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第2章 ミシュバットの妖精王 編

第 85 話 屋根裏部屋

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 なぜだろう? 目が覚めてしまった……

 篤樹はまだ暗い部屋の中、意識がハッキリ覚醒してしまう。ミーティングが終わり部屋に上がったのが12時近くだった。あれから2時間程しか経っていないと感じるが、とにかくスッキリと目覚めてしまったのだ。

 仕方無いなぁ……。ま、明日は休養日になったし、また眠気が来るまで起きていよう……

 ベッドから抜け出し、ガウン代わりに外套を羽織る。隣のベッドにはスレヤーが眠っていた。その横のソファーにはムドベが眠っている。サキシュはエルグレドと同室となっていた。篤樹は同室の2人を起こさないようにそっと靴を履き、部屋の扉を開く。
 2階の廊下には板はめ式の窓穴が開いている。夜間は閉めることにしたはずだが……最後の人が閉め忘れたのだろうか? しかし、おかげで月明かりが射し込み廊下を照らしてくれているので、ランプを灯す必要が無かった。

 ミシッ……ミシッ……

 板床の廊下と階段がきしむ。活動時間には気にならない程度の音だが、自分一人だけで動いているととても大きな音に聞こえる。篤樹は他の部屋の人達が起きてしまうのではないかとドキドキしながら1階まで降りたが、どうやら誰も起き出して来る気配は無い。
 リビングまで入るとすっかり歩調も軽くなる。

……あれ? 1階の窓も開けっ放しじゃん? 危ないなぁ……

 篤樹はリビングの窓板も開いたままなのを横目で確認しながら台所へ入ると、水差しからコップに水を注ぎ一口飲む。

 あーあ……すっかり目が覚めちゃったなぁ……

 台所の窓板はキチンと閉められているのを確認した瞬間、突然、篤樹は背後から何者かに口を塞がれた。手に持っていたコップを投げ出し、口を塞ぐ手を払い除けようとして掴むが……

 え? 小さい……

「賀川、落ち着け! ウチじゃ」

 ん? カガワ? ウチ……? この声……

 篤樹は「了解」の意思を伝えるため、口を押さえている何者かの「小さな手」をポンポンと軽く叩いた。篤樹の口を塞いでいた手がゆっくりと離される。
 振り向こうとした篤樹は、床に落ちる寸前で空中に浮かんでいるコップが目についた。コップはゆっくりと宙に持ち上がり、流し台の中に静かに納まっていく。
 その不思議な光景に目を開き、篤樹は恐る恐る流し台へ近づき、コップの無事を確認した。

「大丈夫。割れとりゃせんって!」

 背後からかけられた声に、篤樹は振り返る。食材等を収める棚の上にいる子ども……心意転移魔法で別体転移させられた高山遥が、棚の上にチョコンと座ってニマッ! と笑っていた。

「おまっ……」

 うっかり普通の音量で語り出そうとしたが、遥が自分の口に人差し指を当てて「シーッ!」とポーズをとったのを見て自制し、思わず篤樹も自分の口を押さえる。しばらく間を置き、階上に居る誰の気配も無い事を確認すると、小声で遥に問いかけた。

「……お前、何やってんだよ! こんなとこで!」

「ツレない事を言うなぁ。賀川に会いに来たに決まっとろぉがぁ」

 遥はイタズラ少女満開のニコニコ笑顔で返事をする。

「ったく……あ、今のコップ、あれってお前の魔法?」

 篤樹は空中停止後に流し台に収まったコップをもう一度見ながら遥に尋ねた。遥は得意気に頷く。

「だぁよぉ。すごいっしょ? ビビったかい凡人よ」

「なんだよそれ……。俺だってしっかり学んで法術の修練を受ければ、大魔法使いになれるんだぜ……まだ、覚える時間が無いだけだからな」

 別にどうでもいい事でつい張り合ってしまう。見た目は全然知らない幼い少女だが、中身が遥だと分かっているせいか、少女の表情が何となく元の遥の笑顔に見えてくる。

「それよりも、マジでお前なにやってんの?……ってか、ちょっと待て! 話がある!」

 篤樹は突然の遥の来訪に驚いていた意識から、冷静な判断が出来る状態へ切り替わった。そうだ! 遥には色々聞きたい事があるんだ!

「ウチも話があって来たんじゃ。やっぱり気が合うなぁ同級生の部活仲間は!」

 遥が両手を開いて前に差し出す。篤樹はついついその両脇を抱え、棚の上から下ろしてやる。

「お? 気が利くなぁ賀川! 一瞬キュン死するかって気分になったぞ」

「バカ……ついうっかりだよ!……そのサイズで両手広げたりするから……」

「照れるな。妹の文香ちゃんだっけ? 抱っことかしてやってたんじゃろ? ええ兄貴じゃあ」

 あ、そうか……。ついこの間まで文香を押入れとかベッドから降ろしたりしてやってたから……じゃなくて!

「声が響くとみんなが起きて来ちゃうからさ、ちょっと場所を変えよう」

「だねぇ。んじゃ、上に行こっか?」

「上? ダメだよ、みんな2階で寝てんだから!」

 遥はニヤッと笑うと、右手に持っている特殊な形の鍵を篤樹に見せた。

「2階じゃなくって、もひとつ上じゃ」


◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 2階廊下の壁に据え付けられている梯子を、遥が慣れた調子で上る。篤樹は恐る恐る遥に付いて梯子を上り、屋根裏部屋へ入った。遥は篤樹が「入室」すると、素早く昇降扉を閉めた。

「ああーしんどかった! もう普通の声で喋ってもええよぉ。ここの防音は完璧じゃ」

「お前! なんでこの部屋の鍵持ってんだよ!」

 篤樹は遥の許可も下りたことで、先ずは最新の質問を投げかける。

「何でってなぁ……そりゃここ、ウチの部屋じゃもん!」

「はぁ?」

「見てみぃ!」

 遥に促され、篤樹は改めて室内を見回す。……確かに誰かが使用している感が溢れている部屋だ。
 窓は無いが、魔法を使っているのか天井の一部が天窓のように光を放っている。壁の一方には書棚や小さな座卓が置かれ、反対の壁際にはベッドマットが敷かれていた。その枕元には動物の縫いぐるみがいくつか置かれている。掛け布団の上には大きなウサギの縫いぐるみがデンと転がしてあった。雰囲気的には、元の世界の女の子の部屋っぽい使用感だ。何となく文香のベッド周りを思わせる。

「……マジか?」

 篤樹は遥が嘘をついていないことを確信し、声を洩らした。

「えっと……説明をお願いします」

「よかろう!……まあ『よそ者』の賀川は知らんじゃろうが、この辺りはミシュバの町でも高級住宅地なんよ。で、自然も多く残っとってな……『ウチラ』が身を隠して活動するにはもってこいなんよ」

「いや、だからって……人の家の屋根裏に勝手に住んじゃ……」

「それな! 人が住んどったらさすがにウチラも居心地悪いしなぁ。でもなんと、数年前からこの辺の家が次々と空き家になったんよ。で、空き家の間にみんなそれぞれお気にの家を選んで一部屋ずつ借りてな……」

「ちょっと待て! 空き家になれば次の借主が住むだろう?」

 遥は楽しそうに微笑むとベッドマットに座った。

「借りたいっちゅう物好きがおればなぁ……。あのなぁ、この辺りには出るらしいんでぇ」

「で……出るって……何がだよ!」

「これぇ~」

 遥は両手をゆるりと持ち上げ、お化けのポーズを取る。

「はぁ? お化けぇ?」

「そ……。だぁれもおらんハズの家の中を、子どもが走り回る音が聞こえたり、家の中の物がちょこちょこ無くなったり、空き家のはずなのに、たまに窓が開いとったり……」

 えっとぉ……それって

「お前らがやってるってこと? 空き家を使い続けるために……」

 遥はエッ? という表情で固まった。

「おもろないヤツやなぁ。もちっと乗って来いよぉ……。ま、そういう事! ウチラが少しずつこの辺りの家を『心霊スポット』扱いに変えていったんよ。おかげでここ数年はだぁれも立ち寄らんかったのに……なんで賀川達はこげな家を選んだ?」

 なるほど……お化け騒動で値が下がってる家だから格安で借りられたってことかぁ……。エルグレドさんがケチるからぁ……

「お前らの『偽お化け』のおかげで借り賃も安くなってたからだよ。……ったくぅ。しかもよりによって遥の部屋が在る家を借りちゃうなんて……」

 篤樹はタメ息をつきながら、ベッドマットに寄りかかるように床に座った。

 だから街中の通りなのに人気を感じ無かったのかぁ……

 馬車移動の際に「休日かな?」と思った違和感の正体を理解する。と同時に、何とも不思議な気分になった。偶然にしちゃあまりにも出来過ぎてる。これもやっぱり「湖神様の導き」ってやつか? 先生のイタズラか?

「はいっ! という事で、この家の先住権はウチにありますんで! 賀川達はよそモンな。ま、客として認めて迎え入れてやろう!」

 遥が嬉しそうに満面の笑みを向ける……でも、何だか妹の友達を喜ばせてるような変な気分だ……

「でもさぁ、遥ぁ……」

「ん?」

「さすがに俺らが居る間は、この部屋使うのまずく無ぇか? ほら、昨日……もう一昨日だけど、あん時お前言ってただろ? 俺が『あの部屋』で一緒にいた法暦省の人間には特に気を付けろって……。今、居るぞ? 下に」

 篤樹はそれとなくカマをかけてみた。気を付けるべきはビデルさんなのか……それともエルグレドさんなのか……

「大臣のほうじゃ無く補佐官じゃろ?……あれなぁ、もうええんじゃ」

「は?」

「あん時『気ィつけろ』言うたんは……もう気にせんでええよ。ウチの思い過ごしじゃ!」

「はぁ? あのさぁ、だって……お前をその身体にしたのは文化法暦省の人間なんだろ? ビデルさんかエルグレドさんか分かんないけど、あん時に一緒にいたどっちかが関係してんだろ? そう言ってたじゃん! だから俺もあの二人には気をつけてたし……」

 遥はバツが悪そうに苦笑いを浮かべる。

「……んとなぁ、あの後よぉ考えたら、あの部屋におった法暦省の2人は別に関係ないかなぁって思ったんじゃ。だから気にせんでええよ」

 何だか歯切れの悪い言い回しだ。篤樹はジト目で遥を見つめる。

「……お前、何か隠してんな?」

 あからさまにドキッ! とした様子を遥はみせた。

「……今は言えん……すまん……見逃してケロ」

「おま……早いなぁ認めるの」

 遥は困りきってウルウルした瞳で篤樹を見つめる。

「今は……まだ言えんのじゃ……許せ!」

「……わあったよ。何で急に話が変わったのかスッゲェ気になるけど、なんか理由があるんだろ?『今は』ってんなら『いつか』教えろよな」

 あ、これって昨夜のエルグレドさんの気分か……

 篤樹は何となくエルグレドが感じているであろうモヤモヤ感が理解出来た。早く全部話せたら良いなぁ……

「すまんなぁ賀川……。ウチもこっちに来て35年、色んな事があったんじゃって」

「いいよ、もう。……とは言え、まだお前らの事は秘密にしといたほうが良いんだろ? ガナブのリーダーが同級生で、子どもの身体になったまま35年以上こっちで生きてましたぁとか、ガナブはみんな子どもでしたぁ……とかってさ」

「あ……いや……それなんじゃけど……別に構わんよ。うん。……いや、むしろそれを全部あの補佐官に話して欲しいくらいじゃ」

 遥は最初躊躇したように見えたが、後半は積極的に秘密の暴露を勧めて来た。明らかに何か裏があるのが見え見えだ。

「……何、お前? なんか企みがあるんじゃないのか?『ガナブ』として」

「あっ!……言えん……」

 遥は大きなウサギの縫いぐるみを引き寄せ、顔を隠すとウサギの「耳の間」から目だけを出して答える。

「ホントにすまん……今はまだ色々言えん事があるんじゃ……ウチだって……でも事情があると察してくれ」

 篤樹はしばらく睨みつけるように遥を見つめた。少し間を開け、軽く溜息をついて笑顔を見せる。

「分かったよ……俺と違って遥はこっちで35年以上のベテラン選手だからな。そりゃ色々と『大人の事情』ってのもあるんだろう? 見た目は前より子どもになってるとは言えさ」

 なるべく遥の気持ちと場の空気を悪くしないよう、篤樹は軽い口調で答えた。

「……いや、マジで亮とか高木さんみたいに、見たまんま35年以上の時差を感じられたらあれだけど……今の遥を見ても、何か全然『時間差』でこっちに居る気がしないんだよなぁ……。でさ、こっちの友達に聞いたんだけど、お前の今の身体って、もしかして『妖精』なの?」

「おっ! とても新参のよそ者とは思えん鋭い洞察!」

 遥がウサギを降ろして話しに乗ってくる。

「そうなんよ。この身体……ウチは最初全然気付いとらんかったけど、何か普通と違うなぁとか、やっぱ自分の身体じゃないけんなぁとか思ぉとったら……実は『妖精』の身体だってことを後から知ったんよ」

「さっきの魔法は?」

「あれも、こっちの人間が使ういわゆる魔法とは違うもんみたいやねぇ。『仲間』に教えてもろうたんけど、人間の法術ってぇのは色々な原理だとか知識だとかの勉強が要るそうな。んでも妖精とかエルフとかってのは『イメージ』だけ強よぉすれば良いんだと。さっきのコップなんかは『落ちないイメージ』っていうか『止まるイメージ』で手を伸ばしただけやもん。……色々と便利やぞぉ」

 遥はそう言うと座卓に向かって手を伸ばした。卓上の本がフワリと浮かび上がるとスーッと遥の手に飛んで来る。

「な? リモコン要らずじゃ。これ、あっちの世界でも使えたら便利やろぉなぁ」

「すげぇなぁ……。ちょっと、俺を浮かしてみてよ」

 篤樹は遥に向き直って正座し直す。すぐに遥は両手を振った。

「無理無理! ウチ、自分で持てる重さのモンまでしか上げきらんもん。『出来るイメージ』が無いと出来んのよ、これが」

「え? そういうものなの? んじゃ、空を飛んだりとかも?」

「出来ん出来ん! 誰かに手ほどきを受けて、自分のイメージに出来んといかんらしいで」

「ふぅん……なんか残念な魔法だなぁ……」

「ウチはなんも訓練を受けちょらんしなぁ……。ま、別に困りゃあせんけどな」

 遥は本を卓上へと「普通に」投げて戻した。

「……にしてもお前、こっちの生活長いのに相変わらずその……しゃべり方のまんまなんだなぁ」

「あっ、賀川ぁ……今『変な』って言いそうやったんじゃろ? 今度からは『特別な』とかって単語を入れてな。……まあ、向こうにいた時と同じで、心許せる友にしか本当の遥様は見せられんけどなぁ。こっちで『素』で話せるんはホンの数人だけじゃ。でも、最初ん頃の話し相手は虫とか木や草花やったからなぁ……それに比べりゃ、数人でも『友』を得たおかげでウチがウチで在り続けられたんよ」

 そっか……亮達と離れた後はずっと「独り」だったんだよなぁ……。心細かっただろうなぁ……

「……で、話を戻すとだなぁ」

 遥はうさぎの縫いぐるみを脇によけて語り始めた。

「明日、ウチはミシュバットの遺跡に行くぞ。賀川も例の補佐官と一緒に来てくれんか?」

「え? 何で……あっ! まさか調査隊を襲ったのって……」

「違う違う! ウチらじゃない!……ウチやないけど……犯人には心当たりがあるんよ……何とか止めたいんじゃ。……だから……頼む! 補佐官にウチらの話をして構わんから、明日、賀川もあの補佐官連れて遺跡に来てくれ!」

 篤樹は遥の願いが、今まで感じた事のないくらいに真剣なのを感じた。

「……分かったよ。エルグレドさんはどの道行く予定だから……。俺も同行出来るように話してみるよ。……んと……『止めたい』って言ったけど、何を? あれ?……襲撃犯……って! お前、なんかめっちゃヤバい事に俺を巻き込もうとしてない!?」

 遥は申し訳なさそうに顔を歪めながら、なんとか笑みを作ろうと顔を引きつらせる。

「ホントにスマン……。けど……ウチ……心細いんじゃ……。頼む! 一緒におってくれ!」

 結局、具体的な危険性については聞き出せないまま、篤樹は大事な「同級生」の頼みを引き受ける約束をさせられてしまった。
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