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第6章
第三十七話 成長期なババァ
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街に繰り出した二人は、まずは朝食を取ろうと店を探しに並んで歩く。
「やぁラウラリスの嬢ちゃん。今日はデートかい?」
「あら、ラウラリスさん。カッコいいお連れさんがいて羨ましいわ」
「ラウラリスちゃん、ご機嫌いかが?」
そんな最中に、道ゆく人々がちょくちょくと声をかけていく。ラウラリスは誰に対しても分け隔てなく、陽気に言葉を返していった。全員、彼女が王都に来てから知り合った住民たちである。
「王都に来てまだ一ヶ月程度なのに、よくもまぁあれだけ仲良くなれるな」
「そうかい? 私としちゃぁ、ちょっと話をしたり悩みを聞いていたりしただけなんだがね」
ケインの呆れと驚きが混ざったセリフに、ラウラリスは何気なく答えた。
王都に来てからというもの、ほぼ宿と図書館を行き来する日々であったが、それだけに終始していたわけでもなかった。息抜きに露天を巡ったり飲食店で料理に舌鼓を打ったり、時にはお節介を焼いて困った老人を助けたり喧嘩する若者を鉄拳で仲裁したりといったこともしていた。今では、ラウラリスが出歩くだけでその辺りの治安が少し良くなるほどである。
ラウラリスは皇帝当時、為政者としての苛烈な辣腕を振るう一方で、時折には小綺麗で気さくな貴婦人として市井に降っていた。これは上から覗くだけでは見えてこない庶民の暮らし振りを観察するだけではなく、日々の重圧から解放された休息も兼ねていた。
──最も、その傍らで困った勤勉な商売人に助言をしたり、職に困った若者に働き口を探してやったり、路頭に迷った親無しの子に里親を紹介したり、あるいはそういった善良な者たちを食い物にする悪辣どもを懲らしめたりと、単なる休暇とは言い難いかもしれなかったが、少なくとも彼女にとっては良い気晴らしではあった。これらの下地があることによって、ラウラリスのコミュニケーション能力は破格と称しても過言ではなくなっていた。
彼女自身はこれを特別な事とは思っていなかった。多少の聞き上手程度の認識であり、そうした気取らないところもまた人々に慕われる一因でもあったのだろう。
あと、声をかけてくる割合が壮年から老人当たりなのはやはり、彼女の人徳所以であった。
いつの間にか、彼女の手にはいくつかの紙袋が抱えられていた。どれも、道ゆく顔見知りや、露天の飲食店で貰ったものだ。中身は持ち運びができる出来立ての料理や果物だ。
「いつもそんなに貰うのか?」
「ちょくちょく貰ったりはするが、ここまでの量は今日が初めてだよ。とりあえず、朝飯には困らないか。あんたもどうだい」
「……頂こう」
袋の一つを受け取り、中身を頬張るケイン。
しばらく二人で朝食をパクつきながら歩く。
傍目からすると、顔の整った美男美少女のカップルが買い食いをしている様に見えただろう。
「ところで、この後の予定はあるのかい?」
「一応は昼食に店を予約しているが、その前後は特に決めてはいない。お前もその方がいいだろう」
「最低限の甲斐性は持ってて安心したよ。これで完全に無計画だったら、シドウの教育方針に文句をつけなきゃならんかったよ」
「お前は俺の母親か」
ほっと胸に手を当てたラウラリスに、流石のケインもムッとなる。精神年齢的には、祖母と孫あたりだ。
手元の朝食を食べ終えたラウラリスがふと口を開いた、
「思い返してみると、あんたと街を歩くのも久しぶりだな。初めて組んだ時がなんだか随分と昔に感じちまうよ」
『亡国を憂える者』に初めて関わり合いを持ち、ケインと出会った出来事。実際にはまだあれから一年ほどしか経過していないであろうが、あれからこれまでの事を省みると騒動の連続であった。
ラウラリスが自ら首を突っ込んだものや、意図せずに巻き込まれたこともあった。あるいはケインが持ち込んだものが発端だった件もある。仕事を共にしたり依頼される事はあっても、並んでゆっくり歩くのは、出会った時以来である。
「初めて組んだ時は、まさかここまで長い付き合いになるとは思っていなかったがな」
「長いっつっても、一年かそこらだろうに。思っていなかったってのは同感さね」
切っ掛けは間違いなく偶然であったには違いない。だが、偶然から今に続く関係になったのは必然だった。
「……そういえば、初めて会った頃よりも少し背が伸びたか?」
「お、わかるもんかい。実はこっちに来てから服を仕立て直したんだ」
ラウラリスの体は、肉体的にはまだまだ育ち盛り。王都に向かう道中で、着ている服が窮屈になっていることに気がついたのだ。王都についてから早々に、服飾屋に赴いて丈を直してもらったのだ。
「あんたは……背は変わりないねぇ」
「お前と違って、こちらは既に成長期が終わっているからな。……あれだけの量を食いながら、その程度の成長で留まっている事が俺としてはむしろ不思議で仕方がない」
と、ケインの目が不意に止まったのは、ラウラリスの胸元であった。
「…………」
すぐに視線を逸らしたが、もちろんラウラリスは気が付いていた。だが、あえて指摘してやらないのは剣士の情けである。むしろ、女性に対しての礼儀も多少は備わっているようで安心する。
ここだけの話、実は革鎧の一部も息苦しさを覚えるようになっていた。ラウラリスが食事で得た栄養が、背丈だけではなくそこにも注がれていたのは紛れも無い事実であった。
(前世と同じくらいに育つんなら、背丈もこっちもまだ伸びるんだろうなぁ)
今の服は、ラウラリスが転生したばかりの頃に訪れた街で仕立てたもの。それなりの愛着があるが、いずれは丈直しでは限界が来るだろう。その時になればいよいよお別れだ。まだ先の話ではあるが、考えると少しだけ寂しく思える。
「仕事仲間以外に、休日に会ったりする友人とかいないのかい」
「あいにくと、王都に住処はあるが一年の半分近くは空にしているからな。方々を飛び回って、誰かと交流を深める時間はない」
「ま、そりゃぁそうか」
「アマンあたりは酒飲み友達もいるらしいがな。あいつは俺と違って世渡りが上手い。いい塩梅の付き合い方をしているようだ」
補佐官であり情報屋でもあるアマンはむしろ、出先で人脈を形成するのも仕事のうちだ。ケインが赴く前に現地入りし、任務に関わる情報を集める必要がある。
「奴も近頃は酒盛りをする暇もなく忙しくしているが」
「ここ一ヶ月あたりは、裏方の連中も大変だったろうねぇ。こっからは私たちの番なんだろうけど」
ラウラリスの耳にも、近々に作戦が行われることは届いている。
まもなく過ぎれば、対亡国同盟における仕事に掛かりっきりになる。しばらくの間はこうして呑気に王都の街並みを歩く機会も無くなってしまうだろう。
今日は、ラウラリスにとってもケインにとっても最後の休息日であった。
「やぁラウラリスの嬢ちゃん。今日はデートかい?」
「あら、ラウラリスさん。カッコいいお連れさんがいて羨ましいわ」
「ラウラリスちゃん、ご機嫌いかが?」
そんな最中に、道ゆく人々がちょくちょくと声をかけていく。ラウラリスは誰に対しても分け隔てなく、陽気に言葉を返していった。全員、彼女が王都に来てから知り合った住民たちである。
「王都に来てまだ一ヶ月程度なのに、よくもまぁあれだけ仲良くなれるな」
「そうかい? 私としちゃぁ、ちょっと話をしたり悩みを聞いていたりしただけなんだがね」
ケインの呆れと驚きが混ざったセリフに、ラウラリスは何気なく答えた。
王都に来てからというもの、ほぼ宿と図書館を行き来する日々であったが、それだけに終始していたわけでもなかった。息抜きに露天を巡ったり飲食店で料理に舌鼓を打ったり、時にはお節介を焼いて困った老人を助けたり喧嘩する若者を鉄拳で仲裁したりといったこともしていた。今では、ラウラリスが出歩くだけでその辺りの治安が少し良くなるほどである。
ラウラリスは皇帝当時、為政者としての苛烈な辣腕を振るう一方で、時折には小綺麗で気さくな貴婦人として市井に降っていた。これは上から覗くだけでは見えてこない庶民の暮らし振りを観察するだけではなく、日々の重圧から解放された休息も兼ねていた。
──最も、その傍らで困った勤勉な商売人に助言をしたり、職に困った若者に働き口を探してやったり、路頭に迷った親無しの子に里親を紹介したり、あるいはそういった善良な者たちを食い物にする悪辣どもを懲らしめたりと、単なる休暇とは言い難いかもしれなかったが、少なくとも彼女にとっては良い気晴らしではあった。これらの下地があることによって、ラウラリスのコミュニケーション能力は破格と称しても過言ではなくなっていた。
彼女自身はこれを特別な事とは思っていなかった。多少の聞き上手程度の認識であり、そうした気取らないところもまた人々に慕われる一因でもあったのだろう。
あと、声をかけてくる割合が壮年から老人当たりなのはやはり、彼女の人徳所以であった。
いつの間にか、彼女の手にはいくつかの紙袋が抱えられていた。どれも、道ゆく顔見知りや、露天の飲食店で貰ったものだ。中身は持ち運びができる出来立ての料理や果物だ。
「いつもそんなに貰うのか?」
「ちょくちょく貰ったりはするが、ここまでの量は今日が初めてだよ。とりあえず、朝飯には困らないか。あんたもどうだい」
「……頂こう」
袋の一つを受け取り、中身を頬張るケイン。
しばらく二人で朝食をパクつきながら歩く。
傍目からすると、顔の整った美男美少女のカップルが買い食いをしている様に見えただろう。
「ところで、この後の予定はあるのかい?」
「一応は昼食に店を予約しているが、その前後は特に決めてはいない。お前もその方がいいだろう」
「最低限の甲斐性は持ってて安心したよ。これで完全に無計画だったら、シドウの教育方針に文句をつけなきゃならんかったよ」
「お前は俺の母親か」
ほっと胸に手を当てたラウラリスに、流石のケインもムッとなる。精神年齢的には、祖母と孫あたりだ。
手元の朝食を食べ終えたラウラリスがふと口を開いた、
「思い返してみると、あんたと街を歩くのも久しぶりだな。初めて組んだ時がなんだか随分と昔に感じちまうよ」
『亡国を憂える者』に初めて関わり合いを持ち、ケインと出会った出来事。実際にはまだあれから一年ほどしか経過していないであろうが、あれからこれまでの事を省みると騒動の連続であった。
ラウラリスが自ら首を突っ込んだものや、意図せずに巻き込まれたこともあった。あるいはケインが持ち込んだものが発端だった件もある。仕事を共にしたり依頼される事はあっても、並んでゆっくり歩くのは、出会った時以来である。
「初めて組んだ時は、まさかここまで長い付き合いになるとは思っていなかったがな」
「長いっつっても、一年かそこらだろうに。思っていなかったってのは同感さね」
切っ掛けは間違いなく偶然であったには違いない。だが、偶然から今に続く関係になったのは必然だった。
「……そういえば、初めて会った頃よりも少し背が伸びたか?」
「お、わかるもんかい。実はこっちに来てから服を仕立て直したんだ」
ラウラリスの体は、肉体的にはまだまだ育ち盛り。王都に向かう道中で、着ている服が窮屈になっていることに気がついたのだ。王都についてから早々に、服飾屋に赴いて丈を直してもらったのだ。
「あんたは……背は変わりないねぇ」
「お前と違って、こちらは既に成長期が終わっているからな。……あれだけの量を食いながら、その程度の成長で留まっている事が俺としてはむしろ不思議で仕方がない」
と、ケインの目が不意に止まったのは、ラウラリスの胸元であった。
「…………」
すぐに視線を逸らしたが、もちろんラウラリスは気が付いていた。だが、あえて指摘してやらないのは剣士の情けである。むしろ、女性に対しての礼儀も多少は備わっているようで安心する。
ここだけの話、実は革鎧の一部も息苦しさを覚えるようになっていた。ラウラリスが食事で得た栄養が、背丈だけではなくそこにも注がれていたのは紛れも無い事実であった。
(前世と同じくらいに育つんなら、背丈もこっちもまだ伸びるんだろうなぁ)
今の服は、ラウラリスが転生したばかりの頃に訪れた街で仕立てたもの。それなりの愛着があるが、いずれは丈直しでは限界が来るだろう。その時になればいよいよお別れだ。まだ先の話ではあるが、考えると少しだけ寂しく思える。
「仕事仲間以外に、休日に会ったりする友人とかいないのかい」
「あいにくと、王都に住処はあるが一年の半分近くは空にしているからな。方々を飛び回って、誰かと交流を深める時間はない」
「ま、そりゃぁそうか」
「アマンあたりは酒飲み友達もいるらしいがな。あいつは俺と違って世渡りが上手い。いい塩梅の付き合い方をしているようだ」
補佐官であり情報屋でもあるアマンはむしろ、出先で人脈を形成するのも仕事のうちだ。ケインが赴く前に現地入りし、任務に関わる情報を集める必要がある。
「奴も近頃は酒盛りをする暇もなく忙しくしているが」
「ここ一ヶ月あたりは、裏方の連中も大変だったろうねぇ。こっからは私たちの番なんだろうけど」
ラウラリスの耳にも、近々に作戦が行われることは届いている。
まもなく過ぎれば、対亡国同盟における仕事に掛かりっきりになる。しばらくの間はこうして呑気に王都の街並みを歩く機会も無くなってしまうだろう。
今日は、ラウラリスにとってもケインにとっても最後の休息日であった。
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