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第六章 「神」の決断
陰府の中の三人の譬え
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「 陰府」の描写が 聖書の中で「たとえ 話」の一つとして語られていますので 御紹介します。
「ある 金持ちが……毎日ぜいたくに遊び 暮らしていた。この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの 貧しい人が……いた。……やがて、この 貧しい人は死んで、天使たちによって 宴席にいるアブラハムのすぐそばに 連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。そして、金持ちは陰府でさいなまれながら 目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに 見えた。そこで、大声で 言った。『父アブラハムよ、わたしを 憐れんでください。ラザロをよこして、 指先を 水に浸し、わたしの舌を 冷やさせてください。わたしはこの 炎の中でもだえ 苦しんでいます。』しかし、アブラハムは 言った。『子よ、思い出してみるがよい。お 前は生きている間に 良いものをもらっていたが、ラザロは反対に 悪いものをもらっていた。 今は、ここで彼は 慰められ、お前はもだえ 苦しむのだ。そればかりか、わたしたちとお 前たちの間には 大きな淵があって、ここからお 前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの 方に越えて来ることもできない。』」(ルカによる 福音書16章19~26節 一部抜粋)
アブラハムというのは 聖書の中で「信仰の 父」と呼ばれている 人物です。この「陰府の 描写」が実際のものか 単なる比喩なのかってのも「十人十色の 解釈」がありますが、金持ちは「自分一人だけ」で 炎の中に居て苦しみ、アブラハムとラザロは「 宴席で一緒に 居る」という姿の 対比が象徴的です。
また、アブラハムは 金持ちに向かって「お 前たち」と語りかけているのに、 金持ちは「わたしたち」では 無くあくまでも「わたし( 自分)」だけしか 認知していない姿も「 交わりの無い場」として印象に 残ります。
あと、 双方の居場所は 行き来が出来ない 大きな淵で隔てられているという「 断絶」の描写も 注目すべき点ですね。
まあ「 陰府は隠れ 場」だと先に 説明したことからすれば、 自分からアブラハムに声をかけている 元金持ちって「隠れてないじゃん」ってことになりますが、 藁にもすがる思いで恥をしのんで 声を掛けたってことでしょうか。
いずれにせよ、 陰府に降ってもなお「貧しかった者(ラザロ)」を 自分の欲を満たすために使おうとした元金持ちの願いが聞き入れられることはありませんでした。
「ある 金持ちが……毎日ぜいたくに遊び 暮らしていた。この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの 貧しい人が……いた。……やがて、この 貧しい人は死んで、天使たちによって 宴席にいるアブラハムのすぐそばに 連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。そして、金持ちは陰府でさいなまれながら 目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに 見えた。そこで、大声で 言った。『父アブラハムよ、わたしを 憐れんでください。ラザロをよこして、 指先を 水に浸し、わたしの舌を 冷やさせてください。わたしはこの 炎の中でもだえ 苦しんでいます。』しかし、アブラハムは 言った。『子よ、思い出してみるがよい。お 前は生きている間に 良いものをもらっていたが、ラザロは反対に 悪いものをもらっていた。 今は、ここで彼は 慰められ、お前はもだえ 苦しむのだ。そればかりか、わたしたちとお 前たちの間には 大きな淵があって、ここからお 前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの 方に越えて来ることもできない。』」(ルカによる 福音書16章19~26節 一部抜粋)
アブラハムというのは 聖書の中で「信仰の 父」と呼ばれている 人物です。この「陰府の 描写」が実際のものか 単なる比喩なのかってのも「十人十色の 解釈」がありますが、金持ちは「自分一人だけ」で 炎の中に居て苦しみ、アブラハムとラザロは「 宴席で一緒に 居る」という姿の 対比が象徴的です。
また、アブラハムは 金持ちに向かって「お 前たち」と語りかけているのに、 金持ちは「わたしたち」では 無くあくまでも「わたし( 自分)」だけしか 認知していない姿も「 交わりの無い場」として印象に 残ります。
あと、 双方の居場所は 行き来が出来ない 大きな淵で隔てられているという「 断絶」の描写も 注目すべき点ですね。
まあ「 陰府は隠れ 場」だと先に 説明したことからすれば、 自分からアブラハムに声をかけている 元金持ちって「隠れてないじゃん」ってことになりますが、 藁にもすがる思いで恥をしのんで 声を掛けたってことでしょうか。
いずれにせよ、 陰府に降ってもなお「貧しかった者(ラザロ)」を 自分の欲を満たすために使おうとした元金持ちの願いが聞き入れられることはありませんでした。
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