僕は彼女の光でありたい。そして彼女に光を取り戻してほしい。たとえ太陽が消えてもあなたと一緒にいる。

yaminokikousi

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第四話

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欠席連絡を彼女の家にもっていった。会いたかったので家のチャイムを押した。しばらく待った。そしたらなんと父が出てきてしまった。
「誰だ?」
「あ、僕は娘さんと同じ学校のものです。」
「フーン、なんか用か?」
「彼女の欠席連絡を持ってきました。」
「学校休みおって。なんて、だらしがないんだ」
「今いますか?」
「いないぞ」
「え!?」
「朝家を出た。学校に行く格好して」
「じゃぁ行方不明ですか」
「あんな役立たず知らんぞ」
その言葉にプチンときた。でも、ここで争ったところで意味ないと思い穏やかに言ってみた。
「役立たずではありません。彼女は僕にとって、学校のみんなにとって必要な存在なんです。そして信頼されていて働き者です。決して役立たずではないです。」
「それでも、役立たずだ」
「なんで、そんなこと言うんですか?」
「家事も、俺の満足のいくまでの家事もできないやつが役立たずのほかなんという?」
「そんなに役立たずっていうなら自分でやってみたらどうです?完璧に。とにかく失礼します。彼女に直接渡したいので。」

そう言い残してその場を離れた。人前では少し穏やかなようだ。彼女の行きそうなところはなんとなくわかっていた。それは、前一緒に帰った時に好きな場所について話したことがあったから。彼女が好きなところは、周りを木に囲まれていて、ログハウスがあるところ。心が落ち着くらしい。今までにもしんどいことがあると、よくそこに来ていたらしい。その場所も教えてくれていたので、とりあえずそこに行くことにした。

彼女はログハウスの中でうずくまるようにして、座っていた。
「大丈夫?」声をかけた。
彼女は顔をあげた。
泣きはらして、とてもやつれて、目の下にあざのある顔をあげた。
びっくりした。
でも、何も聞かなかった。ただ僕は、自分の着ていた上着を彼女にかけて寄り添った。
夕方5:00をまわったころだろう。だいぶ寒くなてきた。僕は彼女に「帰ろうか」とだけ言った。
彼女は首を振った。そして「もういやだ」といってすすり泣いた。枯れた涙を流した。僕にできることは彼女の肩を抱いて寄り添うだけだった。不意に彼女が、

「ありがとう。ノートずっととってくれてて。」って言った。
少し安心したのか落ち着いたのだろう。
「ねぇ。前私のこと好きっていてってくれたよね~?」
「うん。いった」
「もう一回言って?」
「好きだよ」
「ちがうの。ちゃんとあなたの気持ちを伝えて。好きだからどうしたいのかまで。お願い!!」
「わかった。・・・僕はあなたのことを愛してる。あなたは僕にとって必要な存在そして、あなたから必要とされたい。だから、僕と付き合ってください!!」  すべての気持ちをまとめた。
「・・・」
「だめ?」
「本当に私の相談に乗ったりしてくれるの?暴力しない?暴言はかない?裏切られたら私見方がいなくなるんだよ?そんなのいやだよ!!?」
「俺に任せろ!!あなたが背負うには重すぎるよ。俺が全力で助けになる。あなたにとって一番近い。暴力しないし暴言もはかない。なんたって俺創そうゆうのきらいだからね(^_-)-☆」
「(^ー^* )フフ♪」
「へ?なんかおかしい?」
「いや、俺っていうんだ~って思って・・・付き合う!!よろしく!!でも、私の肩の荷、いや背中の荷は背負わないでほしい。」
「なんで?」
「あなたに迷惑かけるから」
「迷惑かけずに生きれる人なんていないよ。俺には迷惑かけろよ。俺ら付き合ってんだろ?」
「うん」
「俺が背負いたいって言ってるんだから背負う権利はあるはず。これからはカレカノとして生きるんだ。今までよりもっと近くにいるんだから、ただ見てるだけってつらいよ。それに、俺には力がある。」
「男っぽいね。本当に背負ってくれえるんだったら、もっと私の中にあるこというけどいい?」
「ああ。」
「よし、気を取り直して帰ろうか。」
「うん」

自転車に向かおうとする彼女を慌てて止めた。

「欠席連絡届けに来たんだった。はい、どうぞ」
「ありがとう」
「あと、家に言ったらお父さん出てきた。」
「私が欠席したこと言ったの?」
「う、うん」
「は~?」
「え!?」
「うん。家出するしかない。訳は後で話す。とりあえず、父を連れて散歩でも行っといて。」
「マジで?」
「うん」
「了解した。」


彼女の覚悟を受け取った。でも、かなり日も暮れてるのに散歩に連れていくとか、あまりにも不審すぎて怪しく感じる。だが彼女のために頑張らなければ!!



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