4 / 12
4
しおりを挟む
あの子を手に入れてから3日
理性vs本能
おじ様の取り決めのお陰で火蓋が落とされた。
王宮から馬車で20分圏内にティーマーリンがいる。それなのに今日も俺は公務に追われていた。
あの狸じじいめ
私が盛りに行かぬようわざと雑務まで回してきている。
あぁ愛しいティーマーリン
早くその美しいお前を舐め回したい
俺は書類に目を通しながら煩悩と闘っていた。もっと詳しく言えば、俺の息子と闘っていた。
ーーー
ティーマーリンは儚げな容姿をしているが中身はまるでおっさんだった。
アリーナからは"儚げ詐欺"と呼ばれている。
全体的に薄っぺらい身体(勿論、胸だけが豊かと言う都合の良い発育はしていない)に今にも折れそうな枯れ木のような手足に片手でへし折れそうな首にふわふわのプラチナブロンド、金色の美しい睫毛、極め付けに深いブルーの瞳、この世の人ではない、天使のような容姿をしている。
その為、口を開かなければ神秘的な雰囲気を漂わせる美少女なのだ。
本人もそれをよく自覚しており、おっさん状態は親族の前でしか出さないように細心の注意を払っていた。
ここまで本性がバレなかったのはパメット伯爵家が貧乏すぎて必要最低限のパーティーにしか出席してしなかったからだ。あぁなんと幸運なことか(涙)
多くの貴族たちが、
あぁ、持参金がほんの少しでもついていれば、是非とも娶りたい!(資本主義に移行しつつあるこの国は残念なことに貴族はどこもジリ貧なのだ。)
と思うような美少女、それがティーマーリンだ。
現在、ティーマーリンは好みど真ん中の容姿アルバート様に求婚され舞い上がっていた。どうして今までハイスペックな男が売れ残ったいたのかを全く考えられない状態だった。
それどころかティーマーリンは祖父のセカンドハウスの自室で堅苦しいドレスをポイポイと脱ぎ捨ててアンダードレスとドロワーズのみでベッドの上をはしたなくピョンピョンと飛び回っていた。
あぁ、日頃の行いが良かったから神様が慈悲を与えてくれたんだわ!
ティーマーリンは天を仰ぎ祈りのポーズではなくガッツポーズをした。
「うふふふふ」
口から不気味な声が無意識に流れでる。
そんな娘の様子をドアの隙間から盗み見ていたパメット夫妻と監視の為、マックスウェル公爵家筆頭執事のロットは思わず溜息を吐いた。
ロットは現在63歳の老執事
彼はふとアルバート殿下の性格を思い出しこちらもティーマーリンと違う意味で天を仰いだ。
何故ならロットはマックスウェル公爵家筆頭執事を自身の息子に譲りアルバート殿下とティーマーリンに仕える予定だからだ。
ご主人様!最後の最後になんて無慈悲なことを!
理性vs本能
おじ様の取り決めのお陰で火蓋が落とされた。
王宮から馬車で20分圏内にティーマーリンがいる。それなのに今日も俺は公務に追われていた。
あの狸じじいめ
私が盛りに行かぬようわざと雑務まで回してきている。
あぁ愛しいティーマーリン
早くその美しいお前を舐め回したい
俺は書類に目を通しながら煩悩と闘っていた。もっと詳しく言えば、俺の息子と闘っていた。
ーーー
ティーマーリンは儚げな容姿をしているが中身はまるでおっさんだった。
アリーナからは"儚げ詐欺"と呼ばれている。
全体的に薄っぺらい身体(勿論、胸だけが豊かと言う都合の良い発育はしていない)に今にも折れそうな枯れ木のような手足に片手でへし折れそうな首にふわふわのプラチナブロンド、金色の美しい睫毛、極め付けに深いブルーの瞳、この世の人ではない、天使のような容姿をしている。
その為、口を開かなければ神秘的な雰囲気を漂わせる美少女なのだ。
本人もそれをよく自覚しており、おっさん状態は親族の前でしか出さないように細心の注意を払っていた。
ここまで本性がバレなかったのはパメット伯爵家が貧乏すぎて必要最低限のパーティーにしか出席してしなかったからだ。あぁなんと幸運なことか(涙)
多くの貴族たちが、
あぁ、持参金がほんの少しでもついていれば、是非とも娶りたい!(資本主義に移行しつつあるこの国は残念なことに貴族はどこもジリ貧なのだ。)
と思うような美少女、それがティーマーリンだ。
現在、ティーマーリンは好みど真ん中の容姿アルバート様に求婚され舞い上がっていた。どうして今までハイスペックな男が売れ残ったいたのかを全く考えられない状態だった。
それどころかティーマーリンは祖父のセカンドハウスの自室で堅苦しいドレスをポイポイと脱ぎ捨ててアンダードレスとドロワーズのみでベッドの上をはしたなくピョンピョンと飛び回っていた。
あぁ、日頃の行いが良かったから神様が慈悲を与えてくれたんだわ!
ティーマーリンは天を仰ぎ祈りのポーズではなくガッツポーズをした。
「うふふふふ」
口から不気味な声が無意識に流れでる。
そんな娘の様子をドアの隙間から盗み見ていたパメット夫妻と監視の為、マックスウェル公爵家筆頭執事のロットは思わず溜息を吐いた。
ロットは現在63歳の老執事
彼はふとアルバート殿下の性格を思い出しこちらもティーマーリンと違う意味で天を仰いだ。
何故ならロットはマックスウェル公爵家筆頭執事を自身の息子に譲りアルバート殿下とティーマーリンに仕える予定だからだ。
ご主人様!最後の最後になんて無慈悲なことを!
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
片想いの相手と二人、深夜、狭い部屋。何も起きないはずはなく
おりの まるる
恋愛
ユディットは片想いしている室長が、再婚すると言う噂を聞いて、情緒不安定な日々を過ごしていた。
そんなある日、怖い噂話が尽きない古い教会を改装して使っている書庫で、仕事を終えるとすっかり夜になっていた。
夕方からの大雨で研究棟へ帰れなくなり、途方に暮れていた。
そんな彼女を室長が迎えに来てくれたのだが、トラブルに見舞われ、二人っきりで夜を過ごすことになる。
全4話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる