください」
俺は尻朶を両手で左右に割開いて、腰をフリフリと揺らして伊久巳を誘う。
「可愛いおねだりだね」
そう言うと、アナルに伊久巳のぺニスが押し当てられる。
実はぺニスも人間仕様で、カリ太で血管が浮き出たおちんぽだ。
ヘミペニスの時はカリ首の出っ張りがなくて笹の葉のように細い先端から中間部が太くなって、根本がまた若干細くなるという形だからかなり違う。
そのため初めて人間ちんぽを受け入れた時はびっくりした。
挿入直後に一番太いカリ首が括約筋を広げ、その後もそのカリ首の傘が中をひっかいていくのだ。
「ああーーっ!すごいぃ~!」
根元まで突き刺さったぺニスは結腸を突き破って腹の奥に到達した。
「はひっ、はひぃ、はふぅ……」
息を整える間も無く抽送が始まる。
ピストンの度にでっぷりと質量のある亀頭が結腸のすぼまりを出入りする。
大きな亀頭があるだけでこんなに違うとは思わなかった。
そこの快感を知っている体は貪欲にそれを享受しようとする。
慣れてくると結腸の弁がしゃぶりついた唇の如く吸い付いて、まるでバキュームフェラをしているようだ。
「あひぃっ!カリ高おちんぽぉ!ゴリゴリしてぇ、しゅごいのぉ!しゅき、これ好きぃ!」
「清一は人間のぺニスが好きなのかい?」
「ちがうのぉ!伊久巳さんのおちんぽなら人間ちんぽもぉ、二本のおちんぽもぉ、尻尾ちんぽでも全部好きぃ!」
「こらこら。嬉しいけれど、外に聞こえちゃうよ?」
声を抑えるのを忘れていた。
俺は唇を噛むように閉じて、それでも漏れてしまう喘ぎを抑えようと必死になった。
声を抑えなきゃならないなんて、やっぱり痴漢されてるみたいだ。興奮する。
そんな俺を見て伊久巳は笑う。
俺が感じて悶えている姿が嬉しくてたまらないらしい。
ズポッグポッと、肉と粘膜が擦れる音を立てながら伊久巳は俺の体を求める。
俺も応えるように脚をがに股にして踏ん張り、尻を振る。
俺を求めてくれる相手だから、もっと悦ばせたいと思う。
それは伊久巳も同じようで、一層激しく腰を打ち付けてきた。
パンッと肌を打つ音が響く。
結合部からは泡立った体液が溢れ出し、太腿を伝って床を汚す。
腰を振りながらも伊久巳は俺の上着の裾から忍ばせた手で乳首を摘まみ、コリコリと弄ってくれた。
セックス中はおちんちんより乳首のほうを弄られるのが好きだ。
その刺激が堪らず、俺は思わず仰け反ってしまった。
「あおぉん!?」
「ふふっ、どうしたんだい?急に犬みたいな鳴き声出して」
「あ、はふっ、だって……ちくび、気持ちいい」
両方の乳首を指先で転がされ、爪を立てられ、優しく撫でられる。
「おっ、おっ、おほっ、はぁ、はぁ……」
「おっぱい気持ちいいね」
「うんっ、うんっ、おっぱいイィ、ちぐびもっとぉ!」
伊久巳は俺の反応を楽しむかのように、緩急を付けて胸を責め続ける。
その間も、アナルには極太ちんぽが出入りし続けている。
俺のペニスからはダラダラと我慢汁が垂れ流し状態になっていて、伊久巳が腰を動かすたびにそれが飛び散る。
「清一、おっきい声出てるよ」
「あぁん、らってぇ……らってぇ!」
「気持ち良いもんねぇ」
揺さぶられるのに合わせて首をガクガクと振ってそうだと答える。
「でも清一は私だけのものだから、誰かにエッチな姿見せたくないな。だから声、我慢して?」
「んっ、がんばるぅ」
「いい子だ」
そう言って伊久巳は腰の動きを速めた。
パンッと肉がぶつかり合う音が激しくなる。
「んっ……んっ……ハッ、ハッ……くぅっ!うぅっ!!」
「ふふっ、声抑えると締まるね。気持ちいいよ」
耳元で囁かれる言葉にも反応してしまうが、俺は唇を強く噛み締めて、伊久巳の言う通りに声を殺す。
するとアナルがきゅっと引き絞られ、伊久巳のちんぽを食い千切らんばかりに締め付けるのだ。
そして伊久巳はその状態で更に抽送を加速させる。
パンッパチュパチュンと、淫猥な水音を響かせながらのピストン運動。
カリ首が前立腺を引っ掻いて、結腸を叩く。
激しい動きに結腸の弁が捲れ上がってしまう。
それでも伊久巳は容赦なくピストンを繰り返す。
やがて限界を迎えたのか、伊久巳は一度大きく深呼吸をして、それから勢い良く俺の直腸内に射精した。
どぷどぶぅぅぅぅ~~~~~~
体内に熱いものが広がっていく感覚に酔いしれながら俺も声を出さずに絶頂を迎える。
やばい、気持ちいい……。
膝が崩れ落ちそうなのを伊久巳が支えてくれた。
「私が店番してるからシャワー浴びておいで。一人で行ける?」
「はい。大丈夫ですけど、……ちょっとだけギュッとしててください」
「いいよ。愛しい人」
落ち着いた俺が事後処理を終えて戻ってきても、閉店まで客は来なかったのでずっと伊久巳とイチャイチャしながら過ごした。
雨が強くなり風も出てきたので、早仕舞をすることにする。
売上も無いから閉店作業と言ってもシャッターを閉めるくらいだった。
その2時間後。
夕飯を作りながら俺はプリプリと怒っていた。
それは昼間のことが原因だ。
「外に聞こえないようにしてたんだったら、俺が声を抑える必要なかったんじゃないですか!」
「オフィスラブは隠れて声を抑えるのが定番だろう?」
「変な昼ドラに感化されないでください!普通オフィスではエッチしません!」
しかも、声だけではなく客が入って来ないように結界というものも張っていたらしい。
売上も大切なんだから、それはさすがに辞めてほしい。
「声出さないのも気持ち良さそうだっのに」
「気持ち良くてもダメ!しばらくはお店でエッチなことは禁止ですからね!」
完全に禁止と言わないのが俺の甘いところだ。
一ヶ月くらいは我慢してもらおうと思っていたのに、しょぼんとした伊久巳を見ているのが堪えられなくて結局俺のほうからキスをした。
◇◇◇
日々が過ぎ、俺は大金を手にした。
宝くじだ。
結果は2億5千万円、と端数で160万円くらい。端数じゃないね!端数じゃないんだけど……2億の0の数を見ちゃったら、頭がバグる。
内訳は一等2億。前後賞の片方だけだったので5千万がプラスです。
年末のじゃない宝くじって、一等が10本もあるんだね。
ロットとかよく分からないし、そもそも買ったこと無いから知らなかったよ。
端数……じゃなかった、約160万円はよく使う口座へ入れて、あとは当選金を受けとった銀行で新しく口座を作って全部入れてもらった。
家に帰った頃には興奮したせいでヘロヘロになってしまっていた。
「伊久巳さぁん、見てください。凄い金額ですよ」
「私はお金より、清一が買ってきてくれたプリンのほうが嬉しい」
「プリン買うのもお金がいるんです!」
ちなみにわざわざ百貨店まで行って一つ500円もする高級卵も買ってきている。大奮発だ。
「お金に興味は無いけれど、清一が嬉しいなら私も嬉しい」
「ああ、もう一生苦労しませんね」
「一生?無理だよ」
老後は2千万円くらいあれば良いなんてテレビでやってたけど、多く見積もって二人で1億と考えたって余りあるはずだ。
「清一には話してなかったね。これだけ私の精気を受けているんだから、人間の倍くらい生きるよ」
男性の平均寿命が81歳くらいだから倍で160歳?!
長生きの100歳と仮定して二倍にすれば200歳だよ!
俺ってそんなに長生きするのか。そうなるとやっぱり資金は足りないかも。
そういう問題じゃないと伊久巳は説明してくれた。
「ああ、それと。見た目も変わらず長く生きるとね、同じ場所には長く住めないんだよ。ここも10年とか長くて20年かな」
「え!?見た目変わらないの?伊久巳さんだけじゃなくて俺も?」
「私の伴侶になったからには、もう神の世界に片足突っ込んでいるようなものだからね」
「ひぇ~」
壮大な話になってきた。
長生きで歳もとらない。いや、気のせいかもしれないけれど最近ちょっと若返っているような気もしていたのだ。それも神様の精気のせいか?
「清一は私のお嫁さんだから、死んでもらったら困るよ」
「そうかもしれないですけどね!でも寿命は二倍に伸びたとしても、結果的に死ぬんじゃないですか?」
「そうだね。流石に人間の肉体に限界はある。肉体が限界を迎えた後は、二人で神様の世界に移り住めば良いからずっと一緒だよ」
伊久巳さんとずっと一緒にいれると思ったら胸が温かくなった。
そしてその日は夜遅くまで話し込んでしまった。
定期的に転々と移り住まなければならないのであれば、日本一周出来るかもしれないとか、山を買って自給自足も良いかもしれないとか将来への不安よりも期待の方が大きかった。
「伊久巳さん、もう俺に話してないことありませんか?夫夫に隠し事は無しですよ」
「ふふふっ、神様の世界に行ったら驚かせたい事があるから、一つだけ秘密があるかな」
「何ですかそれ!今知りたいです!」
「刺激が無くなってマンネリしないようにまだ秘密。清一は絶対驚くし喜ぶと思うんだ」
「も~~!そこまで言って内緒にするんですか!伊久巳さんの意地悪!」
結局フフフと笑うだけで教えてくれなかった。
ずっとずっと先までサプライズがあるなんて楽しみだなぁと俺は思った。
==========
2023.3.15 脱字訂正。
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性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
淫愛家族
箕田 悠
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
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