ドコモショップ小説

浅野浩二

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ドコモショップ小説

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あるトコモショップである。受け付けは圧倒的に女が多い。そもそも銀行にせよ、受け付け、という仕事は女の方が向いているのである。客だって、男に説明されるより、きれいなお姉さんに説明してもらった方が嬉しいのである。しかも、携帯は女の方が詳しいのである。メカは男の方に向くが、それはハードやソフトの開発であって、女は、お喋りで、小さな可愛い物が好きだから、携帯が男よりも好きなのである。好きであると、色々な機能をチョコチョコ使ってみるから、結果として、携帯の使い方にも詳しくなるのである。実際、男の携帯オンチというのは、いるが、女に携帯オンチはいない。そういう事もあって、トコモショップの受け付けは、皆、若いきれいな女性だった。

しかしバブル崩壊以降、未曾有の平成不況のため、日本の経済はガタガタになった。安泰である銀行まで倒産するほどである。ましてや一般企業にあっては、経営は厳しくなった。そのため大量のリストラが行なわれた。純もその一人である。せっかく大学も頑張っていい成績で卒業し就職した企業なのに。しかし世の不況は致し方ない。だがリストラの受け皿もあった。その一つがトコモショップである。平成不況の中にあってパソコン関係や携帯電話関係の産業は伸びる一方である。純の企業はトコモと提携していて、リストラの受け皿となっていた。純はおとなしい性格だったので、上司から、トコモに転職する話を聞いた時も、素直に受け入れた。そして純は、あるトコモショップの受け付けとなった。周りは皆、若い女ばかりである。純は一ヶ月、玲子という一人の受け付け嬢に、携帯の操作をみっちり教えてもらった。そして転職して一ヵ月後から、携帯の操作の仕方を説明する、受け付けになった。純はすぐに仕事に慣れた。

ある時、一人の客が純の所に来た。迷惑メールはパソコンからくるので、携帯の初期設定では、パソコンからのメールの受信は出来ないように設定されている。しかし、その人は、仕事で、自分の勤める会社のパソコンからのアドレスからだけは来るように設定して欲しいと言ってきた。純は説明書を見ながら、そのように操作して設定した。
「ありがとうございました」
客は喜んで帰っていった。純も嬉しかった。

   ☆   ☆   ☆

しかし、翌日、またその客が来た。会社がメールを送っても届かない、と言ってきたのである。純は焦った。純は説明書を読みながら操作した。iモード→iメニュー→お客様サポート→各種設定→メール設定→詳細設定→4桁のiモードパスワード→受信拒否設定→設定→ステップ3→宛先指定→会社のアドレス入力→登録。と操作した。昨日と同じだが、これで間違いないはずである。会社のアドレスも間違っていないし、ちゃんと入っている。
「これで大丈夫なはずです」
純は自信を持って言った。
「しかし、これは昨日と同じ操作ですから、もしかすると、またメールが届かないかもしれません。試しに、今、会社にメールを送ってみてもらえないでしょうか?」
「はい。わかりました」
そう言って客は会社に携帯で電話した。
「もしもし。今、トコモショップにいます。そちらから私の携帯にテストメールを送ってもらえないでしょうか」
「ええ。じゃ、すぐ送ります」
会社の人が言った。客は電話を切って、しばし待った。しかしメールはこない。客は会社に電話した。
「もしもし。テストメールを送って下さいましたか?」
「ええ。でも『メールは送れません』と出てしまいます」
純は額に皺を寄せて考え込んだ。
「おかしいなー。これでいいはずなんだけどなー。どうして、送れないんだろう」
困惑している純の所に玲子がやって来た。
「どうしたの」
「一つのインターネットのアドレスからだけ受信できるように設定したんですが、メールが送れないんです」
「どれどれ。見せて」
そう言って玲子は客の携帯を手にとった。そして、カチャカチャと操作した。純は説明書など見ないでも操作できる玲子を仰ぎ見ていた。
「純さん」
玲子は厳しい目を純に向けた。
「ダメじゃない。これはステップ3じゃなくて、ステップ4の受信設定にしなければダメよ」
そう言って玲子は客に携帯を返した。
「お客様。申し訳ありませんでした。基本的なミスです。今、ちゃんと設定しましたので、これで会社からのメールが届くはずです。本当に申し訳ありませんでした」
と深々と頭を下げた。そして玲子は純を睨みつけた。
「純さん。立ちなさい」
玲子は鈴木宗男以上の大きな声で言った。
「は、はい」
優しい玲子に強気の口調で命令されて純は、おどおどと立ち上がった。
「こんな基本的なミスをして、どうするの」
玲子は大きな声で怒鳴って、純の頬をピシャリと叩いた。他の受け付け嬢や、店にいた客達は、驚いて、咄嗟に玲子に視線を向けた。皆、玲子の怒気に圧倒されて黙っている。
「さあ。お客さんに迷惑をかけたんだから、土下座して謝りなさい」
玲子の圧倒的な気迫に気圧されて、純は、オドオドと客の前に座り込んだ。
「さあ。土下座してこう言いなさい。『私の怠慢でお客様に御迷惑をおかけしてしまいまして誠に申し訳ありませんでした。もう二度とこのような事がないよう万全の注意を持って仕事致します』と」
純は、額を床に擦りつけて、玲子に言われたセリフを言った。
「私の怠慢でお客様に御迷惑をおかけしてしまいまして誠に申し訳ありませんでした。もう二度とこのような事がないよう万全の注意を持って仕事致します」
玲子は、よし、と言って驚いて目を白黒させている客に向かって深々と頭を下げた。
「お客様。どうも申し訳ありませんでした。私の監督不注意です。もう二度とこんな過ちはおかさせません。徹底して厳しく教育します。ですから、どうかお許し下さい」
そして玲子は純に目を向けた。
「純さん。今日、会社がおわった後、残りなさい。徹底的に教育してあげるから」
「は、はい」
純はオドオドと答えた。
「あ、あの。ど、どうも有り難うございました。で、でも、そこまでしなくてもいいのではないでしょうか。誰にでもミスはありますから」
客は玲子の気迫に気圧されて、小さな声で言った。
「いえ。我が社はサービス第一をモットーにしております。社会人にミスは許されません。二度とこのような事がないよう厳しく教育します。本当に今日は御迷惑をお掛けしてしまいまして申し訳ありませんでした」
そう言って玲子は客に深々と頭を下げた。
客は、「ど、どうも」と小声で言って逃げるように去って行った。
その後、純は尻をはたいて自分の席に戻った。玲子も自分の席に戻った。
唖然とした顔でこの一連の出来事を見ていた社員や客達は、二人が席に戻った。しばしすると、やっと呪縛が解けたように、会話が再開された。店内に穏やかな日常が戻ってきた。
だが純は気が動転していた。転職して初めて見た時から、憧れつづけてきた、可愛く、優しい玲子に、こうも厳しい事をされるとは。今日は何か虫の居所が悪いのだろうか。それとも嫌われてしまったのだろうか。しかし転職した時には、実に優しく教えてくれた玲子が。純は、何度も、想像でビキニ姿の玲子と夏の由比ヶ浜で水を掛け合ったり、浴衣姿の玲子と平塚七夕祭りに行って、一緒に金魚すくいをしたり、一緒に綿菓子や焼き蕎麦を食べる事などを想像して寝ていたのである。どういう事なのか、さっぱり分からない。ともかく、今日、会社の営業時間が終わった後、徹底的に教育する、と言ったのだから、残って、土下座して玲子に平謝りに謝ろうと純は思った。


夜の10時になった。
皆は、「さようなら」と言って三々五々、帰っていった。いつもは時間がきても、少し残ってお喋りしていくことが多いのだが、今日は玲子が純と残って、純を教育すると、さっき玲子が言ったので、皆はそれの邪魔しないようにと気を使っている様子だった。とうとうショップには純と玲子だけになった。ショップの中はしんと静まり返った。純は、玲子にどんな事を言われるのか気が気でなかった。いっその事、自分の方から玲子の前に土下座して、ごめんなさい、と平謝りに謝ろうかとも思った。しかし純は萎縮してしまって、ちょうど蛇に睨まれた蛙のように、体が金縛り状態になってしまって動く事が出来なかった。「純さん」
後ろから純は声を掛けられた。純は振り返った。玲子が慎ましく立っている。両手を前で合わせて照れくさそうにモジモジしている。その態度は昼の厳しい態度とは人が違っているかと思われるほどであった。
「純さん。今日は本当に御免なさい。皆の前であんな事をして恥をかかせてしまって」
そう言って玲子はペコリと頭を下げた。厳しく叱られると怖れて、緊張してオドオドしていた純は、まるで人が違ったように豹変した玲子の態度に驚いて目を白黒させた。
「い、いえ。いいんです。僕が悪いんですから」
純は焦りながら言った。だが、ともかく玲子に嫌われていないという実感が起こって純は、ほっとした。玲子はつづけて言った。
「いえ。本当に申し訳ありませんでした。でも、今は携帯各社の競争が激しくて。うちの会社は社員教育を徹底してやっているという事を、お客さんに見せたかったのです。お客さんの口コミで噂が広がってくれるでしょうし」
玲子はニコッと微笑んで言った。
「なるほど。そうですか。そんな意図があったんですか」
そんな意図があったのかと純は感心したように玲子を見上げた。玲子はつづけて言った。「それと。これは私の利益のためなんですけど、他の社員に、ああいう場面を見せつける事によって、私は厳しく教育している真面目な社員という事を皆に見せつけたかったのです。そうすれば私の評価が上がりますから。今日は人事考課の部長も来ていましたし・・・」そう言って玲子は悪戯っ子のように舌をペロリと出した。
「なるほど。そういう意図もあったんですか」
純は玲子が、かなりしたたかな策士家である事を知って感心した。
「あ、あの。純さん。皆の前で純さんに恥をかかせてしまって本当に申し訳ありません。罰として、さっきの仕返しをして下さい」
玲子は顔を赤らめて言った。純は手を振った。
「いいです。玲子さん。僕は何とも思っていませんし、実際、僕が悪いんですから」
「でも私の気持ちがすみません。女の分際で男の人にあんな事をしてしまったのですから」
「いえ。いいです。玲子さん。僕は玲子さんに嫌われてしまったのではないかと思って、それに怯えていたんです。でも、そうでないと分かって、僕は今、ほっとしているんです」
純は和やかな口調で言った。心も和やかだった。それに玲子の言う、仕返し、というのは、どういう事をするのかも分からない。
「お願いです。私の気持ちがすまないんです」
玲子は純に自分の頼みを聞いてもらえないと思ったのだろう。さっと純の足元の前に座り込んだ。そして頭を床に擦りつけた。土下座である。
「純さん。今日は皆の前で、平手打ちしたり、怒鳴りつけたり、土下座させたりしてしまって申し訳ありませんでした。どうぞ、思う存分、仕返しをして下さい」
玲子は、奴隷が主人に物申す時のように、床に頭を擦りつけながら言った。それは実際、男主人と女奴隷の図だった。
「いいですよ。玲子さん。土下座なんかやめて立って下さい」
純は言ったが玲子はガンとして聞こうとしない。
「そうですか。それでは私は謝罪として明日までこうしています」
「あわわっ。そんな事をされては困ります」
純は焦って言った。
「では仕返しをして下さい」
「な、何をすればいいんでしょうか」
純は恐る恐る聞いた。
「私を踏んで下さい」
玲子は縮こまったまま言った。
「わ、わかりました。では靴を脱ぎます」
そう言って純は靴を脱ごうとした。すると途端に玲子が制した。
「い、いえ。靴を履いたまま踏んで下さい」
純は驚き、そして躊躇したが、玲子の言う事を聞かないと、玲子はまた、「明日まで土下座します」と言うだろうと思って決断した。
「わかりました。玲子さんの言う通りにします」
純は立ち上がって玲子の背中を靴で踏んだ。
「ああっ」
踏まれて咄嗟に玲子は声を出した。
「さあ。純さん。思うさま、好きなだけ私を踏んで今日の鬱憤をはらして下さい。顔を踏んでも、蹴っても何でも自由になさって下さい」
言われて純は玲子の背中に乗せた足を揺すってみた。柔らかい女の体がそれに伴って揺れた。玲子は、
「ああっ」
と声を洩らした。純は、だんだん面白くなってきて、華奢な肩を踏んでみたり、床につけている手の甲を踏んでみたりした。その度に玲子は、
「ああー」
と叫んだ。そんな事をしているうちに純は躊躇いがなくなっていった。そして女を虐める事に快感を感じ出した。純はもう容赦せず、玲子の顔を踏んだ。そして頬を靴の底でグリグリと揺さぶった。
「ああー」
玲子は靴と床に挟まれてひしゃげた顔から、苦しげな声を出した。
「どうですか。玲子さん。今の気分は」
純は余裕の口調で言った。
「み、みじめです。い、いっそ死んでしまいたいほど。でも私は悪い事をしてしまいました。罰は耐えなくてはなりません」
純はニヤリと笑い、体重を乗せて玲子の顔を踏んだ。靴で顔を踏まれるという、これほどの屈辱があるであろうか。その靴は外を歩き、犬の糞を踏み、汚い公衆トイレに入った靴である。
「ふふふ」
純は玲子の顔を踏みながら笑った。しばし純は玲子の顔を押し潰すように踏んでいた。
「あ、あの。純さん」
「何ですか」
純は冷ややかな口調で言った。
「も、もう、許していただけないでしょうか」
玲子は泣き崩れそうな顔で言った。
「いや。まだ、気が晴れません。公衆の前であれだけみじめにされたんですから」
もう純は躊躇いが完全になくなっていた。純は女を虐める快感に激しく興奮していた。
「わ、わかりました。純さん。私は私の出世欲のために、あなたを皆の前で恥をかかせてしまった悪い女です。好きなだけ、うんとお仕置きして下さい」
玲子は切れ長の目に涙を滲ませながら言った。
「ええ。もっと、たっぷりお仕置きさせていただきますよ」
純は勝ち誇った口調で言った。
「わかりました。では、もっと辛い罰を受けます。純さん。申し訳ありませんが、足を一度おろして頂けないでしょうか」
「ええ」
純は玲子を踏んでいた靴を顔からどけた。玲子の頬には靴の跡が烙印のようについていた。玲子はそっと立ち上がった。
「あ、あの。純さん」
玲子は顔を真っ赤にして小声で言った。
「何ですか」
「ちょっとの間、後ろを向いていただけないでしょうか」
「ええ。いいですよ」
純は踵を返して後ろを向いた。ゴソゴソ音がする。
「あ、あの。純さん。よ、用意が出来ました。こっちを向いて下さい」
玲子の声は震えていた。言われて純は振り返った。純は心臓が止まるかと思うほど吃驚した。丸裸の玲子が恥ずかしそうに、両手で乳房と秘部を押さえていたからである。純が後ろを向いている間にスーツの制服もブラジャーもパンティーも脱いだのだ。純は、しばし唖然と丸裸の玲子を眺めていたが、顔を真っ赤にして、両脚をピッチリ閉じプルプル体を震わせている玲子を見ているうちに、ゆとりが出てきて純はニヤリと笑った。
「ふふ。玲子さん。どうして裸になったのですか」
純は余裕の口調で聞いた。
「そ、それは、女にとって男の人の前で裸の晒し者になる事が一番つらい事だからです。女にとって、最も辛い罰を受けるために脱いだのです」
玲子は声を震わせながら言った。
「確かにそうでしょうね。それで、これからどうするんですか。僕は玲子さんの裸を眺めていればいいんですか」
純はしたり顔で言った。
「い、いえ。わ、私は私の出世欲のために、純さんを皆の前で恥をかかせてしまった悪い女です。うんとお仕置きして下さい」
「何をすればいいんですか」
純は落ち着き払った口調で聞いた。
「こ、これで私を吊るして鞭打って下さい」
玲子は、そっと手錠と鞭を純に差し出した。
「手錠はどのようにすればいいんですか」
私の右手に手錠をかけて、もう一方を天井の桟につなげて下さい」
そう言って玲子は、天井を指差した。天井には桟があった。
「わかりました」
純は礼儀正しい口調で言って、椅子を持ってきた。そして玲子の右手に手錠をかけて、椅子に乗り、もう一方を天井の桟につないだ。玲子は丸裸で片手だけ吊るされている。その姿はまるで、電車のつり革につかまっているような格好である。裸の体を覆えるのは、左手だけなので、乳房と秘部は両方は隠せない。掌で秘部を押さえ、二の腕で苦しげに片方の乳房を隠そうとしている。しかし乳房は両方とも丸見えである。たとえ隠せなくても、何とか隠そうとする仕草がいじらしく見える。しかしムッチリ閉じ合わさった豊満な尻は丸見えである。
「ふふ。玲子さん。素晴らしいプロポーションですね。豊満な尻がムッチリ閉じ合わさっていて、すごくセクシーですよ」
純が揶揄すると、玲子の尻がピクンと震えた。純は椅子に座って、片手を吊られ、片手で秘部を必死に隠している玲子をまじまじと見つめた。
「ふふ。女の人って隠さなきゃならない所が三ヶ所あるから大変ですね」
純は余裕の口調で言った。
「どうですか。今の気持ちは」
「は、恥ずかしいです。で、でも私は純さんをはずかしめた悪い女です。死にたいほど恥ずかしくても耐えます」
玲子は腿をピッチリ閉じて、片手をピッタリと秘部にあてがって答えた。純は、丸裸の玲子をしばし、じっくりと眺めた。
「あ、ああー。みじめだわ」
純の刺すような視線に耐えられなくなって玲子は叫んだ。
「ふふ。玲子さん。僕を叱ったのに、もう一つの意図があったんではないんですか」
純はしたり顔で言った。
「な、何を言うんですか。それ以外に理由はありません」
玲子はキッパリと否定した。しかし、その顔は真っ赤だった。
「そうですか。僕には、もう一つ、理由があるように思うんです」
純はポケットから煙草を取り出して一服して、ふーと煙を燻らせた。玲子は黙っている。純はつづけて言った。
「つまり玲子さんは、厳しく叱った部下に、みじめにされる事に喜びを感じるマゾ女なのではないのですか」
純は核心を突くようにビシッと言った。
「ち、違います。そ、そんな事ありません」
玲子は首を激しく振って否定した。しかし、その顔は真っ赤だった。
「そうですか。僕には信じられません。きっと今日の事は、部下を厳しく叱った女上司が、みじめに部下に仕返しされるスリルを味わいための、お膳立てだったのではないんですか」純は再び鋭く切り込んだ。
「そ、そんな事ありません」
玲子は否定した。だが、その声は震えていた。
「それじゃあ、手錠とか鞭とかがあるのは、どうしてですか」
「そ、それは・・・」
玲子は言葉に詰まって唇を噛んだ。
「ふふ。まあ、いいでしょう。じっくり気長に責めますから」

純はしばしの間、片手を吊られ片手で秘部を必死に隠している玲子をまじまじと見つめていたが、おもむろに立ち上がった。
「では、責めさせていただきます」
そう言って純は鞭を持って玲子の背後に立った。
「ふふ。玲子さん。キュートなお尻がムッチリ閉じ合わさっていて、とてもセクシーですよ」
そう言うと玲子の尻がピクンと震えた。
「では責めさせていただきます。鞭打ちをしますから、覚悟して下さい」
「は、はい。ど、どんなに辛くても耐えます」
玲子は手錠で吊り上げられている手の指をギュッと硬く握りしめた。純は鞭を振り上げた。豊満な柔らかい尻が、鞭打ちの恐怖のためか、ピクピク震えている。ふと純はある事に気づいて、振り上げた鞭をおろした。そして純は等身大の鏡を持ってきて玲子の前に立てた。
「ふふ。後ろからだと玲子さんの顔が見えませんからね。それと片手で秘部を隠しているセクシーな姿も。僕は鞭打たれている時の玲子さんの表情とセクシーな姿もぜひ見たいんです」
純は玲子の前に鏡を立てると、すぐに後ろに回った。鏡の中に、丸裸で、片手で秘部を隠している玲子の姿が写って見える。純と視線が合うと、玲子はあわててサッと顔をそむけた。
「ふふ。玲子さん。片手で秘部を隠している姿はとてもいじらしくて、可愛いですよ」
純はそんな揶揄をした。
「ではいきます」
そう言って純は鞭を勢いよく振り上げて、容赦せず、力の限り、玲子の白桃のような美しい尻を目掛けてビュッと振り下ろした。鞭はビシーンと大きな炸裂音をたてて玲子の柔らかい尻を一撃した。
「ああー」
玲子は苦しげに眉を寄せて、反射的に体を反った。その姿は玲子の前の鏡によって純にも見える。すぐに柔らかい白桃のような尻に鞭の跡が線状にクッキリと赤く浮かび出た。玲子は眉を寄せ、目を瞑って苦しげに口を開いている。尻が痛いだろうが、それでも片手は女の秘部にピッタリつけて隠している。
「ふふ。玲子さん。目を開けてしっかり自分の姿を見て下さい」
純に言われて玲子は、目を開けてそっと鏡を見た。丸裸で片手を吊られ、片手を秘部に当てている自分のみじめな姿を見ると、玲子は顔を真っ赤にしてサッと鏡から視線をそらした。鏡は、後ろから純が玲子の前の姿をみるためだったが、玲子に、みじめな自分自身をしっかり見せつけて認識させる効果もあった。
「ふふ。玲子さん。今の気持ちはどうですか」
「み、みじめです」
玲子は小さな声で言った。
「そうでしょうね。今日、男子社員を皆の前で、叱って、ビンタして、土下座させた、遣り手の格好いい女上司が、今は丸裸になって片手を吊られ、必死で片手で女の秘部を隠しているんですから」
純は、昼間のやり手の女社員が今では丸裸で片手を吊られているみじめな立場になってしまった事をことさら玲子に気づかせるように余裕の口調で言った。玲子は、昼間、純を厳しく叱った自分を思い出したのだろう。玲子の顔が一瞬で真っ赤になった。純はさらに調子に乗って言った。
「玲子さん。今日、僕を叱ったセリフを今、言って下さい」
「お、覚えていません」
「そんな事はないでしょう。ついさっきの事ですよ。覚えているのにウソをついているんでしょう」
「そ、そんな事はありません。叱った事は、しっかり覚えていますが、具体的にどう言ったかは正確には思い出せないんです」
玲子は必死で訴えるように言った。
「そうですか。僕はしっかり、覚えてますよ。叱責の言葉は、言った人より、言われた人の方がショックとして心に強く残りますから」
そう言って純は目前の玲子の豊満な乳房をまじまじと眺めた。玲子は真っ赤になった顔を純からそむけた。自分だけ裸で片手を吊られ、片手を秘部に手を当てている姿をまじまじと目前の純に見られている事に羞恥を感じたのだろう。純はそんな玲子を見てニヤリと笑った。
「ふふ。玲子さん。玲子さんは、こう言ったんですよ」
と言って純は、玲子が叱ったセリフを言った。
「ダメじゃない。これはステップ3じゃなくて、ステップ4の受信設定にしなければダメよ」
「こんな基本的なミスをして、どうするの」
「さあ。お客さんに迷惑をかけたんだから、土下座して謝りなさい」
「さあ。土下座してこう言いなさい。『私の怠慢でお客様に御迷惑をおかけしてしまいまして誠に申し訳ありませんでした。もう二度とこのような事がないよう万全の注意を持って仕事致します』」
「純さん。今日、会社がおわった後、残りなさい。徹底的に教育してあげるから」
玲子の顔が見る見る赤くなった。純に言われて思い出したのだろう。
「さあ。玲子さん。これらの叱責のセリフを今、言って下さい」
純はニヤリと笑った。強気の時、言った叱責のセリフを、丸裸のみじめな姿の玲子に言わせて、辱しめようという魂胆である。
「さあ。言って下さい。徹底的に教育したいのでしょう」
黙っている玲子に純は大きな声で言った。玲子は、顔を真っ赤にして、声を震わせながら喋り出した。
「ダ、ダメじゃない。これはステップ3じゃなくて、ステップ4の受信設定にしなければダメよ」
「こ、こんな基本的なミスをして、どうするの」
「さ、さあ。お客さんに迷惑をかけたんだから、土下座して謝りなさい」
「さ、さあ。土下座してこう言いなさい。『私の怠慢でお客様に御迷惑をおかけしてしまいまして誠に申し訳ありませんでした。もう二度とこのような事がないよう万全の注意を持って仕事致します』」
「純さん。今日、会社がおわった後、残りなさい。徹底的に教育してあげるから」
言い終わって玲子は真っ赤になった。強気の時、自分が言った叱責のセリフを、丸裸のみじめな姿で言った事が激しい羞恥を玲子に起こしたのだろう。
「じゅ、純さん。も、もう許して下さい。わ、私をこれ以上、みじめにしないで下さい。お願いです」
玲子は純に縋るように言った。純はニヤリと笑った。
「でも、それを望んだのは玲子さんの方ですよ。玲子さんは、こう言いましたよ。『私は私の出世欲のために、純さんを皆の前で恥をかかせてしまった悪い女です。うんとお仕置きして下さい』と」
玲子は苦しげな表情で黙っている。返す言葉がないといった様子である。
「さあ。玲子さん。そのセリフも言って下さい」
純は強気の口調で玲子に命じた。玲子は、顔を真っ赤にして小声で言った。
「わ、私は私の出世欲のために、純さんを皆の前で恥をかかせてしまった悪い女です。うんとお仕置きして下さい」
「ええ。お望みの通りうんとお仕置きしますよ」
純はホクホクした口調で言った。そして自分の携帯をポケットから取り出した。そして裸の玲子に携帯のカメラを向けた。
「や、やめてー」
玲子は叫んだが、純はおかまいなく、パシャパシャと、色々な角度から丸裸の玲子の写真を撮った。玲子はクスン、クスンとすすり泣き始めた。純はカチャカチャと一心に携帯のメールを操作した。そして、出来上がったものを玲子に見せつけた。それにはこう書かれてあった。
「私はトコモショプ横浜店の佐藤玲子です。ちょっと恥ずかしいですけど私のヌード写真を投稿します。よく見て下さい。よろしかったらトコモショップ横浜店にぜひいらして下さい。男の方達が来るのを楽しみに待っています。佐藤玲子」
「そ、それをどうするのですか」
玲子は恐る恐る聞いた。
「ネットの画像投稿掲示板に送るんですよ」
純は笑いながら言った。
「や、やめてー」
玲子は錯乱したように叫んだ。
「いいじゃないですか。ここまでサービスすれば、トコモは他の携帯会社より人気が上がりますよ」
純はニヤニヤ笑いながら言った。
「じゅ、純さん。お願いです。そんな事はやめて下さい。私を好きなだけ鞭打って下さい。でもそんな事だけは、どうか許して下さい」
玲子は必死に哀願した。
「じゃあ、投稿するか、どうかは、ちょっと考えておきます」
そう言って純は鞭を持って玲子の背後に回った。
「じゃあ、鞭打ちますよ」
「は、はい。どうぞ好きなだけ、鞭打って下さい。私は耐えます」
そう言って玲子は足をピッチリ閉じた。純は、鞭を振り上げると、玲子の柔らかい尻や太腿、背中、などを力一杯、鞭打ち出した。
「ああー」「ひいー」「い、痛―い」
玲子は悲鳴を上げつづけた。玲子の目からは涙がポロポロこぼれ、華奢な体は海草のように、激しく揺らめいた。
「じゅ、純様。お許し下さい」
玲子は、その哀願の言葉を叫びつづけた。しかし純は無視して鞭打った。しばし鞭打った後、純は鞭打ちの手を休めた。
「あ、ありがとうございます。純様」
玲子はハアハアと息を切らしながら言った。玲子の体には、鞭打ちによる蚯蚓腫れの赤い線状の跡がたくさん刻まれていた。
「玲子さん」
「はい。何でしょうか。純様」
玲子は純を、「さん」ではなく、「様」と呼ぶようになっていた。
「玲子さん。本当の事を言って下さい。玲子さんはマゾで、今、こうされている事が本当は嬉しいんじゃないでしょうか。今日、僕を厳しく叱ったのは、こうやって、みじめになって虐められるマゾの喜びを楽しみたい口実のための演技だったのではないでしょうか」
「そ、それは・・・」
と言って玲子は唇を噛んだ。
「では本当の事を言うまで責めますよ」
そう言って純は再び、玲子をめっためたに鞭打ち出した。
「ひいー。お許し下さい。純様」
玲子は体を激しく揺すりながら叫びつづけた。
「玲子さん。僕が聞きたいのは、哀願ではなく本心です。玲子さんはマゾなんじゃないんですか。そして今も本当は嬉しいんじゃないんですか」
純は鞭打ちながら玲子に問いかけた。だが玲子は答えない。純は一層、鞭打ちの力を強めた。玲子は、髪を振り乱し、ひーひー声を上げて泣きながら、純に許しを求めた。だが純は鞭打ちをやめようとしない。とうとう玲子が口を開いた。
「じゅ、純様」
「何ですか」
「ほ、本当の事を言います」
玲子は泣きながら言った。
「そうですか。じゃあ言って下さい」
純は鞭打ちの手を休めた。
「じゅ、純様の仰るとおりです。私はマゾです。今日、純様を厳しく叱ったのも、こうやって、みじめに仕返しされたいためのお芝居だったのです。鞭は痛くて、私は、許しを求めていますが、本当は、今、凄く嬉しいんです」
とうとう玲子は白状した。
「そうですか。じゃあ、もっと鞭打って欲しいですか」
「は、はい」
「わかりました。では鞭打ちます」
そう言って純は、再び、玲子を手加減せずに鞭打ち出した。
「ああー。痛―い」
玲子は体を激しくくねらせながら叫んだ。
「ふふ。美人OLの成れの果てだな」
純が鞭打ちながら揶揄した。
「ああー。いいー。もっと言って」
「お前は、美人なのに、どうしようもない変態マゾ女なんだな」
「そ、そうです。私は変態マゾ女です」
「今の気持ちはどうだ」
「し、幸せです。最高に」
「お前はオレの奴隷になるか」
「な、なります。私は純様の奴隷になります。純様の言う事には絶対服従します」
「じゃあ、責め殺してやるぞ」
「は、はい。純様に責め殺されるなら幸せです」
とうとう玲子はマゾの究極の心境を露吐した。
「ふふ。ついに言ったな」
純はしてやったりという表情で、鞭打ちをやめた。玲子は、体中、汗まみれで、ハアハアと肩で呼吸した。

しばしして、やっと玲子の呼吸が落ち着いた。
「どうでしたか。楽しかったでしたか?」
「ええ」
玲子は顔を赤くして答えた。
「じゃあ、そろそろ僕は帰ります」
「ま、待って。私の手錠をはずして下さい」
「玲子さんはマゾなんですから、明日までそうしていて下さい。明日、一番にきた人に解いてもらって下さい。最高のスリルが楽しめますよ」
「じゅ、純様。お願いです。手錠をはずして下さい。どんな事でもします。私は純様の言う事には何でも従う奴隷になります。ですから、お願いです。手錠をはずして下さい」
だが、純は、背広を着て、荷物をまとめ、机の上を整理して帰る用意をした。そして、玲子のスーツとパンティーとブラジャーを広げて床に並べた。
「お願いです。純様。手錠をはずして下さい」
玲子はさかんに訴えたが純は玲子の哀願を無視してトコモショップを出て行った。

   ☆   ☆   ☆

翌日。
「いらっしゃいませー」
元気な顔の玲子がいつものように客の対応をしていた。その笑顔は、いつも以上に明るかった。実は昨日、純が去った後、二時間ほどして純が戻ってきて、玲子の手錠を解いて、玲子は服を着て家に帰ったのである。純が戻ってきた時、項垂れてすすり泣いていた玲子は、はっと顔を上げた。
「あっ。じゅ、純さん」
玲子は、純が来た事が助けなのか、それとも、さらなる虐めのためなのか、分からず一瞬、戸惑った。
「玲子さん。どうでしたか。興奮しましたか。それとも怖かったですか」
と純が聞いた。
「こ、怖かったです」
玲子はすすり泣きながら言った。
「手錠をはずしますよ」
純が黙って手錠をはずすと玲子は、わっと泣き出した。
「あ、ありがとうございます。純さん」
そう言って玲子は純にしがみついたのである。

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