貧乏伯爵令嬢は王弟に嫁ぐ

mimi

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ティーマーリンは祖父経由で送られてきたアルバート様の等身大の姿絵をみてグフフと令嬢らしかぬ不気味な笑い声をあげていた。いや違う、人間としてアウトな声をあげていた。

その姿を見たものはきっと100年の恋も一瞬にして砕け散るほど気持ちの悪いものだ。
(恐らく強烈なフィルターがかかっているものは除外されるだろう)


「あぁ、なんて美しいの!金髪碧眼で爽やかな笑み。私のタイプど真ん中!!最高だわ!!!」

部屋がきっちりと閉まっていることを確認したティーマーリンは部屋の中でスキップしながら叫んでいた。(実は丸聞こえであることをティーマーリンは知らない)

「逞しい筋肉なんてもう素敵!あぁ抱きしめられたーい」

キャッキャッ(そんな可愛いものではなく実際はギャーギャーだ)と騒ぎながらアルバートの姿絵を崇拝する始末。実に君が悪い。


そんなティーマーリンをドアの隙間から死んだ魚の目状態で見つめるのはそろそろ引退できそうだった老執事ロット

ロットは元々マックスウェル公爵家筆頭執事だが、王宮の執事の経験もありアルバート殿下のことをよく知っていた。

そう、アルバート殿下がどれだけポンコツであるのかをよく知っていた。

「アルバート殿下とティーマーリン様のお世話はきっと大変ですな、なんてったってお二人とも少し頭のネジが緩い‥いえ、天然ですから‥‥あぁ明日は殿下がこちらを訪ねてくると言いますし嫌な予感しかしませんな」

ロットは冷や汗を浮かべながらボソボソと独り言を呟いた。

因みにロットの悪い予感は見事的中することになる。



あぁ、なんてかわいそうなロット、、、


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