蛇の恩返し

如月 永

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   ◇◇◇

「伊久巳さん。いつも最後まで起きていられなくてごめんさい」
「人間は脆いことは知っているからね。謝らなくていい」
「でも後始末までさせてるし……」
「後始末というより、私が精気たっぷりの清一の身体を舐めるのが好きだから」
そうは言うけれど、俺ばかり気持ち良い奉仕をされているようで気が引ける。
だから言ってみる。
「今晩は俺が伊久巳さんのを、舐めっ、舐めてあげます!」
恥ずかしくて最後は声が小さくなったけど、ちゃんと言えた。
すると伊久巳は目を丸くした後、口元を押さえて肩を震わせていた。
勇気を出して言ったのに笑われた!?と恥ずかしさに涙目になっていると、感動して震えていたようだ。
「嬉しいよ!可愛い清一。私のお嫁さん。楽しみだなぁ、ふふっ」
喜ばれるとこそばゆい。
だけど伊久巳が喜んでくれているのを見て顔が緩んだ。


そして夜。
「さあ、舐めて」
ベッドに座った伊久巳が恥ずかしげもなく足を開く。
その股間には立派なヘミペニスがある。
思わずごくりと唾を飲み込む。
おずおずと顔を近づけると、ピクンとぺニスが揺れる。
「伊久巳さん、興奮してますか?」
「当前だろう。可愛い清一のお口で舐めてもらえるんだから」
「初めてなので……下手くそでもがっかりしないでくださいね」
申し訳なさそうに言ったのだけれど、伊久巳さんのぺニスが太くなった気がするけれど気のせいか?
まずは二本のそびえ立つぺニスの先端にキスで挨拶をする。
それから舌を伸ばして裏筋をペロリと舐め、今度は先端を口に含むと、ちゅっと吸ってみた。
それから舌先で尿道口をチロチロと刺激したり、唇でハムハムと挟んでいると、だんだん先走りが溢れてきた。
二本の陰茎を両手にそれぞれ持ち、片方をジュポジュポジュポとしゃぶってからもう片方をジュポジュポジュポと同じようにしゃぶる。
夢中になって交互にしゃぶり続けていると、頭を撫でられた。
上目遣いで伊久巳を見ると、発情した視線で俺を見ていた。
「清一、もう少し奥まで入るかい?」
言われた通りに喉の奥まで口に含んでみるが、反射的に嘔吐反応が起こる。
喉奥を舐められるディープキスは気持ち良いのだから、きっと気持ち良くなると嘔吐きそうになったのを我慢する。
「こらこら、無理をするな」
「ケホッ……、伊久巳さん。キスしてください。喉、舐められたらもう少しフェラも上手に出来ると思うので」
「ふふっ、頑張り屋さんだね」
伊久巳の唇に吸い付き、お互いの舌を絡め合う。
次第に伊久巳の長い舌は咽頭を舐める。
陰茎よりは細くて柔らかい舌が奥が広がるように舐めてくれ、その間にも伊久巳の手は俺の乳首を弄ったりしている。
そうされると俺も段々と感じてきて、腰が揺れてしまう。
気持ち良いほうが喉が開くんだと思った。
やがて舌が抜けてキスが終わる。
喉は性感帯に変わっており、今度は上手にフェラチオが出来そうだった。
「もう一回、しゃぶらせてください」
伊久巳のペニスは大きいのでなかなか奥には入らなかったが、嘔吐きそうになった瞬間に開きやすくなっていた喉奥にズルッと陰茎が入る。
息苦しくて生理的な涙が出るが、それがまた快感だった。
俺はしゃぶっていないヘミペニスの片割れを握って擦りながら、気持ち良い角度を探して無理ない程度に頭を上下に揺すった。
「んっ、いいぞ」
伊久巳の感じ入った声が聞こえる。
本当は俺の頭を押さえつけてもっと激しく動かしたいのを我慢してくれているのが分かる。
その証拠に腰を揺らし始めた。
喉を突かれる度に、自分のアナルがギュッギュと締まり、震えるほどの快感が点る。
ジュポ、グチュッグチャ、ズリュ、グボォ、ヌポッ、ブピュ、クプッ……
俺の喉から出る音と、唾液と伊久巳の体液が混ざった水音が響く。
奉仕していたつもりなのにいつの間にか伊久巳に犯されているような錯覚に、俺の身体は昂っていた。
「ああ、清一、清一!もうイきそうだっ、出すよっ!」
伊久巳の切羽詰まった声が聞こえた。
「飲んでっ!私の精液、清一のお口で全部飲んでっ!!」
口腔に大量の熱い精液が放たれ、同時にもう一本のペニスからも白濁が噴出する。
ビュルルルルーー!!ビュッ、ビューー!!! 
「うぐぅっ、ゲホゲホッ、ゴフッ……」
あまりの勢いに咽せてしまった。
「大丈夫かい?」
こくりと頷いて、飲めずに手を濡らした精液を舐め取る。
苦いけれど、これが伊久巳の味だと思うと美味しく思えた。
そして、まだ萎えていないぺニスにも付いたままの残滓をペロペロと舐めて綺麗にする。
伊久巳のモノなら、いくらでも舐められそうだった。
「伊久巳さんが舐めるのが好きっていう気持ち、……何となく分かりました」
照れ隠しに言うと、伊久巳は嬉しそうな顔でキスしてきた。
そのままベッドに押し倒されて、脚を開かされる。
恥ずかしかったけど、期待してヒクンと反応する蕾が丸見えになった。
「そうだろう、そうだろう。では今度は私の番だな」
伊久巳は舌舐めずりをして、ヒクつく後孔に舌を入れた。
ヌルリとした伊久巳の舌は内壁を探り、前立腺を探し当てるとそこを重点的に責め始めた。
「ああっ、伊久巳さぁん、やあん、だめぇ」
ビクビクと跳ねる俺の腰をしっかりと押さえつけ、伊久巳は俺の後孔を舐め続ける。
「ふふふ、清一のココは美味しいね。それにすごく敏感だし、可愛いよ。ほら、こんなにキュウキュウ締め付けて……。指も入れてあげるね」
伊久巳は人差し指と中指を揃えて挿入し、抜き挿しを始めた。
「くぅん、伊久巳さん……、もっとぉ……!」
「もっと?こうかな」
二本の指が激しく出し入れされ、グチュグチュと卑猥な音を立てる。
「ちがっ、もっと奥まで……、奥まで欲しいんですっ!」
「ふふふ、欲張りだね。でも舐め始めたばかりなんだからまだおちんぽはおあずけだよ」
そう言って、左右二本ずつの指で慎ましいすぼまりを開きなが、、舌を激しく抽送し始めた。
「あああっ、気持ち良いですっ!伊久巳さんの舌がおしりを掻き混ぜてるぅっ」
伊久巳は小さく笑って、ジュルジュルとアナルを強く吸い上げた。
「ひぃっ!ダメッ、そんなに強く吸わないでくださっ、あああああーっ!」
俺は呆気なく達してしまった。
当然出した精子は伊久巳が美味しそうに食べてしまう。
「美味、美味」
射精後の脱力感にぼんやりしていると、頬っぺたを舐められた。
流れた涙も俺の体液は全部伊久巳さんには甘露に思えるようだ。
「清一、愛しているよ。だからもっともっと、私に乱れる姿を見せておくれ」
「はい、伊久巳さんのおちんぽで乱れさせてください」
俺に覆い被さってきた伊久巳と、再び身体を繋げた。
グズグズに蕩けたアナルに、伊久巳のペニスがズブズブと侵入してくる。
「あ、あ……、伊久巳さんっ、好き、大好き……」
「私も好きだよ。君が可愛くて仕方がない。ほら、もう全部入っちゃった」
伊久巳さんは腰を振りながら、俺の胸の突起を摘まんだ。
コリコリと刺激されると、すぐに乳首が勃起してしまう。
伊久巳は腰の動きを止めないまま俺の右の乳首を唇に含み、左は手で弄り回した。
両方の性感帯を同時に責められて、俺はもう何も考えられなくなってしまう。
「あーっ!あーっ!両方はだめっ、おかしくなるっ!」
「いいよ、もっと感じてごらん」
伊久巳はさらに強く乳首を噛むと、腰を大きくグラインドさせた。
ゴリゴリと擦られる腸壁に快感を感じていると、伊久巳が動く度に、結合部からは淫靡な音が響き、身体の奥が熱くなる。
時々入ってくるチンポが変わる。
伊久巳が与えてくれる快楽に身を委ねているうちに、身体中の細胞が作り替えられるような感覚に襲われる。
それが怖くて、伊久巳にしがみついた。
伊久巳は優しく頭を撫でてくれて、安心して身を任せることができた。
やがて伊久巳のペニスが膨らんできて、俺の中で脈打つ。
「清一、愛してるよ」
ビュルルルー!!ビュルルルー!!
「うあっ、熱いのいっぱい出てるっ、ああぁっ!」
大量の精液を注がれ、伊久巳の精気が体内で弾けるのを感じて、俺も同時に果てた。
その後も、繋がりを解いてチンポを入れ変えると先ほどと同じ体勢で再び動き始める。
一度中で出された精液が、ぐちゅぐちゅと音を立て泡立つのを感じる。
伊久巳が再び中に出して、また次へ……。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
何度もイかされて、体力の限界だった。


やはりセックスの最中に意識が飛んでしまったようで、俺は重い身体を横たえたまま首を動かした。
すると、伊久巳の姿はなく、代わりに大きなベッドの上に白蛇がとぐろを巻いていてびっくりする。
丸まっているので長さは分からないが胴回りは直径5cmくらいだろう。
蛇ではあるが、それは伊久巳なのは間違いない。
「伊久巳さんの蛇姿、初めて会った時以来ですね。あの時より大きくなりました?」
今と逃がしてあげた時とでは、親蛇と子蛇くらいの差がある。
俺がひんやりすべすべとしている伊久巳を撫で話しかけると、シュルリとこちらに近付いてきた。
そのまま俺の肩に巻き付くと、チロチロと舌を出して頬っぺたを舐める。
くすぐったさに笑っていると、耳元で囁かれた。
《あの時は弱ってたからね。でもこんなに回復した》
いつもより高めのトーンの声は、どこか艶っぽかった。
伊久巳は蛇の姿のまま、全裸の俺の身体を、ゆっくりと這っていく。
俺はその感触にゾクゾクしながら、伊久巳を見つめていた。
「どうして蛇の姿になったんですか?」
《清一が可愛い過ぎてちょっと頑張りすぎてしまったみたいで》
「何やってるんですか、あなたは」
射精で疲れてしまう人間と同じように、精気がたっぷり篭った精液を何度も何度も放出すれば神様だって疲れる。
ちょっと情けなさそうな顔をしながら伊久巳は俺の太股に頭を乗せてきた。
俺はそんな伊久巳が愛おしくて頭を人差し指で頭を撫でる。
チロチロと見え隠れする舌も可愛い。
「伊久巳さんはどんな姿でも綺麗ですね」
そう言ってやると、伊久巳は嬉しそうに目を細めた。
《褒められるのは嬉しいけれど、このままだと清一を抱き締められないから困るな。だから清一、手伝って》
「手伝い?何をすればいいですか」
《精気をくれれば良い》
「あ……、精気ですね。良いですけど」
俺が了承すると、伊久巳は俺のチンポに頭をくっつける。
俺の鈴口と伊久巳の口でキスしているようだ。
「ああっ……!伊久巳さんっ!」
舌が尿道に入ってきた。
《舐めててあげてるから、清一はおちんちんシコシコして早く精気ちょうだい》
「んっ、はい……」
言われるがまま、自分のチンポを握る。
伊久巳は俺の尿道をペロペロと丁寧に嘗め回していて、まるで小さな性器に舌チンポが挿入されているかのようだ。
「はぁ、はぁ、ペロペロ気持ちいいっ!伊久巳さぁんっ!」
パカッと開けた伊久巳の口に、ドピュッと射精した。
牙があるから流石にしゃぶってもらえないけれど。
伊久巳は喉を鳴らして飲み込んでくれる。
《もっと出してくれるかい?》
尻尾の端が後孔を突っつく。
「尻尾、入れてくれるんですか?」
《うん。ダメかな?》
伊久巳は首を傾げて可愛らしく聞いてくる。
つぶらな瞳はキラキラしていて可愛い。俺は迷わずOKを出した。
だって、蛇姿の伊久巳にも犯されるなんて想像したら、もう我慢できなかったのだ。
伊久巳は俺の尻穴に狙いを定めると、シュルシュルと太股に胴体を一巻きをして一気に挿入してきた。
ずぶ、ぬぷっと音を立てて入ってきて、やがて奥まで突き当たる。
腸壁がギュウゥッと締まるのを感じる。
《清一はこの奥に入れたらすぐにイッちゃうから、ゆっくり動こうか》
伊久巳は宣言通り、尻尾を引き抜くと、再び入れるという動作を繰り返した。
そして亀頭の尿道口にもチロチロと舌が何度も出入りする。
その度に、腹の奥がキュンキュンと疼いてたまらない。
《シコシコ止まってるよ》
「はひぃ!おちんちんもお尻も気持ち良くてぇ」
《おちんちんじゃなくて、乳首弄りのほうが良いかな?》
聞かれただけなのに、俺は片手でチンポを擦り、もう片手で自分の乳首を摘んでクニクニとすり潰した。
《清一が頑張ってるから、結腸もしてあげよう。奥の奥まで愛してあげるからね》
「嬉しいです」
シュルシュルと尻尾が動き出す。蛇姿の伊久巳の身体はチンポより細くて長いから、奥へ奥へ進んでいく。
「あああっ、すごい、入ってるぅ」
《ほーら、あとちょっとだよ。がんばれ》
「ふぁい……」
伊久巳が励ましてくれて、嬉しくなってきゅっきゅと尻穴に力を入れた。
すると、グポッと音を立てて結腸の弁に伊久巳の尻尾がハマった。
その衝撃に俺は身体を仰け反らせる。
《もっと奥に入るよ》
俺の肛門からは、ズボッ、ヌプッと音がする。
「おぐぅ!おぐ入ってますぅ!」
《まだ入るよ》
「あああっ!伊久巳さんの蛇ちんぽしゅごいっ!」
お腹が苦しくて苦しくて、でも幸せで俺のチンポは詮が壊れた蛇口のように潮を吹き出していた。
「あああっ、イく、イグっ!イクッ!イグゥゥゥッ!」
ビクビクと痙攣しながら俺は射精せずに絶頂を迎えた。
《清一は可愛いね。姿が戻ったらもっともっとイキ狂わせてあげるからね》
うっとりと微笑んで、人型に姿が変わっていく伊久巳を眺めた。
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